誠に以て大変遺憾乍ら、来たる4月9日より予定されしAMT宗家北米ツアーは、キャンセルと決定、此処に公式発表させて頂きし。
先月初旬、コロナウイルス感染発覚せしダイヤモンドプリンセス号に関する報道に端を発せし一連のコロナ騒動、先月末には愈々日本国内にても感染拡大と報じられ、何やら日本に対する気運怪しくなり始めるや、4月初旬に控えるAMT宗家北米ツアーを睨み、国内情勢のみならず欧米の様子をも静観せり。今月上旬に勃発せしライヴハウス感染騒動にて、いきなりライヴ自粛の気運の最中、齢75歳なるLouise Landes Leviとのライヴや、齢79歳なるMani Neumeierことマニさんとの「グルグル祭り」ツアーを敢行すれど、その真最中に、遂に欧米にても感染拡大、それも想像を上回る急激な拡散ぶりにて、いきなり状況一変、それまでは日本国内の感染拡大次第にて、下手すれば日本よりの渡航入国拒否、仮令入国叶えども14日間の強制隔離も辞さぬとも思われればこそ、ツアー行い得るや否やと危惧すれど、一瞬にして状況は一変、伝え知らされる欧米の状況は、日に日に悪化の一途を辿れば、あれよあれよと思う間に、200人以下の集会禁止、それが翌日には100人、更にその翌日は50人、而して10人以下、挙句は外出自粛、遂にはスーパーと薬局を除く全店舗の営業停止及び外出禁止、正に急転直下、気付けば彼程散々揶揄されし日本の方が、未だマシな状況と相成りしか。
そもそも欧米に於いて、所謂「濃厚接触」即ち挨拶に於いてさえ握手、ハグ、頬擦り、キスなんぞ一般的且つ日常的な所作なれば、下手すれば家族間ですら然う然う肌を触れ合わさぬ日本人とは、大いに異なる次第、況して水の豊富な日本なればこそ、頻繁な手洗いは当然の習慣ににして、時には潔癖過ぎかと思われる「除菌」「無臭」等への拘りも、日本人の清潔好きたらしめる側面を顕著に表すものならん。
何にせよ欧米に於けるコロナ狂騒ぶりは、その想像を遥かに上回る感染拡大ぶりもあり、アジアに於ける正に彼岸の出来事なんぞと、高みの見物決め込みし筈が、一夜にして状況激変、然ればこそ現地の知人友人へ連絡しては、日本に於ける報道なんぞにては得られぬ、現地のリアルな状況を伺いつつ、ブッキングエージェントJoey、我等が「GOD」こと盟友にしてツアードライバー/マネージャー務めるJustinとの3者協議の末、今月18日にキャンセルを決定せり。然れど事務処理やら諸々の後始末再手配等あれば、公式発表は本日まで待たさせて頂きし次第。
キャンセル決定せし18日当時、未だアメリカの状況は、商業施設は8週間の営業自粛、即ち5月11日までライヴ会場各所も概ね営業自粛せざるを得ぬ上、カナダの国境閉鎖、更に州によっては50人以上の集会禁止、外国よりの入国者は2週間の隔離等、最早ツアーを行い得る状況にあらざる上、万が一にも我々が搭乗せしフライトより感染者発覚するや、我々も2週間の隔離余儀なくされるやもしれず、亦、我々の演奏会場より感染者発覚するや、ツアー即中止は否めず、況して長期ツアーに於いては、毎回バンド内にて誰かが風邪を拗らすも常、然れば仮令コロナ感染にあらざるとも「発熱」の事実にて、ツアー即中止の判断は当然たるべしと思われ、余りにリスクでか過ぎな負け賭博たるは必至、斯くして3者総意にてキャンセル決定下されしものなり。
而してその僅か数日後には、全州にて外出自粛若しくは禁止、商業施設等の営業自粛及び禁止なる更なる惨状、今やキャンセル以外に残される道もなし。
そもそも春と秋はツアーシーズンなれば、毎年海外遠征行う次第にして、今回のキャンセルを受け、日本にて春を過ごすなんぞいつ以来か。下手すれば凡そ20年ぶりかとも思われ、然れば精々この機に、日本の春を堪能させて頂くべし。
而して今年上半期の国内ライヴ予定は、既に全日程終了済みなれば、明日香の深山に篭り、溜まり捲る録音作業や、予てよりの懸案たる厖大な録音物の整理等、有意義に時間使わせて頂かんと思う次第。然りとて生来の怠け者なれば、ついぞ厖大な埋蔵量誇る映像ソフト在庫よりあれこれ発掘しては、100インチスクリーンにて映画鑑賞なんぞに耽る危険性も大いに孕まん。
然りとて北米ツアーのキャンセルと相成りしに当たり、已む得ぬ事情とは云え、楽しみにして下さりし皆様には申し訳なき限り、況して外出自粛どころか外出禁止につき自宅に滞在される方々少からんと思えばこそ、而して我々が為し得る事あらざらんやと、早急に動き出せば、その件に関しては次の投稿記事にて発表させて頂く次第。
(つづく)