チリと云えばイースター島の巨人像モアイ、謎多きモアイこそ地球外生命体入植の鍵を秘めると思われれど、如何せん折角遠路遥々チリまで足を運べども、僅か2日間の滞在を以て、次なる国アルゼンチンへ移動と相成れば、イースター島上陸は、亦何れ次の機会に。
午前6時、投宿先ホステルを出発、いざ空港へ赴かん。昨夜感じし左足甲の違和感は、確実な痛みへと進展、マトモに歩行叶わぬ有様なれば、所謂ちんば状態と化せり。
空港へ到着するや、先ずは入国時に国内持ち込み許可されず、空港内税関にて一時預かり処分食らいしTシャツ段ボール奪還すべく奮闘中之圖。
Tシャツ段ボール奪還後、昨日私が購入せし新たなスーツケースへ詰め替え、いざ再チェックイン果たせり。
未だ搭乗まで2時間以上余せば、空港内カフェにて朝飯食らわんとす。残念乍ら目星き代物あらざれば、ここは「Germania Hunburger」なるを所望、ぱティに玉葱とピクルスをトッピング、マヨネーズ施せしシンプルな一品。「パンは皿」と信ずれば、中身のみ食せり。
土産物屋はモアイ三昧なり。
本人曰く御気に入りのタイ製パンツ履かれしウルフの出で立ちが、ジャンベやディジュルドゥこそ持参されねど、正に「自分探しの旅」に出し似非貧乏バックパッカーの如きに見えれば、そもそもそのファッションセンス皆無ぶりに加え、着熟し力の欠如ぶりを以て、新たな二つ名「ジブン・サガシ君」を授与、以来「姓はジブン、名はサガシ!」なんぞと揶揄される有様なり。
ラタム航空午前9時半発Córdoba行きに無事搭乗、僅か1時間半の空の旅を以て、真夏のアルゼンチンはCórdoba到着。
オルガナイザーが迎えに来て下されば、先ずは昼餐へ御招きに与かり、いざ彼の自宅豪邸へ。既に御母堂様が食卓を御用意下されば、
備え付けバーベキューコンロにて、南米名物「asado(アサード)」と並ぶ名物肉料理「parillada(パリジャーダ)」即ち骨付きリブ、牛肉、豚肉、鶏肉「cholizo(チョリソ)」血のソーセージ「morcilla(モルシージャ)」等、様々な肉を焼き盛り合わせし重量級料理が絶賛待機中。
付け合わせに「トマトサラダ」
こちらのサラダは、えげつなく塩っぱければ、塩味ベクトルに関し極薄味嗜好なる私が即死せしとは云わずもがな、塩味濃味大好きなウルフですら根を上げる程の殺人級レベルなり。然れどこれも、現在の気温41℃たる真夏なればこそか。
「肉あらざるは食事にあらず」たる諺さえ存在する「肉食天国」アルゼンチンなれば、主食が「肉」なりけりて、いざ「パリジャーダ」第1弾到着、
各々の皿ならぬ俎へ盛り付けられれば、
肉食天国アルゼンチンなればこそ、是亦名物と化せしアルゼンチンワインを呷り、
愈々肉祭り開催されし。その後も第2弾、第3弾、第4弾、第5弾とオートマティックに肉が供されれば、兎に角肉を食うべし、無心にて食うべし。
ウルフの名に恥じるハイエナの如き見事な貪りっぷり誇られるウルフ、得意のウルフ面を以て、
いざ肉を貪る様なり。曰く「実は僕、こう見えてめちゃめちゃ食いますね。大食い大会に出られるぐらいは食いますね。」ウルフの大食漢自慢、然ればその見事な食いっぷり、篤と拝見させて頂かん。
今回の南米ツアーへ赴くに際し、季節が日本と真逆なる夏なればこそと、その暑さ覚悟し挑みし筈なれど、最初のペルーが肌寒き程にして、次なるチリも心地良き爽快な初夏の如きたれば、このアルゼンチンはCórdobaの灼熱ぶりに対し、ついつい油断せし有様。この灼熱地獄の下、肉の応酬に対し、各部位1切れずつたる、自らへの訓戒課し挑めども、アルゼンチンの肉絨毯爆撃の前に、敢え無くも満腹の極限たるK点越えすれば、最早身動きさえ儘ならぬ苦悶ぶり晒せし。
投宿先たるホテルへ赴かんとするや、本日のフライトにて、スーツケースのジッパー破損され、遂には路上にて中身を散らかされしミツルコさん、心優しきNANI君の援助もあり、2人して開きっ放しのスーツケース抱えられし。
今宵の会場Praguay到着。
昨夜違和感を感じ、今朝より痛み発症せし私の左足甲は、鈍痛時々激痛へと進行、最早歩行困気味なれば、東君、NANI君、ウルフの3名が、杖代わりにならん棒を発見、程良き長さへ切断下さるや、サウンドエンジニアが握り手を急遽拵え下さりし。斯くして我が人生に於ける杖再デビューせり。
左足甲痛にて演奏も容易ならざる有様なれば、椅子に腰掛けサウンドチェック行いし。
本番もこの体勢にて望まざるを得ずとは、不本意乍ら当然の流れたらん。
この会場は、アメリカはテキサス辺りにて見受けらるる、半屋内半屋外なる建築構造なれば、残念乍ら空調設備あらざれど、半屋外エリアへ出るや、風が心地良き次第。ステージ上にては、ハーディーガーディー+ヴァイオリンなるドローンデュオがサウンドチェック中なり。
我々の出番まで3時間以上余せば、一旦ホテルへ撤収せり。クーラー全開にて快適至極、ミツルコさんとNANI君は大爆睡中、
私はテレビにて「ターミネーター3」鑑賞せり。
出番の刻限迫れば、午前零時過ぎ、再び会場へ帰還。
いざセッティング始めるや、矢張り「椅子に腰掛けてロックが出来るか!」との思い強く、況して演奏始まるや大抵痛みなんぞも消え失せると知れば、気合を以て己の両脚にて立ちて演奏へ挑まん。
今宵は75分のセットを披露せり。当初懸念されし右足にてワウワウペダルの操作は、実際には然程影響あらざれど、痛む左足にてエフェクター踏まんとすれば激痛に苛まされ、然れば踏む一呼吸前より息を止め、決死の覚悟を以て踏みし筈たれど、案の定若干遅れし有様、更には激痛受けるや、一瞬リズムがコケる屁垂れぶり、大いに悪戦苦闘強いられし次第。
今宵はMarshall JCM900とスピーカーキャビネットの間に、Roland JC-120を挟み込む私の定番セッティング御用意下されど、個体差皆無なれば絶対的信用を置きしJC-120が、均かのトラブル続出、然れどMarshall JCM900が健在なれば、後はサウンドエンジニアに全て任せるしか術もなし。個人程には心身共、大いに疲弊せし顛末なれど、暑さと痛さにて妙な汗を濁流の如く迸らせつつ、肉食V12ターボ全開を以て怒涛の大疾走、大いに盛況にて幕。
ライヴ写真ネット上にて拾遺叶わねば、イメージ画像にて御茶を濁させて頂く次第、悪しからず。
終演後、ホテルへ撤収するや、明朝に再びフライト控えるとは重々承知之介なれど、敢え無く即寝成仏。明日には明日の風が吹くさ。
斯くしてCórdobaの夜は更け行きし。
NANI君のブログも並走停滞しつつも更新中なれば、是非に御併読頂きたし。