明日香村に秋訪れ、週末には恒例「彼岸花祭り」を迎えんとすれば、彼岸花概ね満開、棚田を朱に染めるばかりなり。













而して愈々20日(日)彼岸花祭り2日目にして、御存知「案山子コンテスト」投票日と相成れば、元ムジカジャポニカ看板娘にして稀代の造形作家久保隊員は、今年も出品されしとは云わずもがな。これにて出品は3回目を迎えられれど、毎回地元組織票の前に涙飲む結果なれば、今年こそとの意気込み推して知るべし。斯く云う私は、如何せん毎年何かしら所用ありて投票に馳せ参じ得ぬ不義理ぶりなれば、今年こそ1票投じるべく会場たる稲渕の棚田へ赴くべく下山せり。
案山子ロードに到着するや、心地良き秋晴れにして大層な人出、アマチュアカメラマンの皆様、果たして橋梁より何を狙われしか。
先ずは投票用紙を入手、成る程3点を選び投票し得る次第。
いざ案山子ロード突撃、いきなり「直売所」なんぞあれば、これも亦案山子なりけり。その店先に屯される御婦人方も、どうにも営業中店舗と勘違いされし御様子なり。
野良作業に勤しまれるおっちゃんと見守る愛犬かと思えば、是亦案山子なり。いきなりのリアリズム系案山子連発に騙され驚かされし有様。
彼岸花咲く棚田に立つ案山子も様々なれど、
今年のテーマが「働く農民」なりけりて、然ればこそ例年以上に、所謂案山子然とせし形状多くして、
正に定番王道たるへのへのもへじに始まり、
収穫喜ぶ黒人留学生やら、
肥桶担がれる様やら、
素材に凝られ趣き深きもありて、
幼女繁々と眺められ曰く「これ好き!」なる光景も眼の当たりにせり。
こちらは宮沢賢治「雨ニモ負ケズ」に由来せし「デクノボー」なりけれど、造形的には掌のみ既製品たるが残念至極。
人型案山子と云う括りにては、取り敢えず該当せん「ロボ案山子」なり。
然りとて前衛系たるべき作品群も数えられれば、その形状形態既に案山子にあらざるこそいとをかし。
所謂案山子の形状残さねど、そもそも案山子たるべく「鳥払い」全うし得れば問題あらざれど、果たして蛙なれば是如何に。(注:これに限れば案山子にあらざりて、竹細工体験コーナーに於ける見本展示なりければ、早合点せしも悪しからず。)
果たして蛸は鳥を追い払い得るや。
これに到れば、当コンテスト会場たる棚田の箱庭、即ちミニチュア、ジオラマにして、案山子としての意味は紛う事なく皆無ならん。
こちらは「とうみ」なる作品にして曰く「昔ながらの農機具を作りました」然れば是亦全く以て案山子にあらざりしとは明白なり。
果たして側面より眺むるや空洞、即ち張りぼてにして、出品者曰く「納期に間に合わず一部未完成」なりけり。
今年の巨大案山子、毎年余りに微妙な出来映えに、苦笑失笑誘うばかりとは云わずもがな。而して今年も亦然り。
こちらは、その巨大案山子設営之圖。
矢鱈な人集りせし作品あれば、成る程田植えせし家族の姿を模せし案山子群、毎年斯くも可愛く且つ家族的にして多人数にて構成される作品こそ、得票多くして表彰される次第と知れば、案の定今年の最優秀作品に選出されしも納得せり。
案山子並ぶ棚田には、赤、白、黄なる彼岸花咲き乱れ、
撮影に没頭されるアマチュア・カメラマンの皆樣方、
自転車を停めてすら撮影に勤しまれる次第。
子供向け弓教室も絶賛開催中にして、つい先日まで嘗てのNHK大河ドラマ「風と雲と虹と」全話一気に鑑賞せし経緯あれば、思わず加藤剛演ずる平将門が、流れ矢に顳顬射抜かれ討死せしを思い出され、仮令ガキの遊戯と知れど、俄かに恐怖感ぜしか。
地元有志の方々にて営まれる屋台を囲み、休憩用テント設営されれば、何やら見覚えある御陽気な女性発見、元ムジカジャポニカ看板娘にして稀代の造形作家たる久保隊員とは云わずもがな。既に晩酌ならぬ昼酌を御堪能中なれば御機嫌至極。
而してその久保隊員の作品搬入搬出等一切に渡り、毎年御助力御尽力下さる萱澤君、御疲れ様です。
扠、久保隊員の作品はと云えば、これこそ本年の案山子コンテスト出品作品「ファンタ爺」にして、
2年連続名古屋より投票遠征されしカイ☆マキ嬢に「すっごっいー!」連呼されるまでもなく、
一般客たるアマチュア・カメラマンの皆様や観光客たるオバサマ連中より、大いに注目集めし様にして、口々に「これ凄いで!」「これは正に芸術や!」等、賞賛の声続出、空かさず萱澤君が、製作者たる久保隊員を紹介すれば、御一同「へえ~!この女性が作らはったんかいな!凄いわ!」驚嘆の様にして、愈々今年こそ地元組織票に対し一矢報い得るやとの期待も高まり、
いざ投票所へと赴かん。如何せん昨年なんぞ、出品作品一覧写真パネルに於いて、久保隊員の作品たるべき箇所に、全く無関係なる作品が掲示されし顛末すらあれば、今年は間違いなく掲示され、先ずは闇の力に導かれし陰謀共謀なんぞの疑いも皆無かな。
投票所テントの傍らにては、地元農家の方々と思しきが製作販売される、空缶再利用オブジェなんぞも絶賛販売中にして、
然れば当の久保隊員も投票に向かわれし。
明日香村在住なる私なれど、毎年投票日に来場せしは初めてにして、勿論投票も初なれば、清き一票投じさせて頂きし。3年連続にして3度目の出品なる久保隊員は、果たして地元組織票に一矢報い得しや。如何せん投票〆切時刻が正午とは、遠征組には些か厳しき次第にして、然ればこそ地元組織票には有利ならん。
投票後、私は生憎神戸へ、魅惑のベリーダンス・ショー鑑賞へと向かうべく、残念乍ら投票結果発表及び表彰式にも立ち会えねば、久保隊員御一行様との打ち上げへも参加叶わざりし次第。
而して結果に関せば、後日萱澤君のfacebook投稿記事にて、残念乍ら亦しても参加賞に留まりしと知るや、然れど久保隊員の飽くなき挑戦は、来年へも続かんとの事、然れば来年こそ是非にも有志募り、こちらも組織票にて対抗せんと誓う次第。
斯くして久保隊員の今年の案山子コンテストは幕を閉じし。
↧
稀代の造形作家久保隊員 今年も「案山子コンテスト」に出品せり
↧