今や此処、明日香の山寺にて定番化せし回転円卓、何せ料理毎に皿を選ぶ必要もあらざれば、洗い物も同じ規格故に面倒にあらず、そもそも「回転」すれば非日常的祝祭感さえ演出され、何気なき日常の食卓が、いきなり豪華な宴席へと早変わり。昨年末、大阪アジト界隈の某リサイクルショップにて、僅か500円也にて贖えば、以来何かと重宝する次第、斯くして今宵の晩酌に登場とは云わずもがな。
果たして是と同じ献立を、居酒屋にて所望すれば幾らになるやら。
「鰤刺身」山葵醤油に代わり、刻み青唐辛子、冷凍酢橘おろし、ヒマラヤピンクソルト、茗荷なんぞ添えし。
「鯵刺身」こちらはおろし生姜と茗荷を添え、醤油ならぬポン酢にて頂戴せり。
「鯵なめろう+縮緬山椒」岡田味噌醤油の麦味噌に、実山椒、ヤマサ昆布つゆ、姜葱醤を合わせ練れば、是を以て鯵刺身と和えし代物、茗荷と刻み葱を添え、薄切りに処せし胡瓜にON! して食らえば、激烈に美味。
「蕨の山葵醤油添え」早朝山道入隊にて採取せし蕨をアク抜きせしに、山葵醤油添えるのみなれど、是こそ蕨を最も美味にて食らう術たらん。
「有頭海老の刺身 アリオリソース添え+ポテトサラダ」マヨネーズ繋がりにて盛り合わせし。
「生しらす」濃厚な味わいは昇天級なり。
回転円卓の他にも「独活の山椒酢味噌和え」是こそ独活の醍醐味かな。
独活の皮を以て拵えし「独活の金平」特有の芳しさ尋常ならぬ逸品なり。
「天婦羅盛り合わせ(三つ葉、コゴミ、蕗の薹、茗荷、大根、山芋とろろ)」大根おろし+ヤマサ昆布つゆ、ヒマラヤピンクソルトの2種添えし。山菜天婦羅が芳しく美味なるは当然、然りとて大根の天婦羅こそ、あの絶品なる祝蕾の天婦羅を想起させる味わいにして、均か大根を天婦羅にすれば斯くも美味とは驚愕の事実、
山芋とろろは、衣を纏わせず、すりおろせし山芋とろろを揚げ油へ投下、表面が揚がりしかと思うや、手早く揚げ油より取り出せば、外側はカリッと、内部はとろとろに仕上がり、是亦激烈に美味な一品。
再び尾頭付き穴子を入手すれば、今回はフライパンに胡麻油を引き、焼き目付く程に焼けば、ヤマサ昆布つゆ+砂糖+実山椒+水少々をぶち込み、穴子に絡め乍ら照り焼きとす。最後煮汁が煮詰まりほぼなくなる寸前にて火を止め、残りし煮汁共々ごはんにON! 粉山椒施せば、是にて「照り焼き穴子丼」完成せり。素晴らしきプリプリ感堪能し得れば、煮穴子なんぞ軽く凌駕、然りとて蒲焼の如き手間も不要、何とも手軽にて美味な仕上がりなり。今や高嶺の花と化せし国産鰻の蒲焼には流石に及ばねど、素晴らしきコストパフォーマンスも考慮すれば、充分過ぎる程に満喫満足し得る逸品、正体不明な中国産鰻蒲焼を、秘奥儀を以てグレードアップ図るも楽しけれど、この「照り焼き穴子丼」更に極めんとするも一興かな。
山梨名物「信玄餅」食らえば、大いに美味とは云わずもがな。AMT公式ウェブサイト管理人にして敏腕デザイナーたる依田さんより、氏は甲府在住なればこそ、嘗て信玄餅の食し方御教示頂きし経緯ありて、包装されるセロハンにきな粉共々信玄餅を開け、其処へ黒蜜投下、然ればセロハンが皿代わりとなり、きな粉や黒蜜を無駄にせず堪能し得る次第。
境内のレッドロビン、愈々以て鮮やかなり。
朝夕は未だ暖房器具必須な程に冷え込めど、昼は春の陽気堪能し得る程にして、一念発起し境内の大掃除に勤しまんとす。落ち葉や杉の小枝等が散乱すれば、荒れ寺の如き有様晒し、神様仏様にも申し訳なし。
今春は例年より3週間近くフライング開花せし境内の桜なれど、遅れ馳せ乍ら今頃開花する能天気な輩もおられ、僅かばかりの桜を愛でんとすれば、
当然、濡れ縁にて昼酌せんとす。先日15年ぶりに再会果たせしヨハンが、故郷のベルギービールを御送り下されば、今こそ絶好の機会とばかり、2本召喚せり。
然れば当然アテも用意すべく、御膳登場せり。
「豚フィレ一口カツ+ジャガイモと人参の素揚げ+玉葱のアチャール」
「河端家特製玉子サラダ」
「オニオンボム」新玉葱に十字に切れ込みを入れ、其処へ月桂樹の葉を挿み、チンマシーンにぶち込み電子レンジにて2分半加熱調理、其の傍ら姜葱醤とマヨネーズを以てツナ缶を和え、是を蒸し上がりし新玉葱に詰めし代物。
「独活の金平+蕨」等を以て、ベルギービール堪能せり。
あれ程明け暮れし欧州遠征も今は昔、四半世紀に渡り現地にてベルギービール散々飲み倒せば、近年は些か飲み飽き気味にて遠慮がちたれど、本日久々に飲むベルギービールの美味さ格別、初めてベルギーを訪れし25年前、ベルギービールの美味さに驚愕せし、あの遠き記憶も蘇りしか。
「鯛骨蒸し」残党召喚、丁寧に骨を除け身を解し、是を以て炊き込み御飯「鯛御飯」拵えんとす。飽くまでも愛媛の郷土料理「鯛めし」とは、根本的に異なる代物なれば、名称は「鯛御飯」とする次第。炊飯器に米、鯛の解し身、人参、葱をぶち込み「鯛骨蒸し」残り汁注入、丁度米の量に見合う汁の量たれば、水不要なり。
斯くして見事に炊き上がるや、
「鯛御飯+鯛出汁味噌汁+豚と大根の炊いたん+胡瓜の昆布揉み漬け」食せり。
「鯛御飯」には、刻み三つ葉、擂り胡麻共々添え、いざ食らえば、鯛の芳しさ口内に広がる夢心地ぶり。
「おかず」として急遽拵えし「豚と大根の炊いたん」実は鯛御飯炊き上がり、蒸らす間に拵えし超スピードクッキングにして、大根をチンマシーンへぶち込み、ヤマサ昆布つゆ注入、ラップせず電子レンジにて2分半加熱、然れば其処へ業務スーパー製柔らか煮豚を加え、更に2分半加熱すれば完成。僅か5分間の加熱調理なれど、大根は柔らかにして、中までしっかり味沁み入れば、大いに美味。最早鍋にて炊くも馬鹿馬鹿しきかな。
「鯛骨蒸し」鍋に残りし豆腐や葱を救済、是等を具材に味噌汁拵えれば、リサイクルクッキング「鯛出汁味噌汁」完成せり。是亦鯛の旨味凝縮されし一品、正に鯛は捨てる所なしなるかな。