結局徹夜にて朝を迎えし始末、午前6時と相成るや、朝飯を求め食堂へ赴きし。ワッフルマシーンも用意されれど、何せ食堂内は、偶然泊まり合わせし軍隊の方々にてごった返せば、ワッフルなんぞ悠長に焼こうものなら、不条理鬼軍曹若しくは冷血女将校より「馬鹿者!貴様、何をのんびりワッフルなんぞ焼いとるか!二等兵はトーストでも食ってさっさと撤収、移動中に便意を催さぬよう、しっかり糞でも捻っておれっ!」と一喝されかねぬ雰囲気にして、茹で玉子2個、トースト2枚、コーヒー、オレンジジュースを確保、茹で玉子は食らわずしてテイクアウト、斯くして正に軍隊の食堂の如きより、一般市民なる私なんぞは早々に撤収せり。
然れば朝飯を食い直さんと、東君の携帯用電気調理器を拝借、キャベツと即席麺を茹で上げるや、しりしり処せし人参と刻みしセロリを投下、トムヤムクンの素、ヤマサ昆布つゆ、麻辣醤を以て和え、花椒を散らし、先程失敬せし茹で玉子を添えれば、これにてインプロクッキング「東南アジア風混ぜ麺」完成せり。トムヤムクンの素と花椒の相性素晴らしきは、疾うに立証済みなれば、久々に野菜も添えられ、大いに美味なり。
道中弁当は、またしても即席麺とキャベツを茹で上げ、そこへ蛸缶をオイル共投下、更に粉末出汁とお好みソースを、更に七味も投下、一気に撹拌すれば、麺と共に茹で上げし茹で玉子も添え、これにてインチキクッキング「焼かずしても焼そば」完成せり。所謂カップ焼きそばと同じ要領なれば、大いに美味なり。嘗てはとんかつソースを以て、拵えし経緯あれど、矢張りお好みソースの方が、遥かに美味に仕上がりしか。惜しむべくは、青海苔、紅生姜、鰹節を欠きし事かな。
本日は13時間の大移動を予定する、即ちオフにして移動日なり。道中にて湖を臨めば、完全凍結状態なり。
湖が凍る程の極寒ぶりなれば、正に真冬へ逆戻りも甚だしきか。何せテキサスにて、真夏の如き蒸し暑さに辟易させられしは、未だ先週末のことなればこそ。
カーナビにて、今宵我々が向かう目的地のフリーウェイ出口とは、此処より800マイル(約1290km)前方との表示伺えば、
何せ前方に臨む景色も、斯様な有様なれば当然か。
次なるガソリンスタンド及びファーストフード店さえも、約100km以上先との表示あれば、買い食いせんと目論めばこそ、道中弁当製作をサボりしみつるちゃん、空腹に苛まされし挙げ句、先日手土産に持たされし豆乳なんぞにて、当座を凌がん図られれど、
余りの不味さに斯くの如し。
見渡す限り牧場牧草地帯広がれば、牛共を見るやJustin曰く「ミツル、ホラ!新鮮なBEEFガ、イッパイダゾ!」
然れば、ここは野生児たる津山さんに登場願いし次第、ノースダコタ名物恐竜狩りを以て、ダイナソーステーキなんぞプレゼントせん。
津山さんの必殺地獄突き!
チェーストッ!
必殺真空飛ばず膝蹴り!
膝蹴りが、見事喉笛に突き刺されば、爬虫類野郎なんぞ、既に息も絶え絶え、
更には首根っこを捉え、
いざ必殺一本背負いたる地獄の六甲おろし!
どりゃぁああああああああああああああ~~~~~っ!!!
最早断末魔の声すら上げんとする爬虫類野郎に、愈々引導を渡さんと、いざ飛び乗られれば、
必殺ベアハグならぬ地獄のダイナソーハグ炸裂!
斯くして見事、津山さんが勝利されれば、
いざみつるちゃんに、ダイナソーステーキを食らうて頂かんとすれど、今回のツアーに於ける不摂生ぶりにて、随分体重増量されしみつるちゃんなれば、本日よりサラダのみを食すべしと宣言されにけりて、結局サラダ食らわれれど、その表情とは、全く輝き失せておられれば、曰く「不味い…。」
隣に座する東君が、みつるちゃんの大好物たるポテトチップスを食らわれれば、羨望の眼差しにて眺むるみつるちゃんの圖。
然れば東君より、僅か1枚なれど御裾分け頂くや、いきなり表情豹変、斯くなる喜びぶりにして、早速食らわれるや絶叫「美味い~~っ!」
斯くして何もあらざる大平原を只管爆走。
ガソリンスタンド内売店にて、最早辛抱堪らぬと、スナック菓子を物色されれば、
先程のサラダ宣言なんぞ疾うに反故、大好物たるポテトチップス1袋を購入されし。先程ポテトチップス1枚を御裾分け下さりし東君を見るや、何ともしたり顔にて、
是見よがしに貪られれど、
1枚も取られてたまるかと、大いに警戒される守銭奴ならぬ守菓子奴ぶり。そんなもん、誰も取りませんがな。
斯くしてモンタナ州突入、Zappaの「Montana」なんぞ口ずさまん。
フリーウェイの休憩所には「ガラガラヘビ注意」の立看あれど、斯くも寒ければ、未だ冬眠中ならん。
13時間に及ぶ大移動も終了、今宵の投宿先とはMissoulaにして、Justinの友人夫妻宅なり。到着するや、ヒロボン&アツボン揃い例のポーズをキメられ、曰く「あらヤダ!」何せ壁と云う壁、内壁のみならず外壁にまで、カオル・タチバナ・フランソワ先生の作品が展示されし、まさしく俄かには信じ難き状況なり。
早速各作品の解説頂かんと思えども、実はヒロボンの手に依るカオル・タチバナ・フランソワ先生のfacebookページ「カオル・タチバナ・フランソワの世界『愛のつばさ』」遂に完成公開されれば、今後はそちらにて、愛弟子ヒロボン&アツボンの解説を、存分に堪能して頂きたし。その際は、是非とも「いいね!」クリック御願いしたき処。
カオル・タチバナ・フランソワの世界「愛のつばさ」
さて我等が神にして、敏腕ツアーマネージャーたるJustinなれば、先述せしが如く今宵は本来オフなれど、何せ土曜の夜なれば、急遽ハウスショーの類いをブッキングせんと、今朝より携帯電話とネットを駆使され奔走下さるや、Missoula市内にて数バンド出演のイベントあれど、其処へ急遽スペシャルゲストとして、飛び入り出演が決定、然れば会場たるV.F.W.へ出動せり。
如何せんブッキング完了せしが、僅か数時間前、然れば告知番長みつるちゃんは、早速告知活動開始されるや、その様の何が興味を抱かせしか、告知作業励行中のみつるちゃんを野次馬が囲むのみならず、その様を撮影される輩さえ現れし珍事勃発。
今宵の先鋒を務められしは、男性1人に依る80s風エレポップ・ユニットSamantha Glass、まさしくウルトラボックスとジャン・ミシェル・ジャールを融合させしが如し。
次鋒を務められしは、女性1人に依るこれまた80s風エレポップ・ユニットStacian、余りのプリミティヴさに、己れがシンセにて初めて製作せし、電子音弾き語りカセット作品なんぞ、一瞬想起すれど、否、極限にまでチープ化せしエドガー・フローゼのソロ作品の如しか。
3番手にて我々の出番と相成れば、今宵ヘッドライナーを務められるSkin Flowersの機材一式を、恐縮至極乍らも拝借させて頂きし。飛び入り出演なれば、45分間のショートセットにて「Pink Lady Lemonade」1曲のみ演奏、有り難くも満員御礼、大いに盛況にて無事終了。然れど私が拝借せしアンプと、私のギター&ファズとの相性芳しくあらねば、メンバー一同曰く「AMT史上最小音」のライヴと相成りしは御愛嬌。さりとて我々は、巨大アンプ群に依存せねばならぬ糞ストーナー系とは一線を画する故、斯様な悪条件さえ物ともせぬは当然至極、音量不足分は全身より噴出させる気迫にて補えば余りあらん。ロックとは斯くなるものと知れ。
ヘッドライナーを務めるSkin Flowersは、我々が飛び入り出演せし故、大幅にセットを短縮されにければ、感謝感激恐縮至極有り難き限りなり。一見80sアメリカン・アングラ系の如きかと思われれど、シスコサイケの如き匂いも混ざれば、挙げ句リードギターの方は、何かが憑衣せしが如く大暴れ、いやはや意味不明なれど、いとをかし。
終演後、StacianとSamantha Glassの御両人と歓談されるJustin、何と彼等もツアー中にして、明日はSeattleにてライヴなりけり。Good Luck!!
さて投宿先へ帰還、遅き晩飯を拵えんとすれば、即席麺を茹で、適当に千切りしレタス、しりしり処せし人参、刻みしセロリと和えれば、ヤマサ昆布つゆ少々、麻辣醤、トムヤムクンの素を投下、一気に撹拌、仕上げに自家製ハバネロオイルを垂らし、花椒を投下、茹で玉子を添えれば、これにてインプロクッキング「東南アジア風サラダ麺」完成、レタスの食感が心地良し、トムヤムクンの素と花椒の醸し出す魅惑の世界に、今宵も魅了されれば、大いに美味とは云わずもがな。
Missoulaと云えば、愛して止まぬ「ツインピークス」にては、ローラ・パーマーの従兄弟マデリーン・ファーガソンの出身地として知らるる次第、ローラの葬儀参列の為、ツインピークスへ赴きし儘、結局殺害され帰らぬ人と相成りし彼女を思いつつ、Missoulaの夜は更け行きし。
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Missoula
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