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Channel: 大ぼら一代番外地
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Lyon

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午前6時起床。朝飯を拵えんと、日清チキンラーメン宜しく熱湯にて戻し得るタイ製袋入り即席麺とカット若布召喚。青の器に、麺、カット若布、実花椒、先の北米ツアーに於いて使わず終いたりし韓国製即席麺の粉末スープをぶち込み熱湯注すや、仕上げに葱を施せば、これにてフランケンシュタインの如き寄せ集め有り合せインプロクッキング「フランケン・ラーメン」完成、いざ食らえば花椒芳しくして美味。



然れどどうにも未だ空腹なれば、この際とばかり同即席麺もう1袋召喚、具材はカット若布のみにして、今度は汁なし麺にて食らうべく、激辛汁なし担々麺の素及び激辛麻婆豆腐の素を投下、斯くして「テキトー汁なし麺」食らえば、何とも空虚感漂う味わいにして残念至極。



今宵は、フランスはLyon公演控えれば、TGVにて赴くべくタクシーにてBruxelles-Midi駅へ。構内にて、無料充電コーナー発見すれど、何と己れの脚にてペダル漕げば、漕ぎし分のみ充電叶う仕組なり。



TGVにて約4時間の旅、斯くしてLyon Part-Dieu駅到着すれば、先年来日も果たされし美少年ギタリストCyril Meyssonが迎えに来て下さりし。彼の車にて会場へ赴く道すがら、スーパーにて食材購わんとすれば、今や世界的ブーム巻き起こせし「巻寿司キット」売られれど、遺憾乍ら日本語にて「寿司キシト」と綴られし有様。



今宵の会場Grnd Zero到着。



以前の場所より強制退去にて閉店されれば、現在の場所たる2棟の巨大廃墟へ移転されれど、未だ有志の皆様の御尽力を以て、新店舗たるべきを絶賛改築建造中なり。然れど如何せんボランティアにて尽力される有志の方々なれば、既に工事も2年に及ぶ有様にて、各々の諸事情もあれば離脱者も少なからず、然ればこそ結束強固を図る意味も含め、未だ工事中なる仮店舗なれど、今宵の如くライヴ・イベントあれこれ行われる次第なり。



中庭には、戦士ならぬ有志の休息の為か、廃材に由るガーデンセットもあり。



我々が早く到着せしもあれば、サウンドチェックの準備も未だ未だの様子なれば、昼飯を求め序でに界隈散策せん。競馬場あれば、勿論その界隈には、一稼ぎされし懐より泡銭巻き上げるべく、商業私施設も建ち並べば、イタリア料理屋、英国式パブ、アメリカン・ダイナーなんぞと共に軒を連ねる寿司屋発見、然れどその巻寿司の形状たるや四角にして、



「Tataki mix」なるサーモンと鰹かと思しき珍奇な代物も伺えれば、



凡そ家族向けセットならん「Big Box」には、鮪やサーモンと思しき握り、ネギトロと思しき軍艦、色とりどりなる巻寿司各種、而して今や世界共通語「edamame」と相成りし枝豆も添えられれば、思わず苦笑せり。



Nullさんとの大英帝国&欧州ラウンドも、既に1週間を経るや、流石に些か疲労も蓄積すれど、特に欧州ラウンド突入以来、案の定忌まわしきベジタリアン料理尽くしにて歓待下されば、全身の細胞共が猛烈に肉食を渇望せり。然れば先程「KFC 1km」なる看板ありしを思い出すや、いざ肉を食らうべくKFCを目指さんとす。漸くKFCへ到着すれば、売り子女性共が英語解さぬ有様にして、何とかフライドチキン3ピース入りこそ注文し得れど、続く「飲み物は如何ですか」たらん一節解せず、大いに往生せし始末。斯くして「フライドチキン 3ピース」手掴かみにて貪れば、久しく肉に飢えればこそ大いに美味にして、一気にぺろり平らげし次第。思い返せば、先の北米ツアーに於いて、結局一度もフライドチキン食さねば、尚の事か。



道すがら巨大綿毛に天道虫と思しきが留まりしを発見。こちらの種は、日本のそれとは異なり、忌まわしき椿象の如く薄っ平な形状なり。



漸くサウンドチェックと相成れば、今回のツアーに於いて、私が必要とする機材とは、ギターアンプとベースアンプ各1台にして、大きさは敢えて問わねども、今宵程の凸凹ぶりには思わず苦笑せざるを得じ。因みに左のHiwatとAmpegの2段積みがギターアンプ、右の可愛気なるがベースアンプなり。



サウンドチェックも済ませるや、賄いにて晩飯御用意下されば、既に大凡完成されしダイニング・キッチンへ。



フランスなればこそ「キッシュ(Quiche)」も各種並べど、個人的に好まぬ類いなれば、全て遠慮させて頂き、概ねカレーと思しき野菜の煮込み料理と、日本の米とは随分異なるジャスミンライス御用意下されば、これを頂かんとす。煮込みは味見すれば、矢張りフランス式カレーにして、過去に当ブログにても幾度も記述させて頂けど、日本人が手前勝手に抱く所謂「欧風カレー」なんぞとのイメージとは大きく隔たるどころか、全く以て別次元の代物にして、トマトベースのパンチ皆無、スパイスの刺激皆無、何せカレー然とせし風味そのものすら皆無なる一品、然れど食らえば何処かしらに本来カレーたるべき筈の風味感ぜられれば、これこそが愚の骨頂たるミシュランガイドなんぞにて値打ちコキ捲る糞フランス人が拵えるカレーなり。日本人が抱くイメージの如く、先ずはマッシュルーム入りにて、ルーの隠し味にはデミグラスソースなんぞ忍ばされ、生クリームさえ施されるなんぞとは、果たして日本のカレーメーカーが発案捏造せし幻想と知れ。
スパイス棚を物色、スパイスあれこれ適当にぶち込み、カレーの味決めには不可欠なる塩をひと抓み投下、然れば是を以て漸く「何となくカレー」として食し得るレベルに到達せり。



先鋒を務められし「I'm The Boss」は、芸術至上主義たる如何にもフランス人なる、コンピューターに由る電子音に朗読の如きが絡むパフォーマンスなり。然れど終演後、メンバー2人の片方がイギリス人にしてフランス語未だ侭ならぬと伺えば、先述せし「芸術至上主義たる如何にもフランス人」なればこそとは、何かにつけてフランス人を毛嫌いがちな私の思い込みたりしか。



次峰務められしは、Cyrilがドラマーを務められ、以前LyonにてCyril共々共演させて頂きし美人バイオリン奏者Agathe Maxも参加される、エレクトリック・サズ奏者が率いるエスニック系サイケバンド「Sathonay」なり。



今宵はモニター・スピーカー在らざれば、サウンドチェック時には未だPAスピーカーの出音にて、何とかNullさんの電子音一切をモニターし得れど、観客詰め込まれ音響具合も大いに異なれば、モニター如何ともし難く、何せNullさん御自身すらモニター不可たりしとの有様にして、大いに往生せられれど、互いに百戦錬磨なれば暴走しつつも無事終演へと至りし。
ネット上にてライヴ写真の類い拾遺叶わねば、サウンドチェック時に撮影せし1枚を以て、イメージ画像として御茶を濁させて頂く次第、悪しからず。



投宿先たるオルガナイザーCharles宅へ。此処の同居人たる先述の「I'm The Boss」英国人メンバーの方と、ワインなんぞ酌み交わしつつ歓談、今宵のギャラを頂戴すべくCharlesの帰還を待てど暮らせど、どうにも帰還されず、既に午前3時を回れば諦め就寝せり。
斯くしてLyonの夜は更け行きし。

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