奇しくもNANI君が早々に転寝されれば、こちとら徹夜覚悟にて挑めど不覚にも転寝、午前7時起床。既に起き抜けられしNANI君曰く束の間の事なりけれど、何と麗しの矢口真里との大長編スペクタクル・SFホラー・ラヴストーリーたる夢なんぞ見れば、目覚めれどもその甘き残り香に未だ酔い痴れる有様。如何せん嘗て矢口真理がオールナイトニッポンにてDJ務められし際、己れを「おいら」と呼称されるにヤラレ捲り、一撃にてファンと化せし経緯ありて、先達ての不倫発覚に際せども、その肉食女子ぶりに惚れ直せば、片やこれこそ稀代の珍事と、斯様な展開を堪能し得ぬ旦那の心境、全く以て理解に難きばかりたりし。然れど矢口真里が我が夢枕に降臨され喜ぶ様とは、いやはや最早人生の黄昏すら伺わんとする五十路独身男性には、愚かしき有様此の上無しとは重々承知之介にして、然れどツアーも愈々後半戦佳境迎えんとすれば、心身共に疲弊摩滅、然ればこそ斯くも愚かしき夢さえも亦、一夜の癒しと相成るべし。
いざHebden Bridgeへ向け出発すれば、ハイウェイにあらず、只管田舎道を爆走されれば、暫し紅葉を眺むるばかり。
備蓄食材も愈々尽きれば、我等がユートピアたるTESCOにて、ツアー後半戦へ向け、いざ食料補充作戦展開せん。
チョコ売り場に埋もれる謎の手。
「麺神」の異名を取る東君、通称「TESCO麺」なる激安即席麺を纏め買いされしも道理。
片や「スナック・ジャンキー」みつるちゃんは、愈々大袋スナック菓子を、恐るべき程の真剣なる眼差しにて物色中。
本日は、TESCO麺8袋、豆腐2丁、大英帝国産カップ麺POT、レタス、ミニ玉葱、人参、鯖缶3個、スモーク・オイスター缶2個、タイ・グレーンカレー・ペースト、乾燥ハバネロ2袋、野菜ジュースV8、鶏丸焼きを購いし。
12袋入りスナック菓子大袋購入されしみつるちゃん、早速開封食らわんとするや「なんやこれ!めちゃ小さいやん!」見掛け倒し極まりなくして失意落胆、然れば曰く「これ(12袋)で1日分や…(消沈)」
車中にて、特別通路席に寝転がりスナック菓子貪るみつるちゃん之圖。正に御自宅にての御姿と変わらぬ寛がれぶりとは、これも人生を謳歌する達人なればこその為せる技かな。
昨夜より既に備蓄食材も尽き、況して投宿せしラブホの如きには電気ケトルも常備されず、洗面台より供される湯も熱湯にあらざれば、夜食も朝飯も食らえずして、猛烈なる空腹に任せ、いざ鶏丸焼きを貪らん。両腿肉ぺろり平らげ満足至極。
Hebden Bridgeへ向け、只管田舎道を爆走せり。
今宵の会場Trades Club到着せり。
サウンドチェックも済ませれば、晩飯は隣接するネパール料理屋よりのケータリングにて「野菜カレー」所望せり。案の定味の奥行きあらざれば、昆布出汁、激辛粉末調味料麻婆豆腐の素、乾燥ハバネロ1個を投下するや、素晴らしき刺激と旨味が補強され、大いに美味と相成りし。
スナック菓子やラーメン等、ヴィーガンジャンクフード好きにして、更には大のカレー中毒とは、ヴィーガンなる一語さえ削除すれば、果たして身近な誰かと全く同じかと思しき我等がドライバーMike、何とケータリングのカレーを大盛りにて御替わり、大いに御満悦なるかな。
今宵も大盛況にて、恙無く終了。ライヴ写真ネット上にて未だ拾遺叶わねば、取り敢えずはイメージ画像にて御茶濁させて頂く次第。悪しからず。
投宿先たるホステルへ。入口にて土足厳禁の貼紙あれど、ならば玄関然とすべく段差なんぞ拵えるべし。
キッチンも「ベジタリアン専用:肉や魚は料理するべからず」との貼紙もあれば、館内にはアンチ資本主義等のスローガンやポスター施され、更には斯様な壁画もあり。
而してガネーシャも居れば、PEACEの旗も貼られし次第にして、如何様な方々が集い来られるかは推して知るべし。然れど今宵御来場頂きし方々に於いては、彼方より遠征下さりしも少なからずして、毎度何故斯くもど田舎Hebden Bridgeにて満員御礼と相成るかは、遠征組の御陰もあらんと思えば、その方々の多くは此処に投宿されにけりて、然れば先ずは感謝して然るべきと知れ。
然れど鶏丸焼き残党をリサイクル調理せんと目論むは、我等夜更かし組にして、然ればこそ我等の夜更かし力、此処に於いてこそ発揮せんとすれば、況んや夜更かしの真価さえも問わんとす。
ベジタリアン専用キッチンに隣接するロビーにて、傍らに鶏丸焼き残党を包みしビニル袋抱え待機すれば、猫が鶏丸焼きの匂い嗅ぎ付け急接近せり。
漸くスタッフも宿泊客も就寝されしを確認後、NANI君と2人して、いざベジタリアン専用キッチンを占拠、愈々禁断の肉塊を召喚せり。
鶏丸焼きを解体、チキンカレーへとリサイクル中なるNANI君之圖。
片や私は真空パック「メキシカンライス」召喚、鶏丸焼き残党の半分解体、玉葱1個刻みて、中華鍋にて炒め合わせるや、粉末昆布出汁や即席麺に添付されしカレー風味粉末スープと共に、スパイス棚に並ぶあれこれ適当に投下、斯くして「所謂『チキンドライカレー』即ち『カレー炒飯』」完成せり。食らえば大いに美味なれど、欲を云えばウスターソースを施したし。
鶏丸焼き残党の残り半分解体、刻みし玉葱と共に炒めるや、水を注し、再び粉末昆布出汁と共に、スパイス棚に並ぶあれこれ適当に投下、然れどカレーの核たるべきコリアンダー欠けば、NANI君よりカレーペースト御裾分け頂き、強火にて煮詰めんとす。
然れば「真のチキンドライカレー」完成せり。先程拵えし「所謂『チキンドライカレー』即ち『カレー炒飯』」半分残せば、その上にON! 斯くして「ドライカレー ON ドライカレー」完成、明日の朝飯若しくは道中弁当として食さんとす。
ベジタリアン専用キッチンに於ける「禁断の鶏丸焼きリサイクル調理大作戦」レポは、近々NANI君のブログにアップされんと思えば、是非そちらを御拝読頂きたし。
アメリカ・ツアーに於いては、東君より「主食」と揶揄される程に摂取する野菜ジュースV8なれど、大英帝国バージョンは、カナダ・バージョン同様に味が異なり、何とも粉っぽく不味き代物とは残念至極。
ホステルなれば6人部屋にして、我等夜更かし組は、早寝組の方々に御迷惑掛けぬべく、ロビーに巣喰えば、結局転寝こそすれどロビーにて朝を迎えし始末。然れば次回転寝する際には、是非にも矢口真里再降臨頂き、今朝の大長編スペクタクル・SFホラー・ラヴストーリーたる夢の続きなんぞ切望するばかりかな。
斯くしてHebden Bridgeの夜は明け行きし。
↧
Hebden Bridge
↧