午前5時起床。投宿させて頂きし屋敷は3階建にして、キッチンやバスルーム、タツヤ君が就寝する部屋は2階、数名が3階に居住される様子にして、私は1階リビングルーム跡の如きに置かれるソファを塒とさせて頂けば、1階には他にスタジオと思しき部屋や、ボイラー室なんぞもあり。「リビングルーム跡」と記せし理由は、隣接するスタジオと思しき同様、久しく放置されにける有様にして、暖炉もあれど今や旧跡状態、玄関より繋がる導線上に大層立派なレコード棚も設置されれど、今や誰も触れぬカスコーナート化せしか、皆様2階のダイニングや各自個室にて生活される風にして、最早1階リビングルーム跡は、単なる広大過ぎな玄関ポーチの一部たらん。その暖炉跡にて発見せしフリークアウトな代物。
朝飯食らわんとキッチンへ赴くや、昨日Cottonより差し入れ頂きし蕎麦と麺つゆ召喚、薬味の葱や山葵もあらざれば、東君の置き土産たりし「わさびふりかけ」を以て代用せん。下の写真に写るは、シリコン製笊にして、これは大いに重宝せり。
「笊蕎麦」拵えれど、程好き器あらざれば「青の器」に麺つゆ共々蕎麦をぶち込み、わさびふりかけ投下、いざ食らえば麺つゆの味わい懐かしくして美味。
ペンシルバニア州Philadelphia目指しいざ出発、道すがら韓国系巨大アジアン・マーケット「H Mart」に立ち寄り、今回のツアー最後なる食料補充行わんとす。
店内へ突入すれば、一瞬日本のスーパーかと錯覚する程に、アメリカのスーパーとは佇まい異なり、何やら安堵感さえ覚える始末。
日本に於いては高騰続く白菜、こちらにては1ポンド(約450g)$0.99也。
店内至る所にて試食販売コーナーあれば、何と贅沢にも「鰻蒲焼」すら試食販売ありて、堪らず食らえば激烈に美味。
薬局コーナーに於いては「正露丸」さえ販売される次第。
食料補充も済ませば、いざPhiladelphiaへ。ハイウェイがガラ空きと思えば、分離帯にて仕切られし右側のレーンは、普通に出口が多けれど、我々が走行する左側レーンは、殆ど出口あらざる「Express」即ち快速にして、長距離を移動される御仁はこちらを、近隣界隈を往来する方々は右側の普通レーンを走行する仕組なれば、これは渋滞緩和を促さん、然れど生憎日本に於いては斯くも広大な高速道路要地確保は困難にして実現不可か、然りとて2階建構造にすれば実現化ならんや。
昼飯食らうべくタツヤ君のVan Cooking炸裂、昨日の「鶏牛蒡汁」に具材加えリサイクル、先程贖いし「鰻蒲焼」を中華鍋にて温めるや、
贅沢にも「鰻丼+鶏牛蒡汁」再び。「鶏牛蒡汁」の美味さは昨日同様素晴らしくして、更には「鰻丼」の激美味さ堪らぬばかりかな。3週間に及ぶタツヤ君とのデュオツアーに於いて、日本へ帰国するや食さんと思い浮かべし好物あれこれ、既に殆ど食せし次第なれば満足至極、これ程海外遠征に於いて、日本へ帰国せんとすれど日本の美食に想い巡らさぬも稀なれば、矢張りタツヤ君が掲げられる「ツアーに出た時よりも健康になって帰って来る」ツアーに於ける信条あればこそか。
更には御茶請けならぬコーヒー請けに「豆大福」「白胡麻大福」さえ食らえば、既に気分は帰国せしが如しか。
給油に立ち寄りしガソリンスタンドにて、最後の整備点検にも余念なきタツヤ君之圖。何せ彼は自動車整備の心得さえあれば、愛車の改造整備全て自らの手にて行われる完全無欠のD.I.Y.ぶり、いはやは只管感服させられるばかりかな。
今宵の会場Hi5 Studioへ到着。
エンジニアがアホなれば、タツヤ君のドラムセットに僅か3本のマイクを立てるに際し、何と2時間以上も要せし挙句、矢鱈にフィードバックすれば、遂にはタツヤ君も怒髪天を突き怒り心頭、結局ろくにサウンドチェック叶わぬ儘、開場へと至れり。
今宵は約80分のセットを披露。PAに大いなる不安抱えれど、そもそも大爆音にての演奏にあらざれば、互いに百戦錬磨様々な修羅場も潜り抜けしドサ回りミュージシャンにして、斯様な悪条件さえも物ともせぬ速やかな対応ぶり、概ねPAに頼らざる演奏を旨とすれば、結果的には問題なし。珍しく所謂ジャズ的展開も見せれば、終演後互いに苦笑せり。今宵の公演は早々にてソールドアウト、数日前には35枚分の追加チケットさえ販売すれど、是亦瞬殺にて売り切れ御免。何せ此処はペンシルバニア州、タツヤ君のホームなれば尚の事か。所謂インプロ系ミュージシャンにしては、類稀なる動員力及び物販力を誇られるタツヤ君なれど、そもそも20余年間に渡り、所謂如何なる派閥なんぞにも属さず日和らず、只管に孤軍奮闘我が道を信じ邁進され、特にジャズ系に見られる「値打ちこき」を反面教師に、今や年間最多公演を誇るアメリカ在住ミュージシャンと呼ばれる程のツアー三昧、これは私も意を同じくすれど、如何なる宣伝媒体よりも人の口コミこそ最も信用の置けるネットワークなれば、只管により良き演奏を心掛け、只管にライヴ行い続ける事こそ、多くのリピーターを生み出すと知れば、遂にはインプロ系ミュージシャンなれど、1公演にて数百名もの観客動員力を誇られ、1000枚プレスの作品なんぞ早々に完売される物販力を誇られるも、大いに納得し得るばかりかな。
ライヴ写真ネット上にて拾遺叶えば、此処に無断借用転載させて頂く次第、悪しからず。
Philadelphiaと云えば、我等が盟友にして米アングラサイケ界の最重鎮「Bardo Pond」の本拠地にして、彼等全員馳せ参じて下されば、有難き限りにして、再会を大いに祝うものなり。
今宵はPhiladelphiaの定宿なる、そのBardo PondのJohn & Isobel夫妻宅へ投宿させて頂く次第なれど、先ずはJohnの兄にしてリーダーたるMichael宅へ御邪魔、
皆してプチ打ち上げに興じん。
宇宙人グッズに溢れかえるMichael宅は、今宵の投宿先たるJohn & Isobel宅の向かいにして、Bardo Pond諸作品が録音されし自宅スタジオも隣接する次第。
宴も散開、斯くしてJohn & Isobel宅へと赴くや、Isobelの手料理「チキンスープ」御相伴に肖らんとす。
パクチーとチーズも施されし「チキンスープ」芳しくして優しき味わい、大いに美味なり。
Michaelとスコッチのグラス片手に歓談すれば、斯くしてPhiladelphiaの夜は更け行きし。
愈々明日は、今回のデュオツアー千秋楽を迎えんとす。而して過ぐる6月に開幕せしタツヤ君の北米大陸ツアーも、6ヶ月間に及ぶ全日程、是を以て完了せんとすれば、更には私の3ヶ月間に及ぶ今回の海外遠征も、是を以て完了せん。果たして大団円にて幕を迎えんとすれば、明晩はタツヤ君宅へ赴き、鍋大会を以てツアー打ち上げに興じんとす。
然れば今宵、New York界隈在住の皆様は云うに及ばず、New York界隈に居合される皆様も、是非に我々の千秋楽を見届けて頂きたし。対バンにTalibam! with Tamio Shiraishi & David Watsonを迎えれば、果たして白石さんとの再会は1997年以来ならん。今宵、New YorkはBrooklyn、Jackにて御目に掛かります。
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Makoto Kawabata + Tatsuya Natatani
– 4th Dec. (sun) @ Jack – New York NY
http://www.jackny.org
Final show of the tour!!
20:00- $15, cash only at the door
w/ Talibam! with Tamio Shiraishi & David Watson
event page
https://www.facebook.com/events/1792505847658071/