コロナ狂騒の煽り食らうや、海外遠征予定は全滅の憂き目に遭い、然れば徒然なる儘に始動、毎週2作品ずつアップせんと宣言せし「Kawabata Makoto official Bandcamp」此処まで新旧116タイトルを順調にリリース、御陰様にてぼちぼちな手応え、御試聴、御購入下さりし皆様、どうも有り難う御座います。
扨、今週の「Weekly Kawabata」若しくは「週刊 スピードグル」は、米音楽配信/販売プラットフォームBandcampが、コロナ狂騒の煽り食らいしミュージシャン達の窮状救うべく、売り上げ100%還元下さる恒例「Bandcamp Friday」睨み、録り下ろせし電子音楽ソロ最新作品「Cosmic Galop (2021)」と、デュオに由る3作品、ナカタニタツヤ君との「Live in Oita 2016 (2016)」道下慎介君との「◯△▢ (2009)」宮本尚晃君との「Electric Guitars (2001)」以上4作品を一挙公開せり。
然れど先程、何と今月はBandcamp Friday行われぬと知るや愕然。否、然にあらず、Bandcamp Fridayの有無問わず、定期的に作品を公開し続ける事こそ本意なり。(※ Bandcamp Fridayは、8月6日より再開されると事。)
今回録り下ろせしソロ最新作「Cosmic Galop」は、シンセサイザーの類い駆使せし電子音楽作品なり。今年にて音楽活動43周年を迎える私なれど、そもそも初めて手にせし楽器は、拙き自作楽器を除けば、幸運にも知人より譲渡頂きしRoland System100のシンセサイザーとエキスパンダーなれば、記念すべき人生初めてのソロ作品は、電子音ソロ「サイケデリックノイズ狂」たる経緯もあり、況してや音楽に目覚めし契機とは、小学生の時分、ラジオにて耳にせしKarlheinz Stockhausenの電子音楽作品たれば、或る意味原点回帰的作品とも云い得るか。
「電子音楽」なる語彙も、嘗ては先鋭的実験音楽の意味合い濃けれど、今や所謂電子音に由るダンスミュージックの類いを示すが一般的たれば、時代も変われば言葉の意味合いも変わりて然るべし。然れど此処にて云う電子音楽とは、前時代的なる20世紀音楽の一端担いし其れに他ならず、そもそも私が演奏する音楽とは、自ら「古い音楽」と宣う儘に、常々古臭さを伴う代物にして、況して音楽とは鮮魚や新鮮野菜にあらざれば「新しい=良い」なる定理は決して存在せず、飽くまでも「良い=良い」なる個人的価値観のみが存在すればこそ。然れば今や時代遅れな音楽と化せし20世紀の電子音楽にこそ、私は個人的に、音楽本来が持ち得し魔法の如きを見出し聞出し得る次第。而して私が演奏する電子音楽も亦然り、所謂ダンスミュージックとは真逆たる、ドローンを基調とする電子音塊にして、然れど其処へ、嘗てロックが内包せし初期衝動の如きも注入せんとすれば、音楽活動開始せし契機となりし「Karlheinz Stockhausen + Deep Purple」なる発想は、約20年の歳月を経て後日Acid Mothers Templeとして結実されれど、ロックサイドならぬ電子音楽サイドへの回答は、凡そ本作の如きかと改めて思うものなり。
米在住日本人ミュージシャンにして盟友ナカタニタツヤ君とデュオ作品「Live in Oita 2016」は、当時デュオに由る米ツアーを睨みリリースせし作品にして、嘗て彼と国内ツアー行いし際の大分公演@Athallのライヴ音源なり。そもそも巨大ゴングの弓弾きを十八番とされるタツヤ君なれば、独自の変則奏法オンパレードとは、一度なりとも彼のライヴを体験されれば御承知の通り、而して私もギターの弓弾きやグリッサンドギター、更には小さなベルを以ての電子音的演奏等も繰り出せば、一聴してエレキギターとドラムとは到底思えぬ音像にして、況してタツヤ君が旋律を、私がリズムを演奏する場面もあれば、全く以て常にニュートラルにて演奏し得る次第。
そもそも「世界で年間最多のコンサートを行うミュージシャン」と呼ばれしタツヤ君なれど、このコロナ狂騒の煽り食らえば1年以上もの活動休止を余儀なくされれど、近き将来再び亦、共演し得る日を待ち望むばかりなり。
LSD March道下慎介君とのデュオ3作目「◯△▢」は、2008年夏、明日香の深山は山寺に構える私のスタジオにて録音、2009年に米Prophase MusicよりLPにてリリースされし。
道下君とのデュオ前2作は、共にエレキギター2本に由る轟音作品たれど、本作は全編アコースティック楽器に由る、所謂実験音楽的作品なり。私が所蔵する楽器あれこれ総動員、2人して思うが儘に演奏に興じし。
今回のBandcampに於けるデジタル復刻に際し、リマスター施せば、ジャケットも刷新させて頂きし次第、悪しからず。
先鋭的若手ギタリスト宮本尚晃君との出会いは、既に四半世紀程も遡らねばなららずして記憶あらねど、初めて拝見せしソロ演奏は、自らの真正面に小振りのギターアンプを据え、全編只管轟音フィードバックに終始、其の余りの潔さと、鋭利な音像は鮮明に印象に残るものなり。彼が主催されるシリーズ企画「知覚/眩暈」に招聘頂き、デュオにて演奏行えば、其れを契機に録音せしが本作「Electric Guitars」なり。宮本君の鋭利なフィードバックに、私の轟音ギターや弓弾きが絡む、正にタイトルに偽りなしな直球ぶり。
宮本君は、自らが主宰すればこそとシリーズ企画「知覚/眩暈」に於いて、如何な有名重鎮ミュージシャンを相手にされれど、常に自らがヘッドライナー務められし漢ぶり披露されしも印象深きかな。其の後、国内に於けるライヴ企画終了され、欧州遠征されにければ、私のソロツアーと同じ女性オルガナイザーに世話になられれど、彼女曰く「如何なるジャンルにも属さない音楽なので、ブッキングが難しい」奇しくも所謂「フリーミュージック」等の先鋭的音楽を主にブッキングされる彼女さえも悩ませるとは、是こそ正に真の先鋭性に他ならず、そもそも「時代を先んじる先鋭的音楽」とは、真に新しければ、殆ど誰もが理解不能たるは必至、即ち理解され大いに人気博するなんぞ、有り得る筈もなく、実は「中途半端に新し目」なればこそ、多くの人が理解し得、仮令商業音楽にあらざれど、其れなりに人気を博し得る仕組みと知れ。
因みに本作は、東君と主宰するD.I.Y.零細家内制手工業レーベルAcid Mothers Templeより、当時リリースせし100枚限定CDRシリーズ「Gold Disc Series」最終作として、2001年にリリースされし。
Bandcampページに於ける「Weekly Kawabata」一応毎週水曜に更新せんと思えば、旧譜のみならず録り下ろし新作も亦、然れば引き続き何卒御贔屓に御願い奉り候。
既にリリースも100タイトル越えれば、リストページ「Speed Guru's Time」を作成、先ずは「Solo」「Band & Collaboration」のページに分け、各々の内部にて項目毎に分類、而してリスト上のタイトルをクリックすれば、リンクにてBandcamp各ページへ辿り着き得る次第。是非に御活用頂きたし。
AMT公式Bandcampも、未発表ライヴ音源等含め26作品を公開中なれば、是非にチェック頂きたし。
インド古典音楽家としても活躍される金子ユキ嬢とカネコテツヤ君とのトリオFloating Flowerも、公式Bandcampページにて、スタジオ録音作品やライヴ録音作品を公開すれば、Bandcamp Friday期間中にデジタルアルバム全6タイトルを纏めてダウンロード購入頂く場合、30%offになる次第。是非にこちらもチェック頂きたし。
Bandcampアプリ入手はこちらから。