タクシーにて空港到着。Istanbul空港と云えば、想起されるはアラン・パーカー監督作品「ミッドナイト・エクスプレス(原題:Midnight Express)」にして、何でもええけど空港内爆弾テロとかだけは勘弁してくれや。況して18年前のトルコ訪問に際し、奇しくも当時トルコ国内を騒がせし凶悪カルト教団アディスメンデの信者と、至る所にて間違われ、大層難儀せし経緯あればこそ。
未だフライト3時間前なれば、チェックイン・カウンターも人は疎らなり。ベースを千秋楽Istanbul公演終演後に売却されし津山さんは、バックパック1個のみたる軽装備にて、受託手荷物無ければ、その分を譲り受けさせて頂き、スーツケース+アコギ用ギターケース(sスタインバーガー内蔵)たる日本を出発せし際と同様、荷物2点をチェックインせんとすれど、チェックインカウンターにて「楽器はチェックイン出来ない」と機内持ち込みを強要されれば、そもそも本日新たに購入せし楽器を機内持ち込みせんとの段取りなれば、アコギギターケース内には、スタインバーガーのみならず、その膨大なる空きスペースにあれこれ収納せし次第にして、可成りの重量もあれば、未だ搭乗まで2時間半も余す身にして、空港内を楽器ケース2個携え徘徊するなんぞ、全く以て得策にあらじとは重々承知之介、押し問答繰り返せども、どうにも楽器はチェックイン不可と宣われし有様、最早観念せざるを得ぬかと思いし刹那、争点の楽器たるスタインバーガーのみ取り出し、機内持ち込みとすれば問題なしと、見事な大逆転サヨナラ案を以て問題解決。然ればスタインバーガー摘出されしアコギケースは、既にギターケースの形状すら不毛とばかり、係員の手に由り畳まれれば、これにて無事チェックイン完了。
如何せん未だ2時間以上持て余せば、搭乗ゲートも案内されず、然れど同様な深夜出発便多くして随分混み合えば、漸く椅子を確保、界隈のアイスクリーム屋にてアイスを所望すれば、無料Wi-Fiパスワード取得し得る次第にして、1個€4.00(約536円)也なるアイスクリームを食らいつつ、魅惑のネット世界を漂流せん。
漸く搭乗ゲート案内されれば、バスにて飛行機まで赴けど、車内満員御礼にして、9割が日本人にして、其の亦8割がツアー旅行客なれば、おっさんとおばはん、況して関空行きなれば大阪のおばはんパワー炸裂とは云わずもがな、然れば敢えて云わせて頂く「おまえらと一緒にすな、このたにし!」ちょう待ったらんかい、おんどれかて大阪のおっさんやないけ!と反論されれば、残念乍ら其れも亦然り。
日付変わりて午前1時発トルコ航空関空行き搭乗、均かの爆弾テロも勃発せねば無事離陸せり。機内食配膳されれば、何と忌まわしきペンネとは是如何に。添えられる鶏肉もパサパサにして頂けぬ代物、付け合わせのキャベツ煮込みも残念な味わい、然れば全く以て如何ともし難し。
機内にての愉しみとは、御存知の通り娯楽大作たるハリウッド映画鑑賞なれば、一昨日Romaよりのフライトの際、当初国辱級ウンコ映画「幕末高校生」なるを鑑賞せんとすれど、余りのしょうむなさに、30分間程にて最早これ以上の鑑賞耐えられじと激昂怒髪天を突けば、速やかにディーン・パリソット監督作品「REDリターンズ(原題:RED 2)」へ切り替えれど、フライトの残り時間不足にて、最後まで鑑賞叶わねば、今一度鑑賞し直さんとす。そもそもシリーズ1作目たるロベルト・シュヴェンケ監督作品「RED/レッド(原題:RED)」未見なれば、キャラ設定含め予備知識ゼロにて挑めども、充分楽しみ得るは、流石ハリウッド娯楽大作にして、この辺りがテレビ局主導にて乱発される昨今のゴミ邦画とは、大きく異なるものなり。
ブルース・ウイルス演ずる引退せしCIAスパイが、同じく引退せし嘗ての同朋共々大暴れする、高齢痛快アクション映画なり。ヘレン・ミレン演ずるビクトリアなんぞ、恒例化されし峰不二子の如しか。キャサリン・ゼタ=ジョーンズ演ずるカーチャも亦、何とも美しければこそ狡猾にして、是亦こちらも峰不二子の如し。然れどそもそも大英帝国人たるキャサリン・ゼタ=ジョーンズが、何故ロシア諜報機関のスパイたる配役かは謎なり。アクション娯楽大作も高齢化されれば、邦画も是非とも追随して頂きたし。昨今のアイドル然とせし軟弱な日本男優陣にては、最早重厚なアクション映画や時代劇なんぞ製作不可、然れば高齢アクションスターに陽の光を、しょうむないジャリ映画にて、精々悪役務めさせるに留まるとは、正に日本映画界が犯せし大罪、此処に断罪して然るべし。
2本目は、ダグ・リーマン監督作品「オール・ユー・ニード・イズ・キル(原題:Edge of Tomorrow)」鑑賞せり。主役トム・クルーズ演ずる屁垂れ将校ウィリアム・ケイジが、偶然身に付けしタイムループ能力を以て、正にゲームのキャラ宜しく、何度も死しては復活、復活を重ねる度に戦闘力向上図られる仕組みにして、エミリー・ブラント演ずる女傑「ヴェルダンの女神」ことリタ・ヴラタスキと共に、地球外生命体「ギタイ」なるの侵略に立ち向かう、SFアクション娯楽大作なり。タイムループに由る現世への影響が、常に1人称世界に於いてのみ展開されるは、タイムトラベルを旨とするSF作品に於いて、回避し得ぬ問題点なれば、説得力不足否めぬは常なれど、今作の結末に関せば、ホンマなんぼ程都合ええねんなと思わず失笑、然れどこの結末すら、実は「ギタイ」に由る策謀、即ち「自らの未来を有利に導かんとする為に起動されし現象」とも推察されれば、このハッピーエンドすら、実は仮想現実にして糠喜びに過ぎずして、然ればこの本編後、一層熾烈過酷な攻撃を仕掛けんとする策謀に他ならずや。本作にて、大いに好感抱きし箇所とは、本編中に於いて、結局地球外生命体「ギタイ」とは何たるか、その正体に関し、全く明かされねば、その出自のみならず、侵略攻撃理由も果ては最終目標も全く以て不明、単なる未知生命体としてのみ取られらればこそ、地球外生命体侵略戦争モノに於けるウザったらしき前置きなんぞも皆無にて、いと潔し。天晴かな。
3本目は、マット・リーヴス監督作品「猿の惑星: 新世紀(原題:Dawn of the Planet of the Apes)」鑑賞せり。前作たるルパート・ワイアット監督作品「猿の惑星: 創世記(原題:Rise of the Planet of the Apes)」は、以前機内にて鑑賞済み。然れば続編なれど、猿インフルエンザにて人類の大半が病死せし、前作より10年経過せし世界が舞台なり。今作に於いては「エイプはエイプを殺さない」なる掟を遵守せんとするエイプ社会も確立済み、然ればリーダーにしてエイプと人間の相互信頼を築かんとするシーザーと、好戦的タカ派コバとの権力抗争を描きつつも、同時に、人類サイドに於ける、新猿派と嫌猿派との抗争も絡めば、全く以て殆どの観客が予想されしと思しき、平々凡々定石通りの睡魔すら誘われる展開にて幕、而して同監督がメガホン取られる3作目へと続かんとは、是亦定石通りかな。
到着前に配膳されし機内食は、代表的トルコ料理「köfte(キョフテ)」にして、トルコ式炊き込み御飯こと「pilav(ピラウ)」添えられれば、流石は御国料理なれば大いに美味。それやったらさっきの悪夢の如き「チキン+ペンネ」は何やってんな。そもそも2食共に、トルコ郷土料理を配膳下されば、先の如き悲劇も起こらざらねばこそ。
約11時間の空の旅にて、午後7時前、関空着。無事帰国も果たせば、受託手荷物も無事回収、スタインバーガーをアコギケースに再度格納、斯くして装備は当初の通り、スーツケース+アコギケース(スタインバーガー格納及びポケットにMacBook収納)+今回購入せし一品のケースたる、3点装備に帰結果たせば、いざ先ずは大阪アジトへ帰還せん。
大阪アジトへ漂着すれば、時差ぼけ対策とばかり、この儘晩酌なんぞに興じ、酩酊気分にて就寝すべしと、界隈の激安スーパー玉出へ繰り出し食材調達、斯くして晩酌せんとすれば「鰺刺身+蛤酒蒸し+茗荷二杯酢+黒酢もずく納豆+厚揚焼+日本酒2合」大いに堪能せり。
大いに疲労も蓄積せしか、況して機内にては2時間程睡眠せし次第にして、2合空ければほろ酔い気分いい気分にして御機嫌至極、然ればこの機逃すまじと消灯就寝、果たして時差ぼけ回避し得るや否や、全ては明朝次第なり。片や吉田氏は、現在トルコの遺跡絶賛探訪中。
是を以て「japanese New Music Festival in Europe 2014」顛末記も幕。
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ミッドナイト・エクスプレス、いざ帰国せん
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