Providence

4時間睡眠を以て午前7時起床、愈々ツアーも千秋楽を迎えんとせし今、奇しくも時差ぼけ漸く解消されし有様か、我乍ら己れの体内時計の順応力不足には、呆れ返るばかり。そもそも四十路を迎えるまで、一度も時差ぼけなんぞ体験せし試しなければ、これも肉体の経年劣化が齎すものならん。

朝飯を求め出動すれば、用意されしはトースト、コーヒー、シリアル、ジュース以上、



椅子もテーブルもなければ、立ち食いうどんならぬ立ち食いトースト堪能すべし。



毎朝、勘定方たる津山さんが、ギャラやら配当金やら届けて下されば、



みつるちゃんに手渡されしは、



$4000.00相当のTシャツ＆Foodチケット、然れど有効たるは何処の会場か知る由もなければ、事実上の不渡りにして、



みつるちゃん号泣之圖。



道中弁当拵えんとすれば、御馴染み牡蠣味噌丼を拵え、昨夜購入せし納豆をON! 更にはセロリ浅漬け残党も召喚、斯くして「牡蠣味噌納豆丼＋セロリ浅漬け」弁当完成、久々に食らう納豆の美味さ尋常ならずして、因みに納豆のたれは、余りに塩っぱければ、使用せず廃棄処分たるが、長きに渡る我が慣しなり。



タンブラーに、カット若布と即席蜆汁を以て、味噌汁忍ばせれば、是亦美味なり。



Providence到着するや、我等がGodことJustinに導かれしは、当然の如くレコード屋、その名も「Analog Underground Records」特攻精神を以て急襲せり。



素晴らしき在庫具合なれば、大いに脳汁噴出、散財せしとは当然の理。店主は、何とfacebookを通じ、私へ「I'm waiting for you」なんぞとメッセージ寄越して下さりにければ、我々の来店には熱烈歓迎、有り難きかぎりかな。更には先日フランスより帰国されしばかりなる歌手Orion Rigel Dommisseも居合わされれば、なんと我が旧友たる南仏のプログレバンドaquasergeともコラボレーションされにけりて、いやはや世界は斯くも狭きものなるかな。



返す刃にてArmageddon Recordsへ、正に最終戦争なれば玉砕覚悟にて突撃せり。



レコード屋の傍らの通路、立ち入り禁止なれば、自転車のパーツにて拵えられしバリケード。



路上にてレコード梱包されるは、北白川ファッションヘルスエンジェルズの御二方なり。



今宵の投宿先たるJustinの友人宅に到着。



何故か室内にアマレス用マット設置されれば、徐ろに北白川ファッションヘルスエンジェルズの御二方に拠る、世紀の60分1本勝負のゴング打ち鳴らされ、チャンピオンベルトならぬ、ここまで購入されしレコード全てを賭けての大勝負なりけれど、



敢え無くみつるちゃん瞬殺さる之圖。



多くの方々にて共同生活される様子なれば、家主の一人たる女性と、窓辺にて寛がれる東君之圖。



均かここに「トータルリコール」にて御存知トータル社製記憶移植装置の類いあれば、危険承知なれど好奇心勝りていざ装着、果たして如何な夢を体験し得るや。



壁に飾られし牛の頭蓋骨、よくよく眺むるや、



鼻の先には、ミイラ化せし猫の如しを確認、これこそ地球外生命体の一種にして、牛の鼻腔より侵入し、鼻腔内に寄生、その脳神経系を蝕み、遂には完全にその体を乗っ取りコントロールするものなり。



然れば挨拶に現れし住人達、何とも不可思議な方々ばかり、こちらの方は、脳は機械なれど体は人間、いやはや子供の頃より親しみし改造人間の類いとは、体こそ機械なれど脳は人間なれば、この方の場合、改造人間なれど肉体的老化は回避し得ぬとは、一層人間的一生を送られるや。



こちらの女性は、正に人魚マーメイドなれど、所謂我々が馴染み深き姿とは些か異なり、一層半魚人的にして、況して鮫女シャークレディーならんと思われれど、矢張り人魚なれば鼻もあり肺呼吸されんと思われ、然れば斯くも水陸両棲可能ならん。然りとてこの様なれば、陸上生活は随分難儀されんと思われ気の毒千万、成る程、現在住居たるべき巨大水槽を建造中なりけりと知れば、1日も早き完成、全く他人乍らも祈るばかり。



而してこの方に至れば、最早意味不明にして、どないしたらええのか。取り敢えずは失礼なき様、御挨拶と自己紹介させて頂きし。



何故ならば、この御両人の如く、仮令それが誤解冤罪たりしとは云え、迂闊な行動を以て、檻に収監されるなんぞ御免被りたければこそ。





ネット接続も不調にして、断続的且つ超低速なれば何とも気紛れな案配、然してやるべき事もなければ、人間不思議なものにして、自ずと腹が減る仕組み、斯くして誰彼ともなく順次何やら調理始められれば、私も「混ぜ麺」なんぞ拵えし次第、これを以てレタスの備蓄潰えれど、愈々帰国も睨めば、現在所持する食材を以て、これ以上の食料補給なき侭、帰国の途に就かんとす。



今宵の会場Fete Loungeは、何と投宿先より目と鼻の先、徒歩僅か1分なり。ふと空を見上げれば、青空を二分割せんとされるが如く、真っ直ぐに飛行機雲描かれる次第。



晩飯を求め皆して界隈を彷徨、結局メキシコ料理屋にて「ビーフ・ブリトー」所望、持参するハバネロソース投下、大いに美味なり。



久々にノンアルコールビールに巡り会われしみつるちゃん、グラス片手に御満悦之圖。



ギター修理叶えば悩まされしトラブル解消、今宵もほたえ捲れば、盛況にて幕。





終演後、投宿先へ撤収すれば、例の住人の皆様御揃いにて寛いでおられれど、我々の帰還を以て、別の部屋へ移動されれば、どうか御気遣い無用、斯くしてProvidenceの夜は更け行きし。