毎週2作品ずつアップせんと宣言せし「Kawabata Makoto official Bandcamp」御陰様にてぼちぼちな手応え、御購入下さりし皆様、どうも有り難う御座います。斯くして勝手に公約せし通り「Weekly Kawabata」若しくは「週刊 スピードグル」今週も2作品を公開させて頂きし。
今回は、私のソロライヴアルバム2作品を選べば、是亦当然たれど共に随分以前の作品なれば久しく廃盤、現在は些か入手困難たるも仕方ければ、此の機に斯様な音楽を求め下さる稀有な方々の手へ、些かなりと御届け得ればと願うものなり。
「Shade Of Burning Snow」は、2012年7月に高知Chaoctic Noise RecordingsよりCDにてリリース。2012年3月29日@高知Chaotic Noise
にて行いしソロライヴの1セット目を完全収録すれば、そもそも仏女性映像作家Audrey Ginestet監督作品「Spring Yes Yes Yes」の映像のみ上映、其処へライヴサウンドトラック施せし次第、然れば「Music is totally improvised with the projection of "Spring Yes Yes Yes" without all sounds」なるクレジットも添えられし。そもそもこの「Spring Yes Yes Yes」は、Audreyと助手Saulの2人が、雪積もる明日香の深山に1ヶ月滞在し撮影されし短編映画なり。
所謂「ライヴサウンドトラック」なればこそ、映像伴わねば如何なと思われんや、明確なストーリー展開を介する娯楽作品にあらず、心象風景を映し出す抽象的作品たれば、今度は逆に聴き手御自身が、この演奏より各々映像を思い描き得ん。
「I'm Here Still Now (Live At La Chapelle)」は、2003年に英Ochre RecordsよりCDにてリリース。2002年6月9日、南仏Toulouseの廃教会にして、現在はコンサート等に利用されるLa Chapelleにて行いしソロライヴを、完全収録せし1枚なり。
私がエレクトリックギターを、十手に由るグリッサンドギター奏法や、弓弾きされるは周知の通りなれど、そもそもギターを手にせし当初より、どうにも弦を弾くピッキング音を好まざれば、ついぞ弓弾き等の変則奏法なんぞ修錬せしも道理にして、況して手元の調整具合ひとつにて、単弦から6本の弦全てを奏で得るとは、ブリッジ部分がアーチ状を成す西洋擦弦楽器以上の可能性を秘めて然るべしと、遂にはギター1本にて弦楽アンサンブルどころかフルオーケストラの如きを現出させんと試みる次第、然れば斯様な思い秘めつつあれこれ試行錯誤せし頃の演奏にして、部分的にサーランギも併用すれど、元教会たればこその音響効果も相俟り、演奏終了後、多くの方々より「本当にエレキギター1本だけだったのか?」「まるでフルオーケストラの演奏を聴いているようだった」との感想頂戴せり。
因みに録音下さりしは、その後Toulouse市内にレコーディングスタジオ「 Studio Condorcet」設立されし、敏腕エンジニアにして旧友Olivier Cussacなり。而してこの日のライヴとは、先の「Spring Yes Yes Yes」制作されしAudrey Ginestetが在籍せしポストロックバンド「Ueh」が主催下さりし一夜なれば、今回アップせし2作品は共に、奇しくも彼女と縁深き作品たりしかな。
Bandcampページに於ける「Weekly Kawabata」一応毎週水曜に更新せんと思えば、旧譜のみならず録り下ろし新作も何れは是非、然れば引き続き何卒御贔屓に御願い奉り候。