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Channel: 大ぼら一代番外地
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人生万事塞翁が馬之助

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先日メールにて、Los Angeles在住なる某有名プロデューサー兼エンジニアの下、AMTの新譜録音製作を打診されれば、この企画を提唱せし某レーベルオーナーより、あれこれ条件等伺うや、結局は売名目的も含め、大なり小なり何らかの野望抱くミュージシャン/バンドが、有名プロデューサーにわざわざ大枚叩き、有り難くもアルバム1枚を製作して頂く、新手のバンド相手悪徳商法の如しかと思われれば、勿論交渉即決裂にしてこちらより糞丁寧な御断りメール送信を以て、交渉開始より僅か数十分にて終結宣言へと至れり。

 

 

日本に於いても、凡そ類似酷似せしアマチュアミュージシャン相手の悪徳商売あれこれ横行せしと伺えど、均か我々の如き、所謂ベテラン中堅バンドなんぞ相手に、 G※Rを筆頭に超有名バンドの名を連らね、何とも凄腕プロデューサー兼エンジニアの如しと謳えども、能く能く調べれば、斯様な超有名バンドのアシスタント・エンジニアの1人に名を連ねる程度、大言壮語の類いにして、然ればこそ斯様な悪徳商法に名を貸す輩ならんとは推して知るべし。

 

 

そもそも結成以来、既に80枚程のアルバムを製作リリースせし我々AMT一門なれば、アルバム製作に斯様な大枚叩けば即破産とは云わずもがな、レコーディングなんぞ経費ほぼ皆無、全てD.I.Y.にて行えばこそ、斯様な多作ぶり誇り得る次第。プロデュース代やらエンジニア代に、1曲6桁もの額面払う程のアホにあらねば、そもそも斯くも大金積みてアルバムを製作リリースせし処にて、余りある利潤生む程に売れるとは到底思えねば、況んや売れる類いの音楽にあらざるも重々承知之助。万が一にも、本気にて我々の音楽を支持されし上にて、何らかの共同作業せんとの申し出ならば、提唱せし側が経費支払うべきとは当然至極、結局夢見がちなミュージシャン/バンド相手に、何とか金くすねんとする輩共の浅知恵ならん。

 

 

嘗て芸大生たりし当時、所謂芸術の世界の実態を垣間見ればこそ「芸術は人脈だ」と悟り、そもそも協調性なんぞ皆無たる性分なれば、手前勝手にD.I.Y.を以て活動せんと思い立ちし経緯を以て、今現在のAMTの活動形態にも継承されるものにして、今やインターネットの普及を以て、前世紀的社会構造は解体再構築されんとすればこそ、己れが選択せし道も、決して間違いにあらざりしと確信するものなり。

結局信じ得るは己れのみ、AMTの活動を通して得し訓戒の一つに「D.T.A. (Don't Trust Anybody)」あれば、これこそ我々の如き一般的に支持され得ぬ者共の墓碑銘たるべし。

地道な活動こそ確実にして結果的には早道ならん。

 

万一にも、これが悪徳商法にあらずして、実は人生最大のチャンスたりしとすれど、後悔なんぞ一切あらざらん。人生五十路を迎えれば、いい加減身の程を知るとは哀しくも当然、今更何がロックスターか、人生万事塞翁が馬之助かな。

 


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