コロナ狂騒の煽り食らうや、海外遠征予定は全滅の憂き目に遭い、然れば徒然なる儘に始動、毎週2作品ずつアップせんと宣言せし「Kawabata Makoto official Bandcamp」此処まで新旧136タイトルを順調にリリース、御陰様にてぼちぼちな手応え、御試聴、御購入下さりし皆様、どうも有り難う御座います。
扨、今週の「Weekly Kawabata」若しくは「週刊 スピードグル」は、米音楽配信/販売プラットフォームBandcampが、コロナ狂騒の煽り食らいしミュージシャン達の窮状救うべく、売り上げ100%還元下さる恒例「Bandcamp Friday」過ぐる5月以来の実施なれば、このBandcamp Fridayを睨み録り下ろせし最新ソロ作品「Reiterative Reincarnated Reiteration (2021)」を筆頭に、記念すべき人生初欧州ソロライヴを完全収録せし「Solo Live at Lintfabriek 13. Oct. 96 (1996)」トライバル系サイケデリックジャムバンドにっぽにあにっぽんのライヴ録音「Live at Seikazoku (1995)」而してKawabata Makoto & The Mothers Of Invasionの未発表デビューライヴ音源「Live Boxy (2021)」以上4作品を一挙公開せり。
Bandcamp Fridayの為に、今回録り下ろせしソロ新作「Reiterative Reincarnated Reiteration」は、私が手前勝手に「Loop Music」と名付けし代物にして、そもそも発案せしは、音楽制作活動開始せし当時たる70年代末まで遡る次第。
当時小遣い叩き購入せし2枚組LPたるDeep Purple「Made in Japan」に、粗悪な米直輸入盤なればプレスミスにて針飛び箇所あれど、その部分がどうにも面白く思われ、挙句その部分を延々聴く有様。斯様に音楽や録音物の一部を切り出し反復すれば、さぞや興味深き音楽が制作叶わんと思い立てど、未だルーパーなんぞ存在せぬ70年代末〜80年代初頭、如何にしてループを拵え得るか、然れば「テープループ」なる手法がある事を知るに至れど、果たして具体的に如何なる仕組みか全く判らず、結局カセットテープを分解し、テープを輪状に貼り合わせ、自作エンドレステープを試作すれど、結局己れが思い描く音像に遠く及ばず失望断念、斯くしてこの「Loop Music」なる発案は、忘却の彼方に消え去りし。
コロナ狂騒にての隠遁暮らしを好機とばかり、膨大な過去音源の整理に着手すれば、奇跡的にこの時試作せし作品を発見、然れど今聴くや、稚拙どころか、耐え難き御粗末ぶり、然れど現在のルーパーやデジタルディレイなんぞたるテクノロジー駆使すれば、もしや当時思い描きし音像を実現し得らんとばかり、そのオリジナルカセットをサンプリング、斯くして遂に具現化せし「Loop Music」が、本作「Reiterative Reincarnated Reiteration」なり。
ミニマルミュージック巨匠Steve Reich初期作品群と類似点あれど、そもそも手法が似通えば、重々承知之介。然れどReich作品の如く、その音響効果を、予め計算し仕込む手法とは全く異なり、こちとらチャンスオペレーションに丸投げ、そのカシコとアホぶりが決定的に異なる次第。
因みに「Dokodesuka?」於ける声の主は、女優太田光子にして、中学の数年先輩に当たれば、私が高校生当時率いしバンド「baroque Bordello」へ勧誘せんと、烏滸がましくもカセットに手紙添え送りし経緯あり。然れば御丁寧にも、御断りに電話頂戴すれば、断られしにも関わらず大いに感動せし記憶あり。而して「音楽が暗いから」と断られれど、彼女が映画「四季奈津子」にて演ぜられし布由子役こそ暗さの極み、勝手にその布由子の印象を彼女御本人と重ね合わせれば、均かその彼女より「暗いから」なんぞと評されるとは思わず、軽くショック受けしも、是亦記憶に残るものなり。
その彼女は当時、ラジオ番組「五木寛之の夜」にてアシスタント務められれど、そもそもアシスタントにも関わらず、番組内にて殆ど言葉発せられぬ彼女の声を聞き逃すまいと、健気にも毎週エアチェックすれば、そのテープより切り出せし次第。彼女はその後、郷ひろみのCMソング「2億4千万の瞳」が大ヒットせし国鉄「エキゾチックジャパン」CMモデルに起用され、シリーズ展開されしCMにて御尊顔拝み得しが最後か。その後引退され御結婚されしと伺えば、今や還暦迎えんとされる頃、青臭き我が想いも今は昔。
1996年、Musica Transonic/Mainliner欧州初ツアー中、当時ベルギーはLeuvenに於けるフェスティバルの通訳として知り合いしJohan Wellenceことヨハン、先達て15年ぶりに再会果たせし旧友にして、そもそも1stアルバムにも参加下さりしAMT宗家初期メンバー、今や池玲子「恍惚の世界」CD復刻等にて知られる自主制作レーベルTiliqua Records主宰されれど、私は当時ベルギーにてオフの間、彼のアパートに滞在させて頂けば、当時未だ全く無名ギタリストたる私の為に、ソロライヴを提言下さり、Antwerp近郊田舎町の畑地のど真ん中にポツリと建つ会場Fintfabriekにて緊急ブッキングされ実現、これぞ人生初なる欧州ソロライヴ実現の経緯なり。ワンマンなれば2部構成、Willyなる地元のジャズドラマーが第2部に飛び入り参加下さり、大いに盛り上がりしと記憶せり。
この記念すべき人生初欧州ソロライヴを完全収録せし本作「Solo Live at Lintfabriek 13. Oct. 96」は、当時のMusica Transonic/Mainliner欧州初ツアー残り日程に於いて、20本限定カセットテープにて緊急販売、当時未だ全く無名ギタリストたりし私なれど、御陰様にて瞬殺完売。
一部に於いて弓弾き披露こそすれ、未だ弓弾き駆使してのソロ演奏開眼前夜、ファズワウ炸裂せし直球轟音ソロ、今となれば珍しく貴重なライヴ音源かな。
凡そ「トライバル系」なんぞに僅か乍ら先駆け結成活動せしサイケデリックジャムバンドにっぽにあにっぽん、パーカッショニスト横山マーボを中心に、ツインパーカッション+エレキギター+ディジュリドゥなるカルテットにて、1994年に結成、後にベースを加えクインテットへ。そもそも所謂日本ビートニクスとでも呼ぶべき界隈の人脈にて活動すれば、地下音楽の流れとは全く異なる世界なれど、そもそも私は二十歳頃より関わりあれば、正に再会的な邂逅たりしか。本作「Live at Seikazoku」は、嘗て名古屋にありし自然食レストラン&ライヴバー「聖家族」に於ける1995年のライヴ音源にして、マーボが所有せしa-datにて8chマルチ録音され、彼のスタジオにて私も交えミックス、カセットにてセルフリリースされし代物なり。
ほぼ全編完全即興にして、最後にマーボが歌う「廃屋」は、我々も縁深きビート詩人ナナオサカキに由る一篇なれど、果たしてメロディーは即興か、扨亦何方かが作曲されしかは不明、悪しからず。而して最後にちらり聴こえる歌は、当日顔出して下さるや飛び入り頂きし熊谷門に由るものなり。
因みにAMT代表曲「Pink Lady Lemonade」のリフは、このにっぽにあにっぽんが、名古屋の徳林寺にてライヴ行う前日、同寺にてリハーサル行いし際、突如降臨せし次第にして、AMT宗家1stアルバム録音の際、ふとそのリフを思い出し録音せし次第。
Kawabata Makoto & The Mother Of Invasionに関せば、1stアルバム「Hot Rattlesnakes」をBandcampにて公開せし当時のブログ記事に詳しければ、先ずは御再読頂きたし。而して本作「Live Boxy」は、1stアルバム「Hot Rattlesnakes」リリースされし2002年 (録音は2001年)、名古屋得三にて行いしデビューライヴを収録せし未発表ライヴ作品なり。然れどメンバーは私以外、1stアルバムとは全く異なり、河端一 (guitar, synth)、田畑満 (bass from Zeni Geva)、森公保 (drums from Romp) [※添付せしバンド名は当時在籍] なるトリオ編成、其処へゲストミュージシャンとして東洋之 (synth) 加えしラインナップなり。因みにこのラインナップに由る演奏は、この一度きりたりしか。而してこのライヴは、マゾ君が率いられしChristine 23 ONNA (後のAcid Eater) 名古屋公演にして、我々はそのサポートたりしと記憶せり。
70年代ジャズロック宜しく、終焉へ向かいカオス極まるインタープレイの嵐を目指せど、肝心の演奏の記憶既に希薄にして、僅かに記憶に残るはMCにて、当時一世風靡せしSteve Austinのキャッチフレーズ「What?」を皆して連呼せしのみ。19年の歳月を経し今、斯様に聴き返せば、メンバー全員未だ30代後半なればこそか、演奏の鋭利ぶり健在、五十路半ばの今は最早不可たらん「えげつなさ」爆裂せり。
下の貴重なライヴ写真は、当時其のライヴを企画主催下さりしTelle Kuma氏のウェブサイトより無断借用転載させて頂きし次第、悪しからず。
Bandcampページに於ける「Weekly Kawabata」一応毎週水曜に更新せんと思えば、旧譜のみならず録り下ろし新作も亦、然れば引き続き何卒御贔屓に御願い奉り候。
既にリリースも100タイトル越えれば、リストページ「Speed Guru's Time」を作成、先ずは「Solo」「Band & Collaboration」のページに分け、各々の内部にて項目毎に分類、而してリスト上のタイトルをクリックすれば、リンクにてBandcamp各ページへ辿り着き得る次第。是非に御活用頂きたし。
AMT公式Bandcampも、未発表ライヴ音源等含め30作品を公開中なれば、是非にチェック頂きたし。
インド古典音楽家としても活躍される金子ユキ嬢とカネコテツヤ君とのトリオFloating Flowerも、公式Bandcampページにて、スタジオ録音作品やライヴ録音作品を公開すれば、Bandcamp Friday期間中にデジタルアルバム全6タイトルを纏めてダウンロード購入頂く場合、30%offになる次第。是非にこちらもチェック頂きたし。
Bandcampアプリ入手はこちらから。