午前4時半起床、どうにも連日2時間睡眠にて目覚めれば、これは矢張り時差ぼけか。午前7時半、朝飯開始時刻と相成れば、いざ食堂へ赴きし。食堂の内装も、矢張りレニー・マッキントッシュのデザイン風に彩られれど、椅子は微妙に本物とは異なりし類似品たるや、然れど本物の座り心地微妙にして、そもそも快適に食事さえし得れば、何が文句なんぞあらんや。
折角なれば「スコティッシュ・ブレックファースト」を所望せり。内訳は「poached egg, bacon, black pudding, sausage, potato scone, tomatoes, beans and mushrooms」にして、そもそも当たり外れなんぞ有り様なければ、英国が誇るヘビー級ブレックファーストを堪能せり。
Glasgowの路上にて。
「BIFTEKI」なる看板発見。果たして日本に於いて「ビフテキ」とは、私がガキの自分には、贅沢の代名詞の如き単語なれど、今や死語の類いならんや。そもそもビーフステーキ（beef steak）の略語にあらずして、フランス語のビフテック（bifteck）が訛しと知れど、巷に於いては「トンカツ」に対する「ビフカツ」も、四日市名物「トンテキ」も健在なれば、是非「ビフテキ」も再興されん事望むばかり。さりとてこの店、ピザにケバブにバーガーにと、大抵はトルコ人が営まれる、欧米に於ける所謂軽食屋の類いなれば、ビフテキなんぞ無関係この上なし。圴かトルコ語にて「BIFTEKI」なる同音異義語存在するものか。
見事なる剪定ぶり、思わず見蕩れし次第。
ドライヴインの土産物コーナーにて、Jimmy Hatを冠れば、これにてインスタント・スコットランド人へと変身し得し。見辛けれど、側頭部より後頭部に至り、赤毛が植えられし様なれば、日本にて云う処のちょんまげ鬘の如しか。
ふと気付けば「丘の上の王子様」含むアードレー家も、スコットランド人なりけるか。
ドライヴインの食堂にて昼飯と相成れば、昨日「fish & chips」にて、大いに後悔させられし経緯あれば、本日はCharlesと同じ献立を所望せん。
斯くして「British beef and abbot ale pie」を所望せり。
パイの中身はビーフシチューの如きにして美味、成る程それなりに金を払えば、激不味帝国英国と云えど、充分に美味なる食事にありつけ得るかな。Charlesに関せば、ドラムスタイルのみならず、以前より何処となく吉田達也氏との類似点を感ぜし次第なれど、食への拘り半端ならぬ辺りも、これまた大いなる共通点ならん。
「Welcome Break Baby」とは、圴か「Welcome "Break Baby"」かと思いしも、傍らに食器やら電子レンジまで用意されればこそ。セルフ人肉料理とは、まさしく嘗て一世を風靡せし人肉系香港ホラー映画の如しならん。
豪雨の中、9時間のドライヴを以てLondon到着。投宿させて頂くカムラさんが、今宵はライヴと伺えば、会場たるThe Grosvesnorにて降車。然ればカムラさんがオルガナイズせしVampilliaのライヴにして、竜巻太郎君を始めメンバー御一同とは思わぬ再会、互いに驚きし次第。
店内バーカウンター傍らにて、何と嘗て幾度もAMTの英国ツアードライバーを務めて下さりしBenのバンド「HARD SKIN」のライヴ告知発見。
来日公演に顔出せし際には、その壮絶な人気ぶりに驚かされしロンドン・パンクバンドにして、カムラさん曰く、この店はそもそもパンク系の店なりけり。Benとも久しく御目に掛かっておらねば、海を越えての昭和40年会同士、また何れ再会果たし得る日を切に望むばかり。
カムラさん宅へ帰還。カムラさんより「残り物で申し訳ないけど」と前置きされつつも所謂日本の「カレーライス」頂けば、大阪千日前「自由軒」の名物カレー宜しくライスとルーが混ぜられ、これがまだ大いに美味にして、矢張り日本のカレーの美味なる事、しみじみ噛み締めるばかりかな。
然ればルームメイトたるAndrewとScottも交え、ウイスキー片手に大いに歓談。Londonの夜も更け行けば、明朝は午前9時出発なればこそ、午前4時、漸く消灯就寝せり。
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travel day
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