結局一睡も出来ず終いなれば、まさしく時差ぼけとは疑いの余地もなし。然ればモーテル周囲を散策せんとすれど、一面銀世界にして凍結転倒警報発令。
何とも寒々しき眺めなれば、昨朝までのLos Anegelesの暑さなんぞ、疾うに今は昔と感ぜられし。
室内プールあれば、今回のツアーこそと水着持参せし故、是非とも突入せんと目論めど、使用可能時間とは午前8時半以降なりけり。(結局朝飯食らいし後に転寝すれば、プール突入叶わず終いにして不覚千万。)
午前7時を過ぎれば、朝飯を求め食堂へ赴けど、未だ施錠されし様にして、人の気配すらなければ、ここは一先ず自室へ帰還せん。然れば昨夜炊きしごはんに、調理鋏にて刻みしレタスとセロリをON! そこへサルサを投下、粉末タコスの素を施し、ハバネロソースをぶっ掛ければ、これにてバーチャルクッキング「なんちゃってタコス抜きタコライス」完成せり。何せ粉末タコスの素を起用せし故、味わいはまさしくタコライスに他ならずして美味、いやはやこのインチキ料理ぶり、我ながら満更にあらじ。
更には「なんちゃってタコス抜きタコライス弁当」も拵えれば、本日の道中弁当とせん。
午前8時を回れば、漸く食堂も稼働されしか、斯くして今一度朝飯を求め、食堂へ赴くや、ワッフルマシーン確認せり。
いざワッフル焼き上げれば、
バターとメイプルシロップ施し食らうのみ、美味なり。
いざ一路Salt Lake Cityを目指し出発、雪景色の中を爆走せり。
遥か彼方まで雪景色、
山間部に突入すれば、勿論雪景色なり。
この世に於いて最も危険なる帽子ことスカンク帽、何せ屁をカマまされれば、即死間違いなし。
道すがら「Petting Zoo」なるを発見せり。所謂「ふれあい動物園」の類いならんや。
ポニーの間抜け面。
奇妙な角携えられる牛の類いか。
エミューに勝負挑まれし津山さん。
動物園園長登場。
漸くSalt Lake City到着。
然れば我等がGodことJustinは、問答無用とばかりレコード屋へ直行されれば、いざRandy's Record Shopへ突入せん。
「カセットこそ神」と宣われつ津山さんは、カセットのチェックに余念無し。
1本$0.50也なるカセットのカスコーナーもあれば、脳汁愈々以て奔流の如しならん。
斯くして戦利品を抱え、御満悦なる津山さん。
兄ぃも大収穫なりければ、大いに満悦至極なり。
更に続けてもう一軒とばかり、ReSpin Recordsを急襲すれど、生憎定休日にて無駄足と相成れり。
1ドルショップを訪れれば、ポパイにて御馴染み法蓮草缶並べども、アメリカの子供達が最も嫌う食品とは、日本の如く人参やピーマンにあらずして、即ちこの法蓮草なりけり。然れどこの法蓮草缶、開ければヘドロの如し、味わいもゲロの如しなれば、この代物を以て、法蓮草を好きになれとは残酷至極、法蓮草は新鮮な状態にて頂くべきかな。
みつるちゃんアロハオエ仕様。
みつるちゃん御目出度仕様。
然ればみつるちゃんを眺むる兄ぃの冷たき眼差しに注目されたし。
未だ会場たるUrban Loungeが開いておらねば、時間潰しでもせんと界隈のカフェを訪れるや、アツボンとヒロボンが、またもや例のポージングにて一言「あらやだ!」
こちらが、彼等の視線の先に飾られし作品にして、今更カオル・タチバナ・フランソワ先生の作品たりしとは説明不要と存ずれば、作品名はズバリ「Spooky Tooth」でしょう!
タイツを新調されしみつるちゃん、蛇皮柄の如しが何とも素敵かな。
ビールの王冠を裏返せば「EARTH, WIND AND BEER」とは是如何に。
フリーペーパーに掲載されしレストランの宣伝記事とは、俄かに信じ難きかな。これは食欲煽られへんやろ…。
今宵先鋒を務めて下さりしは、ローカルバンドRainbow Blackにして、オルガン入りハードロックバンドなり。
今回の北米ツアーを共に回るは、Denverを拠点に活動されるサイケデリックバンド「Tjutjuna」にして、過去2度程共演せし経緯もあればこそ。然れば今宵2番手を務めて下さりしは彼等にして、トリオ編成よりツインドラムを含む4人編成へと変化されにけり。
殿を務めるは我々にして、今回のツアーに於いては、何とAMT史上初ならん新譜より新曲3曲も披露せんとす。そもそもツアー前に新譜4枚を発表すれども、その新譜群より新曲の1曲たりとも演奏せず終いなんぞも珍しくなければ、これは驚天動地革命的出来事と云うべきか。今宵も大いに盛況どころか尋常ならぬ盛り上がりなれば、遂にはモッシュの嵐さえ勃発、モルモン教の故郷を舞台に繰り広げられし阿鼻叫喚狂乱の夜は、ギター絞首刑を以て漸く幕。
今宵は、常々Austinにて御世話になりしサイケデリック・バンドST37の友人なりける御仁宅へ投宿。晩飯を食いそびれれば、夜食厳禁の訓戒を反故とし、日本より持参せし「ケンミン 香港炒ビーフン オイスターソース味」を召喚、具材にキャベツとセロリを召喚、茹で玉子も拵えれば、キッチンにて拝借せしホットソースと唐辛子も投下、斯くして「香港炒ビーフン」食せば、100円ショップにて求めし代物なれど、これは大いに美味なり。
時差ぼけにて、早々に就寝叶わぬ私なれば、個人的に最も快適空間たるべきキッチンにて寝床を誂え、雑務あれこれに励めば、Salt Lake Cityの夜は更け行きし。
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Salt Lake City
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