午前7時起床、朝飯を拵えんとすれば、愈々今回のツアーに於ける必殺キラーアイテムを召喚せん。斯くして満を持して召喚されしは「お好み焼きセット」なり。然れば水屋より小麦粉少々失敬させて頂き、粉末出汁、玉子、キャベツ千切り、蛸缶をぶち込み撹拌、タネを拵えれば、これにて「たこ玉」若しくは「たこのみやき」拵えん。
「お好み焼きセット」の内訳とは、揚玉、小海老、魚粉、紅生姜、青海苔にして、勿論3種の神器も含むとは云わずもがな。
揚玉、紅生姜、小海老をタネにぶち込めば、
鉄板なんぞ云うに及ばず、手頃なフライパンも見当たらねば、ヘビー級鉄鍋にて焼くばかり。
何とか焼き上がれば、お好みソースを塗りたくり、マヨネーズを放射、魚粉と青海苔を散布、斯くして魅惑の「お好み焼き たこ玉」完成せり。
周囲より羨望の眼差しを一手に浴びつつも、いざ食らえば、嗚呼…、衝撃的且つ笑劇的なばかりに美味、笑いが自ずから溢れるどころか、堪え難き笑いが、顔の皮膚すら決壊させ、土石流の如く迸るばかり。烏賊の代わりを務めし蛸なれど、いやはやこれはイケるがな。
昨夜のライヴ会場にて、グラサンを確保されし津山さん、意外にも御似合いで御座いますな。
昨夜訪れしGolden Tree、今一度、陽光の下にて拝まんとす。
然れば謎のオブジェもあれこれ、圴かこの「ジャパニーズ・ガーデン」なるもカオル・タチバナ・フランソワ先生の手に由る代物ならんやと思えば、家人曰く「亡き祖母が作ったと云われる『ジャパニーズ・ガーデン』」なりけれど、
圴かの発見遭遇に、ヒロボンは狂喜され、写真撮影に余念なし。何せ今やfacebook上に於いて公式ファンページ「カオル・タチバナ・フランソワの世界『愛のつばさ』」管理運営されればこそ。「あらヤダ…ここだったのね。先生が心血を注ぎ、まさに魂を削り創り上げた伝説の舞台『黄金天女』…その一場面で使用された舞台美術『黄金の谷』の完全再現を目指す芸術家達が集う場所…でも先生の作品を、常人が完全再現するなんて…そ、それも『黄金の谷』を…その意思は、次世代の若い芸術家達へ連綿と受け継がれているのだけれど、完成には、あと3世紀以上はかかるとだろうと言われてるわね。あらヤダ、仮面はもう飾られてるわね。」
然れど何も知らぬ家人曰く「滝」もあれば、
また曰く「Acid Mothers Buddha」なり。
こちらにも磨崖仏、
石仏の如しなれど石兎、
家人曰く「ファヴェーラ」
即ちブラジルのスラムなりけり。(下の写真参照されたし。)
家人の祖母とは、タチバナ先生の舞台美術『黄金の谷』完全再現を図られにけれど、生憎その子々孫々へは、その真意までは伝承せざりしか。然れどこれぞ偉大なる巨匠タチバナ先生の真意を、奇しくも汲む結果と相成りしか、まさしく真の芸術とは、斯くして人知れず風化埋没し、再び「無」へと還るべきものと知れ。
本日の道中弁当は、津山さんより御裾分け頂きし「炊き込み御飯」と、我等を招待して下さりしKittyの叔父にして、この大邸宅の家主たるEricが拵えしスクランブルエッグ、Kittyが拵えしポテトとアスパラガス、私が拵えし「レタスの湯引き花椒&トムヤム風味」を盛り合わせし「御裾分け盛り合わせ弁当」なり。出鱈目な食い合わせなれど、意外にも相性悪しからずして美味、唯一ポテトの大蒜風味が強烈にして、苦味すら感ずる程なれど、今やツアー終盤にて疲弊せし肉体には、これもまた良しか。
いざ出発せんとすれば、今朝改めて船便仕様より航空便仕様へと梱包し直せし私のレコード箱、4箱を積み込まん。
斯くしてレコード4箱発射準備完了せり。
地下に何と蒐集せしレコード6万枚を所蔵される家主Eric、姪のKitty、居候たるTim&Jerry兄弟、出鱈目且つ愉快な人々との楽しきひと時も終わりを告げれば、今や恒例になりつつある記念撮影。
既に昼過ぎなれど、本日は移動日なれば、のんびりサンフランシスコ・ベイエリア内、即ちサンフランシスコ湾東岸なるBerkeleyを目指し出発せり。
道中にて立ち寄りしガソリンスタンド内売店にて、出来合ハンバーガー2個を所望されしみつるちゃん、店内にていきなり開封貪られれば、店員に注意勧告促されし始末。
「小さい…」なんぞと文句垂れられつつも、2個をペロリ平らげられし。
おやつ代わりにセロリを召喚、マヨネーズとタバスコを添え食らえば、充分に美味なり。
今回のツアーに於いて、未だ一度もホットドッグを殲滅しておらねど、嘗て東君と伝説のホットドッグ戦争を繰り広げし私なれば、此処は是非とも「1ドッグ行っとこか!」斯くして瞬殺にて殲滅撃沈せり。
トイレに設置されしコンドーム自販機眺むれば、何と僅か$0.75にて、6種の悦びを恵与堪能し得るとの事。
カリフォルニア州へ突入、然れど道は、果てしなく真直ぐ延びるばかり。
御自慢の蛇柄マグを片手手に東君曰く「「蛇柄マグは、魂の自由を信じる俺って男のシンボルだ!(Did I ever tell ya that this here mug represents a symbol of my individuality, and my belief in personal freedom?)」ワイルド・アット・ハートだぜぇ!あかん、微妙過ぎるか…。
13時間の爆走の果てBerkeley到着、今宵の投宿先は、毎度素晴らしきツアーポスターを作って下さるポスター作家John Howard氏宅にして。彼はあの超巨大レコード店Amoeba Musicのロゴ等のデザイン全て行いしと伺えば、彼の愛妻Dinaは、何とAmoeba Berkeleyのマネージャーなればこそ。御二人に温かく迎えて頂けば、何とメキシコ風チキン煮込み「Chile Chicken」すら拵えて下さりて、早速御馳走になれば、大いに美味なり。ビールやウイスキー片手に、御夫妻とあれこれ歓談、斯くしてBerkeleyの夜は更け行きし。
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travel day
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