漸く欧行前の食ブログ記事「耄碌貪飲餮食譚(長月)中編」脱稿アップすれば、その儘の勢いにて後編まで書き殴り捨てん。
斑鳩の実家へ愛車を停めに行き掛けの駄賃にて、久々に法隆寺なんぞ訪れし。
何せ法隆寺とは、御存知の通り世界最古の木造建築物にて、国宝並びに世界遺産なれど、近所に住みし私なんぞにすれば、単なる「近所の寺」に他ならず、況して中学校への通学路とは、南大門より西大門へと法隆寺境内を抜ければ、正に日常に於ける一風景たりしも当然か。
嘗て東君を初めて案内せし際、南大門潜りて、中門へ抜けんとするや、このスケール感何と壮大かなと驚嘆されしが印象深けれど、如何せん毎日通学路として通り抜けし道程なれば、斯く云われるまで、スケールの壮大さなんぞ全く気付く筈もなし。
中門は仁王像鎮座され、これより内側が東伽藍なり。中学生時分には、この手前にて記念撮影されし修学旅行の団体なんぞに然り気に加わり、凡そ心霊写真ギミックに興じしも、今は昔。
観光見学コースより離れ、西円堂まで坂を上れば、その傍らに時の鐘たる鐘楼あれど、中学生時分、この鐘の音を録音しミュージック・コンクレート制作せんと、当時のバンドメンバー達と勝手に撞き捲れば、その後、立ち入り禁止バリケードも築かれ、
「時の鐘ですからつかないで下さい」なる警告看板も設置されし顛末なり。因みに私が斑鳩に在住せし当時は、時の鐘とは朝夕6時の2度撞かれしのみなれど、現在は午前8時、午前10時、正午、午後2時、午後4時の計5回、各々その数だけ撞かれるとの事。成る程、正午に町役場のサイレンがけたたましく鳴り響きしも、今は昔。
西伽藍へ赴けば、回廊のエンタシス越しに金堂と五重塔を臨む。
大講堂より伽藍を逆様に臨めば、金堂、五重塔、中門見渡せり。
鏡池の畔、小学生の時分、此処にて野球に興じては坊さんに怒られしも、今は昔。
大宝蔵院内百済観音堂に鎮座される百済観音像、すらりとせし立ち姿のみならず、その顔立すら、何処か今は亡きDaevid Allenことアレン翁を偲ばせるかな。百済観音像は撮影禁止なれば、売店にて販売される写真集より無断撮影させて頂きし次第、悪しからず。
東大門より東伽藍へ向かう参道なれど、ここに土産物屋2軒程並びて、法隆寺オリジナル土産あれこれは、表の松並木沿いに並ぶ土産物屋にては入手叶わずして、一見鄙びし此処でのみ入手叶うと知れ。
東伽藍たる夢殿へ至りし。
更には隣接する中宮寺へ詣で、弥勒菩薩像を拝みし。
中宮寺より東伽藍を臨む。
余りに見事な中宮寺の植木の剪定ぶりかな。
小中学生の時分、道草してはおでんなんぞ買い食いせし乾物雑貨店、本日休業なれど今も営業される様子なり。
参道傍らに佇む菓子店、嘗ての同級生の実家にして、嘗て机並べし級友達も、今や各々の人生歩まれしと思えば、凡そ二度と会う事もあらねども、何とも感慨深き限りかな。
同じく参道傍らの鄙びし日用雑貨店にて、懐かしや牛乳の蓋抜き発見、衝動買いせんとすれば、店主のおばちゃんも値段忘却されし程に売れ残りし有様、結局1本30円也。
法隆寺駅北口商店街のゆるキャラ「にゃん徳太子」何やら2匹目どころか既に100匹目の鰌ならんデザインに、寂れし商店街の悲哀さえ反映されしか。
JR法隆寺駅には、御存知「せんとくん」と、斑鳩町マスコットキャラクターたる「パゴちゃん」の記念撮影用パネルあれど、如何せん背景の法隆寺の絵が前衛過ぎかな。
JR大和路線嘗ての関西線にて天王寺へ赴くや、ぶらりアベチカの大衆酒場「半田屋」へ。生ビール煽りつつ「揚げ焼売」やら名物「若鶏」堪能せり。
冷酒へ切り替えるや「卯の花」「鰯天婦羅」
うざくならぬ「穴子胡瓜」
「縞鰺カマ焼」も堪能せり。
心地良く酔えば、横浜卍団宜しく白目卍にてキメさせて頂きし。
更に天王寺駅前阪和商店街の云わずと知れし某大衆酒場にて梯子酒、絶品「筋子」堪能しつつ冷酒ちびりちびりやらせて頂けば、至福感に満たされ昇天寸前。
斯くして天王寺の夜を堪能せり。
嘗ていつぞやの欧州遠征の際、ポーランド系移民が営む食料品店にて購いし、余りに怪し気なる赤き即席麺、パッケージ写真より推して知るべしビーツラーメン、満を持して召喚せり。
器に移せば、粉末スープが赤紫にして、
レシピに従い湯を注げば斯くの如し、
いざ食らえばビーツの味わい残りつつも、ほぼコンソメ味なれば問題なし、温泉玉子と七味投下すれば一層美味。
界隈の激安スーパー玉出総菜コーナーにて購いし「おむすび 昆布」55円也と「ナポリタンスパゲティ」128円也食せり。因みに「ナポリタンスパゲティ」には、ケチャップスパ、目玉焼き、鶏唐揚げ、ポテトサラダ、赤ウインナー盛り合わされるおかずセットの如し。
来賓用にと珍しくピザなんぞ焼かんとすれば、強力粉にて生地を仕込み、ピザ用トマトソースも拵え、具材並べ、
チーズ盛るや、先日NANI君の新居引っ越しの際に頂戴せし電気オーブンレンジにぶち込み、
斯くして無事焼き上がりし。
もう1枚焼けば、こちらには生バジルなんぞ添えし次第。共に多いに好評頂けば安堵せり。
ピザ用に購いしハムやピーマンの残党、玉葱、人参を具材に、ヤマサ昆布つゆを以て味整え炒飯拵えんとすれば、茗荷も添え、仕上げに史上最強万能辛味調味料こと「タケシオイル」施し、斯くして残党インプロクッキング「残党炒飯+ワカメと茗荷の味噌汁」食らえば、大いに美味なり。
鯖味噌煮缶召喚しごはんにON! 七味大量投下、刻み茗荷と刻み葱施すや「鯖味噌丼+ワカメの味噌汁」食せば美味。
差し入れて頂きし鰻蒲焼きを半分にすれば、大好物なる「鰻丼」とすべく、実山椒忍ばせしごはんにON! 山椒粉施し食らうや、大いに美味とは云わずもがな。
鰻蒲焼き残党召喚、付け合わせに紅生姜入り玉子焼きなんぞ拵え、斯くして「鰻丼+紅生姜入り玉子焼き+即席アオサ味噌汁」食らえば、是亦大いに美味とは云わずもがな。
史上最強袋入即席麺たる「寿がき 名古屋名物 味噌煮込みうどん」拵えつつ、傍らにて天婦羅揚げれば、斯くして「味噌煮込みうどん+天婦羅(椎茸+茗荷+牛蒡と人参と玉葱と紅生姜の掻き揚げ)」食せば美味。
久々に人参しりしり拵え、ごはんと盛り合わせるや、史上最強万能辛味調味料こと「タケシオイル」大量投下、斯くして「人参しりしりライス」食せば大いに美味。因みに私が拵える人参しりしりには、忌まわしきツナ缶なんぞ召喚せぬ故、正に人参と玉子とヤマサ昆布つゆのみにて拵えられる代物なり。
以前、.esのsaraさんより頂戴せしレトルト入りデリーのカレー召喚、大蒜、青唐辛子、玉葱、茄子を、所謂炒めカレーの要領にて炒め合わせカレールーへ投下、ごはんと盛り付けトマト施し、青唐辛子を添えれば、これにて「デリーの野菜炒めカレー」完成、そもそも大層美味なカレーなれば、一層美味なり。
スーパームーンなりけりて、明日香の深山も蒼く照らされし。
未だ大量に備蓄するトマト償却すべく、トマトと玉葱をオリーブオイルにて軽く炒め、茹で上がりしスパゲッティー投下、ヤマサ昆布つゆ施し、仕上げに史上最強万能辛味調味料こと「タケシオイル」大量投下、斯くしてインプロクッキング「トマトと玉葱の和風スパゲッティー」完成、トマトの甘味と酸味、玉葱の辛味と甘味が交錯せし中、和風なる昆布つゆの芳しさ漂いしやと思う刹那、タケシオイルの旨味と辛味が味の彼岸より到来、正にシンプルな一品なればこそ絶品の極みかな。
斯くも立派な明日香村産自然薯を、僅か350円也にて購えば、
「焼き秋刀魚+若生姜入り金平牛蒡+自然薯とろろ汁+ワカメの味噌汁+ごはん」食せり。自然薯のとろろ汁激烈に濃厚にして美味。
膨大な量たりし若生姜も、愈々これにて償却果たせど、若生姜入り金平牛蒡、唐辛子の辛味を刺激する生姜の味わい堪らぬ次第、大いに美味なり。
「焼き秋刀魚+若生姜入り金平牛蒡+自然薯とろろ+大根と人参と酢橘の酢の物+味付海苔+即席蜆汁+ごはん」食せり。
「大根と人参と酢橘の酢の物」とは、そもそも御節料理にて御馴染み大根と人参の紅白なますを好まぬものなれど、延いては三杯酢や甘酢を好まぬ次第にして、然れば千切りに処し大根と人参、更には酢橘を、ポン酢+酢たる我流二杯酢を以て和えし一品、酢橘の芳しさ素晴らしくして大いに美味。
愈々欧州遠征迫れば、心残り無きよう好物なんぞ食い納めるべく、安売りされしイクラと八町刺身をつまや大葉共々ごはんにON! 斯くして「海鮮他人丼+大根と人参と酢橘の酢和え?????+即席アオサ味噌汁」食せば、激烈に美味なり。そもそもサーモン好まぬ私なればこその「海鮮他人丼」なり。
欧州遠征直前、最後の晩餐とは即ち備蓄食材償却の宴にして、自然薯残党は味付海苔共々天婦羅に、人参や青唐辛子や玉葱は掻き揚げに、
玉子2個は茹で玉子に、而して「寿がきや 名古屋名物 味噌煮込みうどん」召喚、拵えしへ容赦なく投下、而して「味噌煮込みうどん+天婦羅(海苔+自然薯+青唐辛子入り野菜掻き揚げ)食らえば、これにて暫し和食とは縁無き身とならん。
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耄碌貪飲餮食譚(長月)後編
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