案の定時差ぼけなれば、午前2時半起床。果たして今宵は68年ぶりなる特大スーパームーンたりしかと、月を仰がんと表へ出るや、凡そチ※コを思わせるコスチュームに身を包む謎の一団と遭遇せり。果たして反トランプデモの類いや否や。
空腹なれば早過ぎなる朝飯食らうべく、韓国製即席麺とカットわかめ携えキッチンへ繰り出し、然れば「わかめラーメン」拵え食せり。
投宿させて頂くは、タツヤ君の友人Melissa御夫妻宅にして、
何とも広大な敷地に建つ立派な屋敷、
御夫妻と愛娘に加え、4羽の鶏と、
猫1匹、犬3匹が暮らされる次第。
タツヤ君が、Facebook等にて御馴染み「Van Cooking」御披露下さらんとすれば、愛車内にD.I.Y.にて設営されしキッチンにて、いざ調理開始。流石は「現在アメリカに於いて年間最多本数のライヴを行うミュージシャン」にして、自炊ツアー生活の達人たれば、そのキッチン設備及び備品あれこれ工夫と配慮行き届き、更には2段ベッドさえ完備、正に自分の家毎ツアーされるが如しか。因みに彼は、今回のツアーを6月より開始されれば、何と6ヶ月間にも及ぶ超長期ツアーなりけり。
「焼飯+味噌汁+自家製漬物+キムチ」御相伴に預かれば、何とも美味なり。漬物や味噌さえも自作なれば、味噌の発酵具合素晴らしくして、いやはや自炊ツアー生活の極みたらん。
愛用するZOOMのマルチペダルG1のフットスイッチが、先のAMT宗家ネクストジェネレーション欧州ツアー中より不調なれば、ON/OFF切り替えに支障来たせし故、日本にて中古を購入、タツヤ君とのデュオCD「Live in Oita 2016」に同梱して頂けば、エフェクト各種プリセット完了せり。
今回のデュオツアーに於いて、何とFrank Zappaの甥Stanley Zappa氏が制作されし墨流しポスターあれば、其処へ墨にてサインすべく、2人していざ書道家気取りにて挑まん。
乾燥中之圖。
然れど犬畜生の妨害行為もあり。
Stanley氏の名と年号記入せし落款を急遽制作せんとすれば、
疾風の如き早さにて完成せり。
昼飯食らわんと、Melissaの御案内にて界隈のメキシコ料理屋へ繰り出せば、私は「Tacos al Pastor」所望、御品書に由れば「This Mexico City classic has its roots in the Middle East.」なる代物なりけれど、取り立てて中近東風味わい感じ得ねば、そもそも本場メキシコのタコスの足元に及ぶ筈もあらざりて、然れど普通に美味なるレベルたりし。本場メキシコにて食せし海鮮タコスの激烈なる美味さ、いと懐かしきかな。
今宵は、Melissaの友人たる在米韓国系女性チェロ奏者とのレコーディング控えれば、いざレコーディングスタジオへ。
レズリースピーカー数台と、ハモンドオルガンを含む夥きキーボード群が、所狭しと並べられれば、
ミキシングコンソールには、2インチの24chテープレコーダーも鎮座されし。
セッション録音之圖。
歓談之圖。
斯くしてレコーディングセッションも無事終了すれば、Melissa宅へ帰還。
タツヤ君の新彼女Erikaも本日遠路遥々到着されれば、いざプチ打ち上げに興じんとす。タツヤ君が、予めあれこれ御用意下されば、
何と「あん肝+鰹のたたき」これには感動感激、
而して純米酒まで御用意下されば、均か海外に於いて、あん肝にて酒を呷るなんぞ想像だにせじとは云わずもがな、況して海外滞在9週目なれば、この有難さ欣幸の極み、この美味さは到底筆舌に尽くし得ぬばかりかな。
タツヤ君の「Van Cooking」炸裂にして「豚焼そば」是亦感涙級の代物にして激烈に美味。ツアー中にカップ焼そば方式を以て、所謂「偽焼そば」なんぞは時折拵えれど、それですらその美味さ嚙み締めるばかりにして、況してや直火にて加熱調理施せし「本物」の焼そば、加えて豚肉入りとは贅沢至極、余りの美味さに望郷の念再燃どころ紅蓮の炎を以て大炎上せり。
極め付けは「銀鱈味噌漬け」にして、最早この美味さは反則行為ならん。是亦海外ツアー中に食し得る美味さのレベルを凌駕、余りの美味さに脳汁噴出、美食トリップにて恍惚状態へ突入せり。
更には「冷奴」やら、
「枝豆」まで並べば、此処は正に「居酒屋タツヤ」かな。
然れば私も、持参する昆布出汁と即席しじみ汁なんぞを以てインプロクッキング「何となく風呂吹き大根」拵えるや、大根さえ懐かしくして美味なり。
美酒美食と歓談を以て、大いに楽しきひと時堪能せり。而して宴も散開、バンにて就寝されるタツヤ君& Erika御両人に御見送り頂き、私は投宿先たるMelissa御夫妻邸へ帰還。
今宵こそが68年ぶりなりける特大スーパームーンなれば、暫し月光浴に興じんとす。
斯くしてAustin第2夜も更け行きし。
明日より愈々タツヤ君とのデュオツアー幕開けん。