渡欧を僅か2日後に控え乍らも、今夏のイベント全て終了すれば、残されし食材償却に精を出さんとす。何せイベント続きにて食材あれこれ残されれば、ここは纏めて償却の道を辿らんと、タジン鍋を召還、ジャガイモ、南瓜、蓮根、獅子唐、玉葱、トマト、人参、牛蒡をぶち込み、ニンニク、唐辛子、ヤマサ昆布つゆ、カルダモン、月桂樹の葉等を施し、8分間加熱調理せん。
傍らにて、ブイヨンにスパイスあれこれぶち込み、カレースープベースを拵えれば、
それらを合わせ、ごはんと盛り合わせれば、温泉玉子なんぞ添え、斯くして「野菜タジン鍋カレー」完成せり。何とも御手軽にして、所謂スープカレー宜しく大いに美味なり。
先ずは大蒜と唐辛子をオリーブオイルにて煮立て、そこへ食材償却大作戦とばかり、トマト、獅子唐、玉葱をぶち込み炒め合わせるや、茹で上げしスパゲティーと和え、茹で玉子とルッコラを添えれば、斯くして「spaghetti aglio, olio e peperoncino con pomodoro e rucola(ルッコラとトマト入りスパゲッティー・ペペロンチーノ)」完成せり。ルッコラの風味芳しければ、大いに美味なり。
夕陽にて紅く染まりし明日香の深山、いとをかし。
未だ残る食材携え、いざ下山し大阪アジトへ。御馴染み「盗難アジア風混ぜ麺」拵えれば、具材は、もやし、レタス、人参、オクラ、茗荷、大葉にして、
天地返しを以て撹拌し食らえば、いやはや笑ける程に美味なるかな。最早安定せし美味さを誇れば、愈々定番としてその味わいも極まりしか。
タイ製即席袋入麺「グリーンカレーラーメン」を拵えれば、もやしとバジルと茗荷を投下、バジルと茗荷の風味が、想像以上に調和すれば、何とも豊穣至極にしてこれは大いに美味なり。
先日半分を堪能せし「鰻蒲焼き」残り半分、コールドスリープに処されしを召還、食材償却もあれば付け合わせは、些か奇妙なれども納豆なんぞ召還、斯くして「鰻丼+納豆+茗荷の酢の物+干しえのきの味噌汁」食せり。この鰻蒲焼き、皮の歯応えと云い脂の乗り具合と云い白眉にして、堪らぬ程に美味なれば、今回の渡欧は2ヶ月半の長丁場なれど、最早思い残す事もなし。
食材償却も愈々大詰めを迎えれば、支離滅裂なる食卓の賑わい「秋刀魚塩焼き+オクラの七味マヨ添え+天婦羅盛り合わせ+即席蜆汁+ごはん」食せば、
天婦羅なんぞ、大葉、茗荷、獅子唐、蓮根、トマトなる面子にして、トマトの天婦羅なんぞ初の試みなれど、その酸味も相俟り思いの外美味かな。斯くして渡欧直前和食食い納めも兼ねれれば、いやはや満腹至極にして何れも美味、是を以て漸く食材全て償却されし次第。
先日頂戴せしハバネロを以て、ハバネロオイル仕込めば、帰国せん11月下旬には、充分堪能し得る程に熟成されんと思うものなり。
さていざ渡欧せんと、先ずは大阪伊丹空港より午前8時10分発JAL成田行きに搭乗、成田空港にて、午前11時発フィンランド航空Helsinki行きに乗り継がんとすれど、セキュリティー係員がアホ極まりなく、機内持ち込み鞄に詰められしケーブル類やワウペダル等、まあ何とも牛歩の如き愚鈍なる動作にて、御丁寧に調べて下されど、幾ら私が「あとペダルが2個入ってる」と説明しようが、頑にも一度に全てを発見し得ぬ鈍臭ささえ発揮されし挙げ句、御親切にも随分な時間を要して下さり、気付けば搭乗予定時刻すら疾うに過ぎ去りて、御陰様にて慌ただしく搭乗口へ走らされる羽目と相成れば、ホンマせやからクソ成田へ行くの嫌やねん。無事Helsinki行きに搭乗果たせば、毎度の如く離陸せしも知らぬ程に爆睡、ドリンクサービスにて目を覚ませば、機内食は選択の余地無かりしか、有無を云わさず手渡されし次第にして、何やら「ハッシュドビーフ」の如きか、及第点程度かと思われれば可もなく不可もなし。
私は退屈なる空の旅に於いてこそ、娯楽大作たるハリウッド映画の類いを鑑賞すべしと思うものなれど、残念乍ら今回は新作映画少なければ、先ずクリストファー・ノーラン監督作品「インセプション(原題: Inception)」を鑑賞、以前にも機内にて鑑賞せし記憶あれど、今一度細部なんぞチェックせんと思えばこそ。果たしてコブは現実に戻り得しや。
続けて大友啓史監督作品「プラチナデータ」を鑑賞。どうにも昨今のサスペンス系邦画とは、何故斯くも御粗末な映像美学を晒さんとするか。況してや警察内部に展開される中途半端に時代遅れなサイバー系セットは、嘗ての邦画に見られし薄暗く小汚きイメージを払拭せんとすればこその成れの果てか。あの陳腐極まりなき青白き映像処理を目にせしのみにて、最早鑑賞意欲の90%を削がれる次第。而して私も常々、国民総背番号制ならぬ全国民DNA登録なんぞ施行すれば、犯罪捜査も随分捗らんとも思われれど、反面冤罪を証明せんとするは一層難儀となるは必至、然れば奇しくも本作はその辺りがテーマなれど、DNA一致に由り浮かび上がりし容疑者が、何と多重人格者なる仕掛けには、思わず苦笑ならぬ失笑、結局は、久々に目にせし鈴木保奈美の老いさらばえし姿のみ、印象に残りしばかり。
更にジョン・チュウ監督作品「G.I.ジョー バック2リベンジ』(原題: G.I. Joe: Retaliation)」を鑑賞。前作の主役たりしデュークが脇役と化せば、我等がロック様が主役なり。まさしく痛快娯楽大作にして、愈々エンディングを迎えんとすれば、均かの着陸態勢に突入せんとすれど、何とか無事エンディングロールまで上映果たされ安堵せり。
Helsinki空港に到着すれど、次の乗り継ぎたるParis行き搭乗まで4時間の待ち合わせ、
空港内をぶらり散策すれば、ムーミンの故郷なればこそムーミンショップも見受けられし。
残りごはんをおにぎりに、余りし玉子を茹で玉子として、旅の御供とすれば、いざ食らわん。
午後7時半発フィンランド航空ParisCDG行き搭乗、斯くして午後10時前には無事ParisCDGに到着。そもそも今宵は、更にParis市内はGare d'Austerlit所謂オステルリッツ駅より、夜行列車にてToulouseへ向かわんとすれど、CDG到着時刻が遅ければ、結局間に合わぬと思い、今宵はParisに投宿せんと、予めParis在住タダオ君に投宿先なんぞ手配して頂きし次第。然ればタダオ君が迎えに来て下さり、投宿先たるSonore主宰されしFranck宅へ。Franckは、私の人生初の欧州ツアーに於いて、フランス国内のライヴをブッキングして下さりし以来の旧友にして、久々の再会を祝えば記念撮影。
素晴らしくエロティックなタオルを貸して下さりし。
結局ワイン片手に大いに歓談、斯くしてParisの夜は更け行きし。
果たして時差ぼけは如何な塩梅か、午前5時起床とは何とも微妙、朝飯は定番「コーヒー&クロワッサン」流石は本場、大いに美味なり。
いざToulouseへ赴かんと、Gare Montparnasse所謂モンパルナス駅へ。見送り下さりしFranckとは、またの再会を誓い、いざ午前9時28分発Toulouse行きTGV乗車。満員御礼の車内にて、成田空港内キオスクにて購入せしおにぎりを、昼飯として食せり。
午後3時過ぎ、Toulouseへ到着すれば、明日出演予定なるフェスティバル「Baignade Toujours Interdite」のスタッフたるSebastianと、旧友Frédéricが向かえに来て下されば、その足にてAlbiへ。
1時間のドライヴにてフェスティバル会場に到着、ワイン片手に会場内をぶらぶら散策しつつ、旧友知人との挨拶も交わし、プログラムの幾つかも観戦すれば、ALGECOWなるデュオ、プログレ風味もあれどバカバカしくも変態ぶりを晒されれば、大いに興味深し。興味抱かれし方はこちらにて。
晩飯は所謂「ソーセージのトマト煮込み」全く期待せず食らえば、意外にもハーブの香り芳しくして美味。
本日世話になりし旧友Frédéric、彼は明日よりParisにて仕事なれば、11月中旬には共にツアーする段取りにして「A bientôt!!」
会場内トイレにて発見せし「正しいジャンベの使い方」大いに共感、大いに支持。
今宵の投宿先は、フェスティバルのスタッフたるStefany宅のゲストルームにして、何せ旧友達と再会を祝い散々ワイン飲み倒せば、会場より僅か徒歩2分なればこそ、何とか無事漂着帰還果たし、既に午前2時過ぎなれば即寝成仏せり。
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食材償却大作戦、而して旅立つ男の胸には浪漫の欠片も欲するかな
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