日がな人影さえ見掛けぬ明日香の深山は山寺に篭り、均かの人生前倒し隠遁生活送れば、どうにも世俗より隔絶どころか断絶され、何やら世界に1人取り残されし錯覚さえ感ずれば、麓の石舞台古墳へ満開の桜を愛でんと、運動不足解消も兼ね、早朝6時過ぎなれど下山せり。
遡ること16年前の4月1日、名古屋より明日香の深山へ転居すれば、奇しくも石舞台古墳界隈の桜が満開、大いに感激せしを思い出せり。
独り深山へ篭り、ネットにてコロナ狂騒関連情報なんぞ眺むるや、己れは無縁と思い込みつつも、知らぬ間に大いに影響されれば、情報化社会の脅威を改めて痛感せり。いつかこのコロナ狂騒収束終焉すれども、果たして今度は如何な世界が待ち受けるか。ネットが繋ぐ長期に及ぶ隔絶生活の果て、リアルな外の世界と再び正常に接し得るや、紛う事なく元の世界には決して還らぬと確信すれば、せめて自分だけでも真面であらんと努めるべし。