毎週2作品ずつアップせんと宣言せし「Kawabata Makoto official Bandcamp」御陰様にてぼちぼちな手応え、御購入下さりし皆様、どうも有り難う御座います。
然れど実は、売り上げ送金先なるPaypalのメルアド間違い登録せしが発覚、道理にて販売報告こそ届けど、送金通知皆無たりしも合点も行くかな。而してメルアド登録し直せば、何処ぞへ消え去りしかと思しき売り上げ、果たして無事に送金されるか祈るばかり。
斯くして勝手に公約せし通り「Weekly Kawabata」若しくは「週刊 スピードグル」今週も2作品を…とは然う然う問屋が卸さず、このBandcampの為に録ろ下ろせし新譜含め、今週は3作品をリリースせり。
今回は先ず旧譜より、私の音楽的ルーツたる電子音楽系ソロアルバム2作品を選ばさせて頂きし。
「Your Voice From The Moon」は、2005年にポーランドVivo RecordsよりCDにてリリースされし純粋電子音楽作品。所有する前時代的パッチ式アナログシンセ「Electric Comp Synthesizer model-101」1台のみを駆使し制作せり。押し並べて一口に「電子音楽」と云えど、今やテクノ紛いな御機嫌至極な代物さえも含まれにけれど、私が云う処の「電子音楽」とは、既に形骸化せし「20世紀の電子音楽」に他ならず、所謂「大阪万博 Expo70」会場にて演奏されし類いと云えば、想像に易からん。
そもそも私は、己れの音楽に対し「新しさ」なんぞ微塵も追究せし試しあらざれば、そもそも音楽の良し悪しが、新鮮食材宜しく「新しさ」なんぞにて決する筈もなく、仮令「新しい音楽」を生み出されれど、その刹那其れは既に「古くなる」次第、然れば正に不毛の極み。世に云う「新しい音楽」が多くの支持を集める場合、其れは決して「新しく」にあらず、実は「そこそこ新しい風体」なればこそ、人々の共感を得られると知れ。完全無欠に「新しい」代物とは、常に世の人々の認識を超越して然るべきたれば、ガリレオが訴えし地動説宜しく、殆ど誰にも理解されぬ様こそが、当然にして然るべき姿なり。
然れば私の「電子音楽」作品とは、正に前時代的な過去の遺物へのオマージュにして、そもそも私が音楽に開眼せしは、偶然ラジオにて耳にせしシュトックハウゼンの電子音楽作品なれば、是は即ち「原点回帰」、巷の所謂ロックミュージシャンなる方々が、ビートルズやローリングストーンズ、扨亦日本のGSやフォークなんぞルーツされ、ふと懐メロカヴァーなんぞ演奏されると同様、私は「電子音楽」を演奏したくなる次第。
「Electric Erect Music vol.1」は、2015年に自主製作盤CDRにてリリース。鍵盤付きシンセサイザーとオシレーターを駆使せしスタジオ録音作品。私のソロ作品の典型的作風たるミニマルミュージック＋ドローン的アプローチは、仮令「電子音楽」たれど揺るぎもせぬワンパターンぶり。何せ中学生高校生時代に録音せし「電子音楽」作品を聴き返せば、我乍ら初志貫徹どころかその不動不変な様に、些か驚かされる程にして、亦、其れ等過去音源も何れかの機会にBandcampにてリリースせんと思えば、其の時は是非に御聴き比べ頂きたし。
最後の1枚は、本日のBandcampリリースの為に、急遽明日香は山寺に構える自宅スタジオにて録音せし新譜「Vanishing Dream In Mirage Space」なり。是亦骨董品レベルのリズムボックスさえ召喚、前述の如き狭義な「電子音楽」にあらず、どチープなビートの上を電子音が縦横無尽に飛び交う、所謂ロック的アプローチ試みし代物なり。サイケデリック・オリジネーターたる「Gong」「Hawkwind」に始まり我々AMTへ至る「宇宙音を伴うロック」の系譜とは一線を画し、単にリズムと電子音のみにて構成、然れどテクノ/ハウス扨亦EBM等とは異なる地平線に存在する代物なれば、そもそも斯くも出鱈目の極みな音楽とは、果たして他にありしや。
本作はBandcampに於けるデジタルリリースの為に製作されれば、本来現物たる「盤」としてのリリース予定あらざれど、徒然なる儘にCDRなんぞにてリリースするやも知れねど、斯くなる場合は全くの気紛れなれば、悪しからず。
Vanishing Dream In Mirage Space
/ Kawabata Makoto
1. The Man Who Inherits The Eternal Night
2. Vanishing Dream In Mirage Space
Kawabata Makoto : electronics. synthesizer, rhythm box
music by Kawabata Makoto
recorded at Acid Mothers Temple, Jun.2020
produced, engineered and mixed by Kawabata Makoto
Bandcampページに於ける「Weekly Kawabata」一応毎週水曜に更新せんと思えば、旧譜のみならず録り下ろし新作も亦、然れば引き続き何卒御贔屓に御願い奉り候。
