今冬は積雪量は例年以下なれど、冷え込みの過酷さは近年一番か、いやはや明日香の深山に転居し18回目の春を迎えんとすれど、久々の酷寒地獄に耐え得る精神力と体力も、今や風前の灯レベルにして潰える寸前かと思われれば、一日も早き氷の世界からの脱却願うばかり。
斯くして今朝も寒風吹き荒ぶ中、いざ日課たる早朝山道入隊へ出撃せん。
定点観測(往路)。未だ空に月が残れば、いとをかし。
70分余の山道入隊を終え、山寺界隈へ帰還するや、再び定点観測(復路)。愈々消えんとする月仰げば、是亦いとをかし。
親子丼の鶏肉に代わり、牡蠣ぶち込めば「広島丼」拵えし。実山椒も一緒に煮れば、芳しき事この上なし。
「豆腐とワカメの味噌汁」も拵えるや、
「和布蕪」も添え、斯くして「広島丼」大いに堪能せり。
締め切り迫りし録音案件、無事全て入稿果たせば、プチ打ち上げなんぞに興じんとすれど、今宵も厳寒極まれば、此処は鍋料理にて心身共に温まらんとす。
土鍋の底に出汁昆布敷き、豆腐をON! 白菜を布陣、隙間に牛蒡天忍ばせ、
入念に隠し包丁施せし鶏腿肉投下、
白菜にて覆えば、調味料の類い一切加えず、酒少々+水注ぎ、蓋を閉じ加熱せり。
加熱する間、芯付近残されし白菜を千切り、胡瓜共々ボウルへぶち込むや、塩昆布投下、先ずは手揉みにて浅漬けとし、其処へ解せし蟹蒲、麻辣醤と三種の神器こと花椒醤、姜葱醤、麻蝦醤を投下、拳を以て更に浅漬けとすれば、仕上げに花椒粉投下、豪快に攪拌すれば、似非ニックインプロクッキング「四川風浅漬け」完成せり。
花椒と唐辛子の刺激と芳しさ堪能し得る、正に珠玉の逸品にして、個人的見解としてはキムチなんぞ眼中にあらざる異次元レベル、これは可成り悪魔的な味わいなるかな。
作り置き「鰯生姜煮」も召喚、
鍋が煮える迄、この2品をアテに熱燗なんぞ呷る次第。
白菜もとろとろに煮えれば、
仕上げに水菜ぶち込み、
斯くして「至福の水炊き」完成せり。
調味料一切不使用にも関わらず、昆布出汁、鶏出汁、白菜の旨味、練り物の旨味、是等がスープに惜し気もなく溶け出せば、其の儘スープ啜るのみにて激烈に美味、然れど此処に自家製ポン酢を僅かに数滴、而して自家製柚子胡椒を添え、いざ食らえば、この出汁三昧なる至福の美味さを損なわず、味の輪郭を纏める陰の功労ぶりに徹するや、全く以て堪りませんな。
ここまで煮れど鶏腿肉なればパサパサにならず、しっかり旨味残れば、片や豆腐への味の入り方は、その上品ぶりに高級湯豆腐な印象か。斯くしてプチ打ち上げ満喫堪能せり。
朝、表へ出るや、雪化粧施されし様、
いざ日課たる早朝山道入隊へ出撃するや、
未だ空に残る月を仰ぎし。
定点観測。
70分余の山道入隊より帰還、雪化粧施されし山寺界隈全景之圖。
昨夜興じし「至福の水炊き」絶品スープを以て、此処は当然「至福の〆雑炊」拵えれば、
蟹蒲と水菜をトッピング、
斯くして「至福の〆雑炊」、
作り置きトリニティーこと「鰯生姜煮」
「佃煮風山椒豚昆布」
「四川風浅漬け」召喚、
「和布蕪」も添えれば、斯くして「至福の〆雑炊 朝定食」堪能せり。
「至福の〆雑炊 朝定食」全景之圖。
先達て野本さんより頂戴せし千夜の亀酒造「立春朝搾り 令和四年壬寅二月四日」ラベル剥がせば、裏に「大吉」の二文字発見、何はともあれ「大吉」なれば縁起良きかな。
下山せし行き掛けの駄賃とは罰当たりか、日本三大奇祭「おんだ祭」にて知られる飛鳥巫神社を、徒然なる儘に参詣せり。平日なれば一般参拝客は皆無なり。
大阪アジトへ向け爆走、本来ならば正面葛城山の左手に金剛山臨み得る筈なれど、本日は雲に覆われ伺えぬ様、思い返せば山寺界隈は出発時に雪降り始め、何やら妙な雲行きかな。
今や備蓄食材ほぼ皆無なる大阪アジトなれば、滞在予定日数に合わせ、山寺より基本的な食材持参、加えて界隈の激安スーパー玉出にて補充する次第なれど、如何せん徒歩圏内に激安スーパー玉出あれば、ついぞ買い出しに赴き無駄に散財する悪癖あり。そもそも都会生活の罠と云い得る数多の商業施設からの誘惑こそ、海外遠征予定全滅にて収入絶たれし私が、明日香の深山へ逐電、隠遁生活送る最大の要因なり。
持参せし食材を以て「極私的激辛激痺れ麻婆豆腐」拵えし。今回ハザードレベル20に及ばぬ程度に抑えれば、刺激緩和の為のごはんは不要、然りとてその刺激レベルは世に云う激辛レベルならば危険度充分に高く、汗腺全門開き濁流の如く発汗とは、云わずもがな。
テレビ東京「ナゼそこ?」なる番組の「あなたより秘境に住む人 知りませんか?SP」にて、山寺の御近所さんが出演されにけりと、既に放送より半年経過せし今更知るや、大阪アジトの高速ブロードバンドにて該当動画拝見せり。何せテレビ無し生活歴も、あのテレビが只の箱になりし日以来、既に11年を数えれば、況して新聞や雑誌なんぞテレビ以上に久しく無縁、精々運転中に時折聴取するラジオニュースや、稀に目を通すネットニュース程度が関の山なれば、益々以て世間と隔絶、今や俳優やタレントなんぞ9割以上存ぜぬ有様、私が存じ上げる歴々の多くは、既に鬼籍に入られしか引退されしかか。
今や過去に放送されしテレビ番組も、ネットを介し視聴し得る世の中、斯くして御近所さんが出演されし放送回を発見、該当部分を拝見せり。
おおっ!紛う事なく斜向かい(とは云え随分離れれど)の御近所さん御夫妻が、睦まじく出演されしを確認せり。因みにこの奥様、愛車を駆りて山道往来されるぶっちぎりぶり半端ならず、私も大概可成りの高速走行かと思えど、二度程この奥様の後塵拝する機会あれば、同じ速度にて走行するがやっとの事、いやはや半世紀近くも日々往来されれば、目を閉じても運転し得るに相違なく、嘗て津山さん曰く「どんな山のプロでも、その山の事は、その山に長年住んでる人には絶対敵わへんねん。」身を以て会心せり。
然りとて斯様なバラエティ番組の何がオモロいのか、全く以て理解不能。どない考えたかて、都会生活者の方が、真の意味にての変人奇人酔狂の類い遥かにぎょうさん生息せりと確信する次第。嘗ては庶民の娯楽の王にして「お茶の間」たる語彙も生み出せど、今やテレビも番組の質が地に墜ちれば、サブスクや動画サイトに人気奪われしも当然か。
因みに久しくテレビ無し生活者なる私なれど、生憎ネット環境も不便な深山なれば、サブスクや動画サイトも是亦全く以て無縁の極み。然れば所蔵する膨大なビデオコレクションを以て、日々セルフ再放送やセルフ上映に興ずればこそ、情報溢れる現代社会へ背を向け、一層世俗と隔絶するばかりかな。
大阪アジトにて御来光拝みし。日々深山の極寒ぶりに耐えれば、都会の朝の穏やかな気候に、思わずTシャツ姿にてベランダに留まる有様。
備えれば憂いなしを信条とされし御袋は、非常時の備え万全過ぎて余りあれば、死後に発見されし非常用食料の膨大さに、残されし家族は一時唖然とさせられし程、然れば海外遠征時に重宝せんと、私が全て引き取らさせて頂けど、奇しくも御袋の逝去直後にコロナ狂騒勃発、結局引き取し非常用食料は全く以て出番なし、既に存在自体忘却の海へ沈めども、今回水屋整理すれば発見発掘、物は試しと熱湯にて出来るドライカレー召喚、
熱湯注入のみにて見事出来上がれど、如何せん15分間も待たねばならねば、その間に山寺より持参せし悪魔の美食「デビルズバーグ」召喚、焼き上げるには時間充分、然れど備蓄野菜殆どあらねば、玉葱スライスなんぞ添えんと用意、
唯一持参せし人参を以て「スペイン風人参サラダ」更にカットワカメと玉葱スライスを以て「ワカメと玉葱の味噌汁」拵えれば、
15分後に「ドライカレー」完成するや、斯くして「デビルズバーグ&ドライカレーセット」堪能せり。「ドライカレー」は、成程想像以上に美味、然りとて斯様な非常用食料召喚せざるを得ぬ、懸かる非常事態なんぞが決して訪れぬ事を、切に祈るものなり。
私は料理に殆ど塩を使用せねば、今や必要料のみ岩塩を削る次第。
大阪アジト界隈には、嘗てレトロな風情の給水塔聳えれど、
疾うに解体され、今やタワークレーン鎮座し、何やら工事中なり。昭和は遠くなりにけり。