レコードハンティング疲れか、昨夜は早々に轟沈すれば、時差ぼけ故に午前2時起床とは、哀しきかな。台風の進路をチェックすれば、香港の南を西へ移動中、私の帰国便出発時刻は午後なれば、その頃には概ねフライトに影響あらざらん。然れどキャセイパシフィックの日本直行便のみ、既に全便キャンセルとの案内出れば、唯一キャセイパシフィックを利用されし兄ぃは、奇しくも昨日一足先に帰国され、間一髪にて事無きを得じ。
帝都組たるみつるちゃんのみ、午前11時40分発の便搭乗なれば、自称「石橋を叩いて割る」津山さん共々、午前8時に御出立され、空港行きバスを待たれしを、朝飯を求めコンビニへ向かえば、大通り挟みて奇しくも目撃せり。
台風の影響なれば随分な雨風、然れば朝飯を求め徘徊するも面倒にて、結局ホテル界隈のコンビニにて、レンジでチン弁当たる「鳳爪排骨飯」なる丼を所望、その名より察せらるる通り、生憎鳳と云えど幻の鳳凰にあらず、概ね鶏の脚先即ち爪部分を煮込みしを、ごはんにON! 更に蒲焼きのたれの如しを投下せし代物、具材の貧乏臭さは半端ならねど、是も亦「鳴き声以外は食い尽くす」中国食文化なればこそか。余りに空腹なれば、実物の写真撮影し忘れ完食せし有様、悪しからず。因みに東君は「もう香港のの味覚には辟易うんざり」なりけりて、マクドにてフィレオフィッシュなんぞ堪能されし毛唐ぶりも、そもそも本場中国料理に必須たる、八角もパクチーも唐辛子も苦手にされれば仕方なし。
午前11時、ホテルをチェックアウトすれば、いざ空港へ赴かん。みつるちゃんと津山さんは、バス停にて1時間も空港バスを待たれれど、その影すら伺えず、結局Rolfが云う処の「高くてバスより遅い」列車にて空港へ向かわれしと、帝都の鳶さんより連絡頂けば、成る程、扨は台風の影響にて高速道路封鎖されしか、然れば我々御気楽能天気後発隊も、いざ列車にて空港を目指さんとす。路線図を眺むるや、ホテルの最寄駅たる「佐敦(Jordan)」より地下鉄「荃灣綫(Tsuen Wan line)」にて北上「茘景(Lai King)」へ、地下鉄「東涌綫(Tung Chung line)」に乗り換え「青衣(Tsing Yi)」へ、而して空港行き列車「機場快綫(Airport Express)」に乗車せんと、いざ自販機にて切符購入せんとすれど、如何にすれども空港駅たる「機場(Airport)」までの切符購入不可との案内出れば、空港までの切符のみ買う術なしとは是如何に。あほんだら!自販機の路線図に提示されてんのに何で買われへんねんな!斯くして案内所へ赴き尋ねるや、此処「佐敦(Jordan)」より地下鉄「荃灣綫(Tsuen Wan line)」にて南下「中環(Central)」へ、路線図上にては、一見繋がらぬ風なれど、凝視するや隣接する「香港(Hong Kong)」とは細き線を以て繋げられしを確認、成る程此処にて空港行き列車「機場快綫(Airport Express)」に乗車叶えば、切符もその際に購入すべしとの事。即ち地下鉄と空港行き機場快綫は、別会社にて運行せらるる次第。斯くしてそのルートにて空港へ向かえば、機場快綫結構な混雑ぶり、然れど始発駅たる「香港」より乗車すれば、悠々座れて快適至極。
バスならば所要時間45分なれど、結局1時間弱の行程を以て、無事空港到着。台風の影響もほぼ皆無にして、我々のフライトも確認、既にギターも粉砕してあらねば、受託荷物の規定重量を5kg以上も余し、チェックインも無事完了。未だ搭乗まで2時間も余せば、のんびり飯なんぞ食さんと、フードコートへ赴けば「粥麺専家 正斗」へ、亦しても中華風ミートソーススパの如き「京都香炸醤麺(Hot & Sour Pork Meat Souce on Noodles)」なるを所望、細切れにされし豚肉が、濃厚なピリ辛味噌ベースのソースにて煮られしを、麺にON! せし代物、矢張り広東料理なればこそか、花椒の芳しさ皆無にして、唐辛子の辛味も希薄、随分パンチ不足なれど、これはこれにて美味。
未だ暗雲立ち籠める空港界隈なれど、定刻通り、午後2時15分発中華航空台北行き搭乗果たせり。
香港ー台北を結ぶ機内食にて、均か忌まわしきペンネなんぞと遭遇せんとは、果たして誰が予想し得るらんや。ひと口食らうや余りの不味さに廃棄処分とは当然至極。
僅か2時間弱のフライトと知れば、映画1本鑑賞し終えるは困難にして、然ればここはブライアン・シンガー監督昨品「X-MEN: フューチャー&パスト(原題:X-Men: Days of Future Past)」を、次の台北ー関空フライトへ跨ぎ、のんびり鑑賞せんとす。案の定中盤の佳境へ突入せし辺りにて、無事台北到着。
速やかに乗り継げば、午後5時25分中華航空大阪関西空港行きに搭乗。機内食配膳されれば「牛丼」なれど、味付けはイマイチ、然れど空腹にして、最早2時間弱にて帰阪し得ると思えば、この程度にても充分至極、御馳走様。
而して先のフライトに続きブライアン・シンガー監督昨品「X-MEN: フューチャー&パスト(原題:X-Men: Days of Future Past)」鑑賞せり。未だX-MENシリーズ全作品鑑賞に至らねば、理解し得ぬ箇所あれこれあれど、大筋に関しては一切問題なし。(本作は「X-MEN: ファイナル ディシジョン」及び「X-MEN: ファースト・ジェネレーション」の続編なりけり。)先日鑑賞せし「ウルヴァリン: SAMURAI」エンドクレジットにて伺われし、例の2年後なりけるシーンも、矢張り本作への繋がりを匂わせしと、今更乍ら確信せり。
本作に於いて、SF作品に於ける禁断の領域たる「時間旅行」へ踏み入れられれば、いやはや矛盾や疑問が噴出すれど、所詮はアメコミ原作なる娯楽大作、辛気臭くディテールあれこれに文句垂れるも愚かしきと知れば、素直に全て受け入れ純然と楽しむべし。然りとて是を以て次回作より、最早何でもあり、如何なる無理からな設定すら全て許される次第と相成れば、愈々避けられざるシビア且つ唯一の問題と相成るは、不老不死たるウルヴァリンを演ずるヒュー・ジャックマン御本人の、この世に生を受けしもの全てが避けれられぬ「老い」のみならん。エンドクレジット全て流されし後、突如始まりしあのシーンは何を意味せしか、嗚呼、次作待ち遠しければ、今やMarvel Worldの住人と化せし己れの愚かしさかな。
午後9時過ぎ、無事大阪関西空港到着。香港公演終演直後にベース売却果たされし津山さんなれば、手荷物は何と戦利品たるレコード&カセットのみたる身軽さにして、勿論受託手荷物なんぞあろう筈なく、然れば税関へ消え去る後ろ姿を御見送り。受託手荷物受け取り通関も速やかに済ませば、運良く空港バス発車直前、斯くして空港バスと地下鉄乗り継ぎ、大阪アジトへ帰還せり。因みに今朝一番早く出立されしみつるちゃんは、台北行きフライト遅延にて、帝都への乗り継ぎ叶わず、結局夜のフライトに振り替えられれば、一番遅くベベにて帰還されにけり。御愁傷様。
晩飯食らわんとすれど、ツアー続きの身なれば、如何せん留守がち故、備蓄食材乏しくして、先達てAMT宗家大英帝国ツアーの際、Birminghamの中華食材屋にて大量購入せし中国製袋入即席麺「香鍋麻辣牛肉面」召喚、
パッケージに添えられる完成写真を眺むれば、何とも具沢山にして蓮根すら乗せられれど、
取り敢えず界隈の激安スーパー玉出にて、叩き売られし滑子、もやし、法蓮草、パクチーをトッピングとすれば、ハバネロオイル投下、花椒粉も施し、序でに購入せし1箱98円也なる海老焼売も添え、付けダレは勿論本場宜しく麻辣醤、斯くして「香鍋麻辣牛肉面+焼売」食らえば、大いに美味。いやはや台湾や香港にて食せしあれこれよりも、些か手を加えれど、大阪アジトにて食らう中国製即席麺の方が美味とは、是如何に。そもそもツ海外ツアーより帰国せしや、日本食にあらず、その国の食いもんを食せしとは、未だ嘗てアジア各国たる韓国、タイ、中国のみなれど、今回に限ればそれらともまた異なるケースにして、いやはや我乍らこの刺激とジャンク感極まる本場中国式料理に、心底魅了されし様に驚き隠せぬばかりかな。それも矢張り花椒と唐辛子の出会いが、余りにセンセーショナルなればこそか。
是を以て、今回の台湾&香港ツアー顛末記も幕。最後に今一度、これにてAcid Mothers Templeを去られし兄ぃへ、感謝の意を表さん。8年間どうも有り難う御座いました。みつるちゃんとの骨肉ならぬ毛肉の争いたりし「仁義なきハゲデブの戦い」も、これにて幕引かれしか。せやけどVerenaちゃんとのラヴストーリーは、どないなってまうんですか?
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いざ帰国せん
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