案の定時差ぼけなれば、午前3時起床。投宿先たるMécano宅の壁には、佐伯俊男の絵が飾られし。
昨日、BamBalam Records主宰されるJ.J.より、新譜「VOVIVIZM Episode 2」LPを40枚受け取れば、これを今日よりの移動にて、自ら背負い運ばねばならず、荷物を再梱包し直せば、その重量悍ましき超弩級にして、キャパも限界を超えトートバッグに機材の一部を分けねばならぬ有様、然れば最早日本より持参せしカップ焼そばなんぞ入れる余裕あらるは当然、斯くして朝飯にカップ焼そば食せり。
昨夜ワウペダルを踏み潰せば、Julienが現在使用されぬワウペダルをわざわざ届けて下さり、そん余りな親切ぶりに感謝感激雨霰。Merci beaucoup!!
扨、ノルマンディー上陸作戦にて有名なるCherbougへ赴くべく、先ずは最寄り地下鉄の駅へ。
御世話になりしMécanoと記念撮影。
Parisの地下鉄は、世界最多の観光客が訪れるにも関わらず、無駄に変化を求めぬフランス人気質なれば、新しき路線を除けばエスカレーターやエレベーターの類いほぼ皆無、然れば超弩級の重量なる荷物携え地獄の移動と相成りし。
仏国鉄SNCFのSt Lazare駅へ到着、パン屋スタンドにてチョコクロワッサン等所望すれど、中身の空洞ぶりに落胆、これにて€1.90也(約260円)とは、ぼったくりもええとこやろ。
Cherboug行き列車に乗車、これにて約3時間余なる列車の旅。
Cherboug駅にて、今日明日2公演のオルガナイザーMamiさんと初対面、宜しく御願い致します。
斯くして今宵の会場Studio Chaudelandeへ到着。郊外の丘の上に建つレコーディングスタジオなりけり。
サウンドチェック済ませれば、今宵のセッティング之圖。
「UP-TIGHT」のLPやフランス公演ポスター等あれば、此処のスタッフの中に、一昨年、彼等が共に欧州ツアーせしフランスのグループ、その名も「France」のメンバーの方々おられんや。
スタジオに隣接し母屋あれば、
そちらにても今宵ライヴが行われんとの事。
冷蔵庫に貼られし顔写真之圖。
今宵の主催Nitoが、事前に「ホルモンや牡蠣は好きか?」なる謎めかしきメール寄越せば、何と今朝この界隈の港にて水揚げされし牡蠣登場。
バックヤードにて機材セッティングされし方々おられれば、今宵はこちらにてもライヴ行われるとの事。そもそも今宵の宣伝にて、対バン務め下さる全バンド共、そのプロフィールに「Hyper」なる一語がキーワードの如く付けられれば、成る程今宵は「野外パイパーテクノパーティー」かと思えども、サウンドチェック眺むるや、確かにその機材群より、何れも電子音楽系若しくはテクノ系かと思われど、蓋を開ければその緩さは、正に高知のみにて超局地的盛り上がりを見せる「DEATH TECHO DEATH」に通ずる次第、これも情報が湾曲変形し伝達さるる田舎なればこその突然変異ムーブメントか。
サウンドチェック行われる傍らにて、BBQの準備も進めば、
Nito曰く「ホルモン」なる凡そ豚皮か牛皮か羊皮か、正体は謎なる代物も焼き始められ、晩餐ならぬガーデンパーティー幕開けし。この正体不明な代物は、些か臭み残る鶏皮の如きにして、クリスピーに焼き上げられしに、マスタード添え食らえば、何ともトレビアンなアテと相成りし。
続けて巨大な牛肉塊も焼かれれば、
大いに迫力あるステーキなれど、
凡そ日本人の如く筋切り等の下拵え皆無なれば、その強靭過ぎな歯応えは推して知るべし。
更にはソーセージ各種や、
骨付リブステーキなんぞも焼かれれど、
「一冬に200粒は食らう」程に大の牡蠣好きな私なれば、此処は無心に牡蠣を貪るばかりとは云わずもがな。
気付けば開場されしか人も集まり始め、キャッチコピー「Hyper-Tradibalisme」なる♂♀デュオ「LA FUREUR DE VOUIVR」が、今宵の先鋒務め下されど、その余りに独特過ぎなれば、最早「孤高」とさえ云い得る独自音世界を展開、この尋常ならぬ緩さこそ恐るべし、更には電子楽器のみならず、リコーダーやパイプや自作笛のみならずタップダンスさえも駆使され、傍らにセットされるドラムパッドより、何とも能天気なビート繰り出されれば、
最後は、フォークダンスにて御馴染み「マイムマイム」冒頭2小節のみをアレンジせしが如きバグパイプ音をループ化、而して観客巻き込みフォークダンスに興じられれば、大団円にて幕。今宵のキーワード「Hyper」とは何ぞやと、改めて問い掛ける衝撃のライヴパフォーマンスたりしかな。
次鋒務め下さりしは、キャッチコピー「Hyper-Poésie」なる♀ソロユニットなる「FIESTA EN EL VACIO」にして、是亦驚愕の緩さ、況してモジュラーシンセ含む仰々しき機材群並べど、それが到底信じられぬ程にチープなフレーズ連続攻撃、更にウィスパーな歌声も披露下さるや、是亦矢張り「DEATH TECHNO DEATH」枠に間違いなくして、いやはや仏田舎電子音楽シーン恐るべし。
斯くして会場をスタジオ内へ移し、三番手務めさせて頂きし我々、今宵は45分程度のセットを披露。私のサンプリングルーパー&シンセと、NANI君のサンプラーは、ライン出力にてPAに接続されれど、サウンドチェックと異なりPAスピーカーより音出ておらねば、ドラムセット傍らに鎮座するモニタースピーカーよりのみ音が発せらるる始末、更にはJulienが贈呈下さりしワウペダルは、複雑怪奇な代物BOSS PW-10なれば、いきなり制御不能、結局今宵も前衛的実験魂全開にてカオスへ至るや、大暴走を以て幕。
ライヴ写真ネット上にて拾遺叶えば、此処に無断借用転載させて頂きし。悪しからず。
今宵の殿務め下さりは、キャッチコピー「Hyper-Hip-Hop Techno-Noise」なる「DRYWUD」が、母屋居間にてライヴ行われれば、是亦今宵のキーワード「Hyper」とは縁遠き変態的変種トラックを従えフランス語ラップ御披露されし。
いやはや今宵対バン務め下さりし3ユニット揃いも揃いて、余りに個性派どころか正に田舎なればこその突然変異系か、全く以てキーワード「Hyper」なる意味を、今一度深く考えさせらるる有様にして、是非高知haotic Noiseにて超局地的盛り上がりを見せる事故的ムーブメント「DEATH TECHNO DEATH」と、何とか邂逅される日を夢見るばかり。Chaotic Noise井上社長が、その無尽蔵なる私財投げ出し「DEATH TECNO DEATH」ノルマンディー上陸作戦遂行されんとするならば、その時はいつの間にか「DEATH TECNO DEATH」枠にノミネートされし「ヒューマンシャワー」にて、我々2人も同行参戦させて頂きたし。
Nitoが事ある毎に「ジョークを云わせてくれ」とジョーク語られれど、毎度肝心のオチが理解不能、そもそもモンティーパイソン敬愛される彼なれば、凡そハイセンスなブラックユーモア御披露下さりしかと思われれど、如何せんこちとらギャグこそ全てなる吉本新喜劇と上方漫才にて育ちし関西人なれば、遺憾乍ら理解及ばぬも当然か、況して互いに母国語ならぬ英語なれば尚の事か。然れどNitoは懲りずにジョーク飛ばしに来れば、終いには「ジョークを云わせてくれ」と聞くのみにてこちとら爆笑、更に案の定オチ理解し得ねば「御免」と謝る度に是亦互いに爆笑せし有様。然れど下衆極まりなき下ネタにて、遂にオチ理解するや、思わず熱き抱擁さえ交わし共に歓喜せり。斯様な「ノルマンディーのギャグマシーン」Nitoと記念撮影せり。
スタジオ&母屋の斜向かいの建物2階に、我々の寝床用意下されば、既に午前3時半なれど未だパーティー続く中、我々は一足先に撤収させて頂きし。
斯くしてCherbougの夜は更け行きし。
NANI君のブログも絶賛並走更新中なれば、是非に御併読頂きたし。


























