流石に昨夜はテキーラを飲み明かせば、午前8時過ぎに起床こそすれ、未だ酒微かに残る有様。亦してもスパゲッティーを茹でれば、序でに茹で玉子も拵え、スパゲッティーにケチャップとホットソースを和えるや、茹で玉子を潰し、ケーパー共々投下、一気に撹拌すれば黒胡椒散布、斯くしてインプロクッキング「クラッシュエッグスパ」完成、素朴な味わいなれど美味、カルボナーラとナポリタンの安易なる合体と思えば想像に易からん。
郵便局へ赴かんとすれば、亦してもタチバナ先生の作品と思しきに遭遇せり。ヒロボンへ写真を送るべし。
何やら物々しき警備に大層な人集り、果たして何ぞやと思えば、巨大な髑髏の山車が出撃せり。
髑髏軍団も整列せり。
昨日訪れし宗教関連商品販売されるマーケット「Pasaje Catedral」再訪せり。
各店舗の店頭には、有り難き筈のキリスト像やマリア像が所狭しと展示されれば、
有り難さなんぞ皆無にして、何処となく秘宝館的妖しさすら漂うばかり。
私の如き宗教グッズファンには、辛抱堪らぬパラダイスに他ならずして、
関節可動式キリストの特大フィギュアなんぞ、正にマニア垂涎物なるかな。
こちらは旧約新約聖書等の各場面をポスターにせし、所謂神様ポスター屋にして、是亦到底半日なんぞにて見切れぬ膨大な埋蔵量を誇られれば、最後の晩餐に限れど十数種も取り揃えらるる有様。思わず脳汁大噴出にて脳内土石流勃発、恍惚状態にて極楽天国へ昇天せり。
こちらは私が呼ぶ処の所謂「法王ショップ」にして、各種コスチューム取り揃えられし次第。
何せこの建物内2層全て宗教グッズ販売なれば、いやはや正に天国なり。
この干物の如きは何たるや。均かキリストに調伏されし悪魔の成れの果てならんや。
結果宗教グッズ大量購入にて大いに散財せり。
Luisと待ち合わせれば、タコス屋へ赴き、海老のタコスを所望せり。
矢張り屋台のスタンドにあらねば、刻み玉葱とパクチー取り放題あらざりて残念至極。先達て魚市場にて食らいし烏賊墨タコスには及ばねども、これはこれにて大いに美味。
Luisが所望されしは、MultipleTap御一行様が興味抱かれしサボテンのタコスなり。
Luisの大好物なりけりて、3食サボテンにても厭わぬとの事。
メキシコは、兎に角交差点に警官の姿伺えれば、如何せん交通法規なんぞ出鱈目至極、然ればこそ警官の交通整理は重要ならん。然れば何の為の信号機か。
楽器屋街を抜ける辺りに、Luis曰く「一番美味いタコス屋」あれば、
早速1個試してみん。
ここは卓上に刻み玉葱あれば、ひと掴み投下、ハバネロサルサもぶち込み、いざ食らえばこれは激烈に美味かな。成る程調味料にカレースパイスを忍ばされしか。
果たしてこれは古本屋か扨又駄菓子屋か。
奥にLPもあれば発掘作業に勤しむべし。
メキシコの信号機は、何故斯くも高くして、道路の中央に吊り下げられしか。
然り気なくメキシカン・ガイ。
Luisに中古レコード屋へ案内されれば、大層な埋蔵量にて脳汁大噴出せり。
隣り合わせるは、リイシュー盤なんぞ扱うアングラ系レコード屋。これら2軒並び立てばこそ、素晴らしきレコードに出会い得るものならん。而して思わず散財せしとは云わずもがな。
愈々メキシコ於ける最後の晩飯となれば、Luisが大推薦するサボテンのタコスを求め出撃せり。彼曰く、この独特の食感こそ愛しければ、仮令毎日3食食い続けれど問題なしとの宣われし。嘗てサボテン・ステーキなる代物食せし経緯もあれば、朧げ乍ら想像し得れども、果たして如何な代物ならんや。溶解せしチーズ纏うサボテンは、矢張りオクラと蒟蒻の中間の如き食感、蒟蒻嫌いの私なれど、紙一重にて食し得る代物にして、然りとて所詮はサボテン、何やら淡白にて物足らぬ味わい、況して忌まわしくも溶解せしチーズ絡めば尚の事。
而してチーズ抜きを所望すれば、サルサ施し食らうや美味なり。
ハバネロサルサ添えれば、一層美味とも思われれど、隣のテーブルにて香しきばかりなる豚肉のタコス頬張られしを見るや、矢張りあちらの方が遥かに美味ならんと思われ、所詮サボテンはサボテン、これにてメキシコの珍味を堪能せしと納得するべし。
扠、Luisが空港へ御送り下されど、彼がフライト時刻を勘違いされしが発覚、悠長に晩飯なんぞ食らえども急転直下情況一転、果たしてチェックインに間に合うや否や、更には渋滞にも巻き込まれれば絶体絶命、何とかギリギリ空港に到着すれど、親切極まりなき彼なれば、出発ターミナルにて降ろす事なく、わざわざ駐車場へ車を停め御見送り下さらんとすれば、駐車場が満車にて駐車スペース見付からず延々場内を周回する有様、漸く1台分のスペースを発見すれど「出口が遠い」とスルーせんとすれば、アホかいな、周回してる間にどんどん時間経過してまうやないけ、もうここでええって、斯くして漸く駐車すれど、如何せん多忙な彼は、常々スマホにてメッセージ送受信若しくは誰かと通話を繰り返し、その歩みたるは鈍牛の如く正に牛歩、こちとら危機的情況迫れば、斯様な彼を置き去りにチェックインカウンターへ突進あるのみ。漸く自動チェックイン・マシーンに辿り着けど、私のチケットが発券エラー、おちょくっとんのか!斯くしてカウンターへ移動するや、前の客が何やらごね捲り随分手間取る始末、背後より脳天かち割ったろかとの衝動を何とか抑え、漸く私の順番と相成れば、何やら係員が話されれど、スペイン語なれば理解不能、何と信じ難き事に英語話せぬ有様とは言語道断、然ればLuisが助け舟出して下さり、斯くして別のカウンターへ移動せよとの御達しにして、Luisが最早時間がないと訴えれば、結果ファーストクラスのチェックイン・カウンターにて無事チェックイン完了、矢張りLuisが居ればこその結果に、此処まで見送らんとして下さりし彼には、大いに感謝するばかり。Luisに見送られつつセキュリティーを通過、搭乗ゲートへ赴けば、既に搭乗開始され、概ね私がドンベとは、いやはや余裕咬まし過ぎしか。
何はともあれ無事午後10時25分発メキシコ航空Monterrey経由成田行き搭乗叶いし。先ず1時間半程の空の旅にてMonterrey到着、而して機内に1時間半待機後、愈々翌日午前1時成田へ向け出発すれど、機内待機の間に爆睡すれば、離陸せしも存ぜぬ有様。
ドリンクサービス及び機内食の配膳にて目覚めれど、何故か機内は消灯され真っ暗闇、なんでやねん。「焼肉+ごはん+心太+メロン&水瓜」なる献立なれど、心太は黒蜜を以てのみ食し得れば、メロン&水瓜とは瓜アレルギーにして、共に破棄させて頂きし次第。焼肉も何とも屁の如き味付けにして、心太用の酢醤油を施せば食し得し次第とは云え、何せ米を食らうは久々なれば、決して美味なる米にあらざれど、米を食らうと思えば感慨一入、矢張り日本人に生まれればこそか。
如何せん計17時間にも及ぶフライトにして、機内にて恒例映画鑑賞せんとすれば、1本目はロバート・ロレンツ監督作品「人生の特等席(原題:Trouble with the Curve)」を鑑賞せり。クリント・イーストウッド演ずる大リーグの老スカウトマンが、人生最後のスカウトに挑むヒューマンドラマ。些かハッピーエンド過ぎるきらいもあれど、クリント・イーストウッドいぶし銀の演技にて見事相殺されれば、大いに堪能し得る佳作。五十路へ踏み込まんとする今、斯様な人生の終焉を睨む作品は、何かと思い巡らすものにして、これも老いたればこそか。
2本目はデヴィッド・フィンチャー監督作品「ゴーン・ガール(原題:Gone Girl)」を選択せり。幸せと思われし結婚生活が、妻の失踪を発端に、怒濤の混沌へ巻き込まれ、挙げ句危機的苦境に陥れられし夫、互いの秘密が次第に解き明かされれば、その恐るべき陰謀策謀は戦慄の限りにして、いやはや女性の恐ろしさを心底痛感させられしサイコスリラーの秀作。エンディングが亦恐ろしや。
而して3本目は、往路にて、日本語吹替及び字幕なければ英語発声字幕なしにて鑑賞せしギャヴィン・フッド監督作品「ウルヴァリン: X-MEN ZERO(原題:X-Men Origins: Wolverine)」を今一度鑑賞せり。2度目なれば英語の台詞も一層聞き取れし次第。
4本目も亦往路にて鑑賞せしクリストファー・ノーラン監督作品「インターステラー(原題: Interstellar)」にして、帰路にて再度鑑賞せんと誓いし秀作なればこそ。機会あれば映画館のスクリーンにて鑑賞すべし作品なり。
到着前の機内食は「オムレツ+ごはん+メロン&水瓜」にして、大抵忌まわしき「チーズオムレツ」供され辟易させらるるが常なれど、これは亦何とも稀な献立ならん。醤油施し食らえば、何とも質素な味わいなれど郷愁誘われしばかりかな。
Mexico Cityを出発せしは木曜夜なれど、既に土曜午前6時半を迎え成田空港に到着せり。入国及び通関手続きも無事済ませれば、成田エクスプレスにて東京駅へ。車窓より初めて東京スカイツリーあんぞ拝見すれど、アホらしと思えば、そもそも何の感慨湧く筈もなし。
新幹線にて帰阪せんと思えど、忌まわしくも連休にして随分な混雑ぶり、朝飯に「豚カツ弁当」所望すれば、そもそも然して美味ならぬ東京駅の豚カツ弁当すら、帰国直後に於いては、随分美味に感ずる有り難さ、斯くして0泊3日なる強行軍の旅も終えんとすれば、これにてメキシコ巡業日記も幕。
↧
さらばメキシコ、いざ帰国せん
↧