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Channel: 大ぼら一代番外地
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デジタル・リリース / デジタル・ディストリビューション

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昨日は、神戸某所にて㊙︎レコーディング行えば、終了後は大阪アジトへ滞在、然れば久々にインターネットが介在する近代的生活へ復帰せり。

Facebook上にて、仏ノイズミュージシャンDJ Urineこと盟友Sebastienの愛妻にして露女性現代音楽作曲家Anna Mikhailovaが「ANNA MIKHAILOVA NOISE」名義にての新作「ASMARA DAN ART」を、自身のBandcampサイトにてデジタルアルバムとしてリリースされにければ、私も1曲に参加と御知らせ頂きし。そのAnnaのデジタルアルバムは、こちらより試聴入手頂き得る次第。

 

 

今やBandcamp等にてD.I.Y.に作品を発表される御仁少なからず、身近にはGeoff Leighなんぞもおられ、いちいち現物の盤を製作せねばこそ、何ともお手軽にリリースし得る、正にインターネット時代なればこその新商法、世界中の如何なる場所であれ、インターネットさえ介在し得る場所であれば、如何に非商業的前衛作品であれ、思うが儘に発表流通させ得るものなり。70年代末から80年代半ばに、超極私的弱小自主製作カセットレーベルを立ち上げ、細々と作品をリリースし乍ら、その実売数は片手にて数え得る程たりし己れの青春時代を思い返せば、正に夢の如く恵まれし状況なるかな。

然りとて如何せんアナクロ極まりなき時代錯誤オヤジな私なれば、矢張り作品たるもの、況して非商業的音楽なればこそ、所詮少数ロットにてのリリースにて充分過ぎ、然ればこそ尚の事、実際に手に取り得る実体、この世に存在する現物としてリリースせんと思えば、どうにもこの夢の如き21世紀システムに馴染み得ぬ心情なり。況してそのそも生来の捻くれ者、世にインターネット不可欠、今やスマホ所持も常識にして、インターネットは生活に不可欠と相成りしこの御時世なればこそ、せめて世にひとつぐらい、インターネットにて斯くも容易に入手し得ぬ代物ありて然るべしと、矢張り所謂デジタル・リリースやらデジタル・ディストリビュートには無縁たらんとす。

 

嘗て未だデジタル・ディストリビューションたる単語も全く聞き知らぬ当時、欧州の某友人と2人して、所謂デジタル・ディストリビューションの如きアイデアを基に、音楽作品の有料ダウンロードサイトを立上げんと目論見し経緯もあれど、最大手たるApple社の本格的市場開発参入の前に、呆気なく夢と散り果てし経緯もあれば、そもそも私自身にとってデジタル・ディストリビューションなんぞ過去の遺物的発想のひとつに過ぎず、どうせなら現在のデジタル・ディストリビューションの向こうを張る、全く新しき流通・販売方法を考案したしと思うばかり。然れど今や、時代の流れより完全に取り残され、下手すれば「20世紀」「昭和」をキーワードとする「過去」と云う淀みに停滞どころか、よもや此処こそ安住の地たるやなんぞと思う今日この頃、何を今更時代の最先端にて凌ぎ削らんとするか、斯くなる上は時代に逆流大いに結構、今や人気再燃にて復権の一途を辿るアナログレコードやカセットテープさえも超越し、最早録音技術なんぞ未だあらざるエジソン以前の時代まで遡り「音楽とは生まれし刹那に消え行けばこそ、いとをかし」なんぞと、遂には音楽そのものの自由と解放を訴え、レコーディング文化撲滅、音楽的刹那主義を宣わんや。

 

話はデジタル・リリース / デジタル・ディストリビューションへ戻せば、過去に現物(CD、レコード、カセット等)にてリリースせし作品が、私が知る知らぬ関係なく、所謂その手のサイトへアップされ、ダウンロード購入可と知れど、最早私の手が届かぬ世界にて展開されるが如し、そもそも私の作品は、収録曲が長尺なればアルバム収録曲数僅かにして、アルバム1枚購入単価も笑ける程に安価と知らされれば、ダウンロード販売数なんぞも精々知れてる筈と、今更斯くも詰まらぬ事に、わざわざ己れの貴重な時間と体力を浪費させるとは愚の骨頂、当初より「Copyleft」なんぞと概ね著作権放棄すれば、フリップ翁の如く、著作権裁判に集中されんとすれば、その間の音楽活動一切休止なんぞ、到底理解し得ぬ次第にして、裁判に費やす時間と労力あれば、新たな作品製作せんとは、ヒット作皆無にして著作権裁判なんぞ全く無縁な私なればこその浅知恵たらんや、悪しからず。

 

 

 


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