数年前の燃え尽き症候群発症以来、生来の怠け者ぶりも復活せしか、どうにも惰眠を貪らんとすれば、況してリーマンショック以降、理不尽なる円高騰を以て、ささやかな稼ぎも4割減なる惨状に陥れば、さても此処までよくまあ食い繋げしかなと、我ながら感心しつつも、そもそも楽天家にして享楽主義且つ刹那主義なる運命論者、果たして何を思い悩まんや、然れど悠長に構え得る程、懐に余裕あるどころか、既に経済破綻カウントダウン、然れば斯くも楽天的怠け者たれども、いよいよ尻に火も付きしか、この儘にては本年上半期中に経済破綻を迎えるは必至、而して漸くメガトン級重量を誇るこの重き腰を上げ、何とか仕事せんとするばかり。
然れば悠長に拙ブログなんぞ綴る暇も、なかなか工面出来ずして、いやはや今更大いに面倒臭ければ、ついつい大雑把に纏めて記さんとす。斯くして先日の「徒然なるままに餓鬼道肴蔬目録」同様、本日はぶらり飲み歩き記たる「ぶらり新兵衛ほろ酔い散歩」として、小ネタをひと纏めにさせて頂く所存、悪しからず。
天王寺再開発にてあべQ内へ移転せし「正宗屋 阿倍野店」へ。大阪の大衆酒場に於ける定番中の定番「湯豆腐」出汁に浮かぶ豆腐にとろろ昆布をON! なる一品、これがまさに絶品至極、店々にて若干仕様も異なれば、天かすまで乗せる店やら、柚子皮が浮かぶ店やら、その工夫具合を巡るもまた楽し。
鯖中毒なる私なれば、これまた定番たる「きずし」にして、安大衆酒場にてきずしを所望すれば、つまならぬキャベツの千切りに乗せられ、紅生姜なんぞ添える店もあり、それはまた安大衆酒場ならではの情緒もあれど、此処はつまと大葉に乗せられれば、思わず「なんか上等な感じやんけ」と、ひとり密かににんまり。
「白子ポン酢」これまた大好物にして、熱燗若しくは芋焼酎お湯割りとの相性素晴らしきかな。
「おでん」より牛蒡天、大根、飯蛸を所望、何れも大いに美味にして、正宗屋のおでんは牛蒡天が斯くも立派なれば、大いに御得感あり。
同じく天王寺界隈、あべちか内あべの横丁は大衆酒場「半田屋」にて、芋焼酎お湯割りを頂く次第。
「おから」これが味加減絶妙にして、濃過ぎず甘過ぎず、大いに美味なり。
「串カツ」は、蓮根と鰯を所望、蓮根の歯応えも大いに堪能。
「高菜」なんぞ摘み、チビリチビリやるもまた一興。
鰻好きにして酢の物好きなれば「うざく」に目がなしとは云わずもがな。鰻価格高騰の昨今なれば、今や「うざく」にてさえ、俄かに贅沢気分なんぞ堪能し得るかな。
熱燗を所望せんとすれば、新世界は「大和屋 1号店」へ。何せ御銚子2合頼む度に1合オマケに付いて来れば、この御得感あればこそ。
熱燗呷りつつ、超スピードメニューたる「湯豆腐」を所望せしは当然。
「鰈の煮付」なんぞ所望、熱燗なれば煮魚をアテに、チビリチビリらやさせてもらいます。
熱燗と海鮮となれば、ついつい足を運ぶは海鮮居酒屋「とっつぁん」にして、福島北本店と京橋店の印象芳しからねば、天神橋六丁目若しくは天満の店を訪ねるが常なり。
「寒鰤」脂乗り具合も程良く大いに美味とは当然、況して破格の安さに驚愕せり。然ればこそ連日午後7時には満席なるも、大いに納得し得らん。
大好物たる「牡蠣フライ」大振りの牡蠣なればこそ食い応え充分、大いに美味にて満喫堪能せり。
「あん肝ポン酢」これまた大いに美味、まさに至福のひと時なり。
これまた個人的至福の極みたる、敢えて名付ければ「貝尽くし天国」を以て悦楽の果てに昇天せん。
「あさりの酒蒸し」惜し気もなく豪快に大盛りにして、堪らぬ程に美味なり。
とっつぁんの熱燗とは、矢鱈と飲み易き味わいにして、何せ2合450円也なれば、ついつい飲み明かさんとする有様。
ぶらり梅田は曾根崎界隈へ、お初天神通りの大衆酒場「松屋」へ。先ずは定番「湯豆腐」より入りたるは当然にして、大いに美味とは云わずもがな。
好物「八町」にて芋焼酎お湯割りなんぞチビリチビリやれば、先ずは人心地付きし。
而して大衆酒場のジャンク感を堪能せんと思えば、何を置いてもハムカツ若しくは「赤ウインナー」たるべしか。 さりとて此処の赤ウインナー、この値段にしてこの盛り具合なる大盤振舞ぶり、矢張り素朴なれど素揚げこそ最も美味なるかな。
ジャンク感と云えば「揚げ焼売」も外せぬ一品にして、ウスターソースと辛子にて頂く次第、決して醤油にあらざるべしとは、確固とした味の美学なり。
「帆立」を所望せしは、隣のおっちゃんが食らいしを見るや、何とも立派にして美味ならん代物なればこそ。これは堪らぬ様にして、痺れる程に激美味なり。
嘗ては「50m歩けば百番に当たる」と云われし程、矢鱈と見掛けし居酒屋「百番」なれば、若かりし頃は散々世話になりし経緯あれど、その後の居酒屋ブーム到来あれば、全国展開せんと凌ぎを削り合いし有名居酒屋チェーン各社の台頭にて、ふと気付けば今や余り目にせぬ有様か。然れば嘗てはライヴの打ち上げやらスタジオ練習後なんぞにて随分重宝させて頂きし、梅田は東阪急ビル地下にある「すーぱー百番」へ、果たして此処へ訪れしはいつ以来か。嘗て率いしバンド「Baroque Bordello」のメンバーたりしテツシと飲み倒せしが最後と記憶すれば、彼と飲み交わす際は、毎度毎度「姐さん、御銚子5本と鰹のたたき!」若しくは「姐さん、御銚子5本ともろきゅう!」なる2種の注文を交互に延々繰り返せしが定石、而して御勘定すれば毎度何とも長きレシート頂き、その金額とは〆て3万円程なれば、安価にて名を馳せし居酒屋「すーぱー百番」にて、斯くも大枚切るとは愚か者の極みたらんや。斯様にあれこれ想い出深き「スーパー百番」を、四半世紀以上ぶりに訪れれば、何せ広大な店舗なれども、随分閑散とせし雰囲気とは、嘗ての喧噪ぶりを知れば寂しき限りか。女給の皆様の化粧っぷりが、心なしか80年代風なれば、思わずタイムスリップせしかとの錯覚さえ覚え、思わず我が青春に乾杯せり。
「飲る」と書きて「やる」と読む。「犯る」と書きて「やる」と読むもまた然り。さてまた「演る」と書きて「やる」と読むも御馴染みか。
「百番」と云えば「とん平焼き」とは、当時の定番のひとつにして、何せ「ビールととん平」なんぞと注文するや、ビールに先んじとん平焼きが運ばれる早業、その驚異のスピードクッキングぶりに、毎度唖然とさせられしも今は昔。
阪急梅田駅界隈なれば、嘗ては古本屋巡りに興じしかっぱ横丁へ、然れど私が徘徊せしは80年代初頭より半ばにして、その様変わりぶりに毎度戸惑うは重々承知、斯くして大衆酒場「梅田 丸一屋」へ。好物「うざく」を堪能しつつ、芋焼酎お湯割りなんぞチビリチビリやらんとす。
勿論「揚げ焼売」も外せぬ代物なり。
ふと熱燗を呷らんと思えば、ぶらりと御存知海鮮居酒屋「とっつぁん」天神橋6丁目の店へ。「カワハギ」肝も添えられておれば、これは激烈に美味にして、この安価ぶりもまた嬉し。
「蝦蛄」残念乍ら添えられしは酢醤油にあらねど、いやはや大いに美味なり。
然れば恒例なる極私的至福千年王国への道「貝尽くし」を謳歌堪能せん。
御馴染み「あさり酒蒸し」大いに美味なり。
「生雲丹」豪快に1舟丸共にて650円也。海苔が添えられしは心憎き限り、さては熱燗呷れば愈々舌鼓も乱れ打ち。
天満界隈ぶらり訪れれば、取り敢えずは激安大衆酒場「満ぞく屋 天満店」へ。春野菜メニューより「菜の花からし和え」「若牛蒡炒め煮」なる2品を、更に大衆酒場の定番中の定番たる「ポテトサラダ」を所望、何れも大いに美味なり。
「つくねと大根と厚揚げの煮物」程良き塩梅にして、これも大いに美味なり。
「肉じゃが」勿論肉は牛肉にして、そもそも肉じゃがは牛肉やろ。甘味具合がこれまたええ感じ、大いに美味なり。
愈々五十路も迫れば、今や全く以て紛う事なく「おっさん」にして、斯様なる大衆酒場にて、熱燗やら焼酎呷る居心地の良さとは、まさしく「おっさん」たる証に他ならぬか。さてそのおっさん達の飲みっぷりなんぞ観察すれば、得てして皆様1000円~2000円也程度の御勘定ぶり、ビールやら焼酎やらお酒やらを2~3杯、アテも2~3品を以て、のんびり堪能満喫されにけるや、さらりと席を立たれ、果たして次の店へ赴かれしか、扨又何処ぞへ出動なされしか、若しくは帰路に就かれしか、兎にも角にもこれぞ「おっさんの飲み方」なれば、人生の愉しみ方を熟知されにけるか。然ればこそ私も、愈々おっさん然と、須く「おっさんの飲み方」を心掛け、粋とすべし。せめてカッコ良う年取りたいからな。
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ぶらり新兵衛ほろ酔い散歩 其の七
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