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Channel: 大ぼら一代番外地
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明日香の深山散策

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気付けば8月も過ぎ去り、明日香の深山は、既に秋の足音も間近に迫る勢いにて冷え込み始めれば、連日苛まされし忌まわしき虻共の姿も潰え、蟋蟀、轡虫、螽斯なんぞ、秋の虫共の鳴き声すら、最早儚く消え去る兆しか。

明日香の夏の風景なんぞ気紛れにに撮影すれば、蓮池の蓮が開かんとせし様、此処にアップさせて頂く次第。

 

 

 

 

 

 

久しく膝や腰に問題抱えれば、昨年より杖を重宝せし有なたれど、先日御袋や叔母曰く、久しく脚を患い歩行困難たれど、最近或る日突然回復され、今や健脚誇られる有様にして「痛かろうが我慢して歩けば治る」と諭されれば、折角の深山暮らし、早朝に談山神社まで往復約2kmの山道を歩かんと一念発起、連日歩きつつも山道の景色なんぞ写真撮影に興ずれば、此処に其れ等の一部始終をアップせんとす。

 

山寺界隈よりの眺望。

 

 

日によりては、斯くなる眺望と相成る次第。

 

 

朝日が昇るや、いざ出発せん。

 

 

 

折り返し地点たる談山神社は、道中にて見受ける標識に由れば0.8km、然れば山寺よりの往復を以て、全行程2kmと思しき。

 

 

双方共に「行き止まり」の案内なれど、徒歩にての道はあり。

 

 

道中唯一の集落たる冬野には、3軒の家が残るのみ、今や何れも無人にして、然れど盆や正月には縁深き方々が里帰りされ、束の間なれど賑わい見せるものなり。

 

 

 

冬野を抜け、山道を下るべし。江戸時代の国学者たる本居宣長は、吉野や飛鳥の旅行記を「菅笠日記」に綴られれば、多武峰にて桜を愛で、冬野より竜在峠を越え吉野へ至りにけりて、然ればこの山道こそ、当時宣長が辿りし道たりし。

 

 

 

 

 

 

 

談山神社裏手たる「西大門跡」へ到着すれば、橋梁場にて座禅組まれる修験者の如き方々とも、時折遭遇せり。

 

 

談山神社西大門跡より、奈良盆地を臨む。

 

 

弥勒菩薩なりける石仏あり。

 

 

千手観音と思しき石仏あり。

 

 

裏手より談山神社へ向かう参道。

 

 

 

 

 

 

 

談山神社は拝観料600円が必要なれば、そもそも斯くも早朝は未だ門も閉ざされ、せめて境内に建つ十三重塔を彼方に仰がん。

 

 

竹薮の中に何やら祀られしか。

 

 

青蛙と邂逅せり。

 

 

野兎がネットに絡まり絶命せし刹那に、奇しくも何の因果か立ち会えば、断末魔の叫びたる悲鳴の如き、未だ耳の奥に突き刺さりし侭、

 

 

山道へ戻り上れば、何やら不思議な代物と遭遇せり。

 

 

 

冬野目指し只管上るのみ。冬野は標高650mに位置する天空の村にして、片や多武峰談山神社は標高450mなれば、その比高差200mにして道程は僅か800mとは、即ち10mを以て2.5m上る計算、可成りの勾配と知れ。

 

 

 

 

 

湧水たる冬野の名水、道すがら喉を潤し顔を洗えば、

 

 

その奥に佇まれる不動明王へも詣ん。因みにこの湧水は、流れ下りて石舞台の傍らへと至り、遂には飛鳥川へ流れ込むものなり。

 

 

漸く冬野へ戻り来れば、

 

 

 

良助親王冬野墓の傍らを抜け、

 

 

桜並木をも潜れば、

 

 

御地蔵様への御供えたる焼酎紙パックが、随分彼方に供えられしかな。

 

 

山寺の裏手にある牧場へ至り、

 

 

竹林潜るや、

 

 

牛舎を臨み、

 

 

牛とも目が合えば、

 

 

漸く山寺へ至りし。
因み当山寺とは、嘗て小説家五味康祐が居住せし経緯もあれば、氏の著作にして芥川賞受賞作品たりし「喪神」に於いては、その主人公たる夢想剣の使い手瀬名波幻雲斎信伴の墓所と綴られれど、果たして何処に墓なんぞあらんと思えば、そもそも幻雲斎とは実在の人物や否や、私なんぞが知る由もなければ悪しからず。

 

 

満開たる百日紅が、朝日に照らされ一層鮮やかなり。

 

 

 

山寺界隈に花あれこれ咲き誇れば、大層な華やかさかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

而して黒揚羽も飛来せり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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