Cardiff

午前6時起床、廊下へ出れば、嗚呼、亦しても「Shinhg」にて御存知なる亡霊双子姉妹「Grady twins」に遭遇、嘗て幾度も御目に掛かりし経緯あれど、私はダニーあらねば悪しからず。

ルームナンバー、いと愛敬し。

如何せん大英帝国の安宿とは、室内のヒーター稼働率ほぼ０％なれば、室内の寒さ尋常ならずして、皆様ダウンジャケットすら着込み布団に包まる始末なれど、キッチンや廊下は暖房稼働されれば、朝飯拵えるも兼ね赴けば、矢張り温くして快適至極、大凡他の宿泊客は泊まり合わせぬ様にして、遠慮なくキッチンを占拠させて頂かん。
扠、調理施設整えばこそ、ここは先日購入せし真空パックのメキシカンライス、昨夜の残党たるハンバーガー、定番備蓄食材たる人参と玉葱を召喚せり。

人参、玉葱を刻み、花椒共々炒めるや、そこへハンバーガー残党のパティ解体し投入、勿論バンズ廃棄処分とは云わずもがな、予め電子レンジにて加熱せしメキシカンライスをぶち込み、仕上げに粉末激辛調味料たる汁無し担担麺の素を以て味を整えるや、インプロクッキング「四川風メキシカンライス」完成せり。付け合わせに「ワカメ増量即席蜆汁」添え、食らえば大いに美味なり。半分は道中弁当へ詰めれば一石二鳥ならぬ一皿二食。

東君と津山さんも於き抜けて来られれば、キッチンスタジアムは俄かに活気付きし。

此処数日、移動の車内にても投宿先にても大爆睡され、1日18時間睡眠とも云われるみつるちゃん、出発時刻迫れば起こせども、斯くなる有様にて寝惚け放題。

階下のロビーにて猫と遭遇せり。

ロビーに鎮座するテレビは偽物、即ち段ボール製張りぼてとは是如何に。

投宿せしホテルは、海を臨む高台に建てば、出航される小舟を眺むるばかり。

界隈散策すれば、先の亡霊双子姉妹「Grady twins」とは異なる、実際未だ生存されると思われる双子姉妹に遭遇、果たして今朝の「Grady twins」との再会は、これに対する兆したりしか。

いざCardiffへ向け出発せり。給油に立ち寄りしガソリンスタンド内売店にて、大英帝国版インデペンデント・スクール・ガイド発見せり。当ウェールズに於いて「インデペンデント・スクール」とは、所謂名門市私立学校の意なりけり。然りとてこの表紙を飾る「ええしのボン」や「ええしのお嬢ちゃん」何れも自尊心と自惚れの権化の如き高慢な顔付にして、大英帝国とは階級社会を以て律を為すとは云え、見てたら何かムカつくねんな、これも亦貧乏人の僻み妬みか。

こちらはエリザベス女王特集号、若かりし女王の艶やかな姿拝み得る次第。

ドライヴイン内食品スーパーにて発見せし「Taste Japan」シリーズ、先ずは「焼餃子」

こちらは「味噌焼きチキンうどん」何やねんそれ。然れど一より巧く拵えれば美味ならん。

「チキンカツカレー」なれど、イメージ写真伺うや、チキンカツにカレーソース施され、傍らにごはん添えられれば、これは「カレーソース付きチキンカツ＋ライス」やろ。

みつるちゃんは、大好物ミートパイの類い頬張られ御満悦、因みにChips（フライドポテト）も同時購入され、ぺろり平らげられしとは云わずもがな。

朝飯の残党たる「四川風メキシカンライス弁当」のトッピングにすべく「茹で玉子」購入、

斯くして食らえば、ドライヴインにて売られる何物よりも美味ならん。

腹も膨れれば、亦しても特別通路席にて大爆睡されるみつるちゃん、概ね本日も僅か数時間のみ目を開けられるに留まらん。

CardiffはMikeの新居到着、今宵の投宿先でもあれば、会場出撃まで暫し小休止せん。おもちゃ＆フィギュア・マニアなれば、テレビの前にもガラモン鎮座、

自作ローラ・パーマーも飾られし。

Mikeの彼女の愛犬、名前存じ上げねば、悪しからず。

Mikeの愛犬にして蜜蜂の化身の如きと記念撮影せり。

未だ寝惚けて朦朧とされるみつるちゃん、帝都に帰還されるまで、永遠に夢の国を彷徨されるか。

先日誕生日迎えしMikeなれば、彼女や友人達より誕生日プレゼントが山の如く届けば、こちらは彼女よりプレゼントにして、カスタムメイドの高級パーカーなり。

今宵はそもそもオフなれど、Mikeの尽力を以て、僅か数日前にブッキング果たせり。斯くして今宵の会場The Abacus到着。

市街地の中心に位置する所謂アートスペースなれば、壁画は均かカオル・タチバナ・フランソワ先生の作品ならんや。

会場内の廊下にて、先の亡霊双子姉妹「Grady twins」とも、実際未だ生存されると思われる双子姉妹とも異なる、実際未だ生存されると思われる先とは亦別の双子姉妹と遭遇せり。これは果たして何を暗示せん。

今宵はMikeがサウンドエンジニア務められれば、彼曰く「本日以降もサウンドエンジニアを兼業してもいいが、その分のギャラは別に所望」お前、どんだけ我々より金搾り取る気やねんな。

会場直ぐ近くにラグビーW杯開催中なるスタジアムあれば、本日はアイルランド戦ありしか、街中アイルランドの泥酔サポーターにて溢れ返り、突如歩行者天国の路上にてボール蹴り上げる輩居られば、即座に界隈に屯ろする酔いどれ共が、ボール追い掛け走り回れば、どさくさ紛れに若き女性にタックルするスケベオヤジも少なからず、私が目撃せし一幕なんぞ、泥酔オヤジにタックルされし金髪女性が、本気にて拳握りドツキ返し様なれば、その完全無法地帯化する狂熱ぶり乱痴気騒ぎぶりは、阪神優勝なんぞすら足許にも及ばずと知れ。

斯様な騒乱喧噪の中、食材調達の為、我等が聖地「TESCO」へ赴けば、何と亦しても例の亡霊双子姉妹「Grady twins」とも、今朝遭遇せし実際未だ生存されると思われる双子姉妹とも、先程会場内廊下にて遭遇せし是亦実際未だ生存されると思われる双子姉妹とも異なる、実際未だ辛うじて生存されると思われる双子老姉妹に遭遇、ホンマ今日は一体どないなってんねんな。

路上にて、酩酊アイルランド・サポーター達に、突如「ブルーザー・ブロディー！」なんぞ声掛けられ、扨又金髪美女より擦れ違い様に「貴方のファッション素敵よ！」なんぞと投げキスされれば、愈々目眩さえする次第。

会場へ帰還、晩飯はケータリングにして「ベジタリアン用野菜カレー」美味くもなく不味くもなく、所謂大英帝国人向けたるパンチゼロの味わいなり。奇しくもハバネロソースや調味料の類い一切、Mike宅に置いて来れば為す術無し。