本日も午前6時半起床。午前7時半出発なれば、大慌てにて携帯用元気調理器「ポコポコ」を以て湯を沸かし、昨夜拵えしと同じ「焼売野菜焼そば」拵え、これを以て本日の道中弁当とせん。
斯くして午前7時半、ホテルをチェックアウト、いざRoma Termini駅を目指さん。
Bariを目指すべく、午前8時15分発Lecche行き特急列車に乗車せん。
車中にて「焼売野菜焼そば」食せり。
特急なれどドアの開閉は、開閉ボタンを押さねばならぬ仕組みなり。嘗て関西圏の列車のドアには「指づめ注意」なんぞと注意促されしが如く、ドア開閉の際には呉々も気をつけるべしとの勧告あれど、指詰めどころか股間挟まれるを注意されしとは、流石イタリアなるかな。
約4時間半の列車の旅を以て、Bari Centrale駅に到着するや、
オルガナイザーの方が迎えに来て下されば、此処より車にてGiovinazzoへ、投宿先たるホテルへチェックイン。
イタリアのトイレには、必ずビデが設置される次第にして、ここのビデには、何やら極太縄にて取手の如しも添えられれば、果たして何するものぞ。
昼餐に御招き頂けば、海辺のレストランへ。暫しアドリア海を眺むるものなり。
遥か彼方に、吉田氏と津山さんの姿を確認せり。
波高く岩場にして水深も深ければ、泳ぐどころかサーフィンに興ぜらるる御仁も皆無、岩場にて日光浴されるばかりなり。
斯くしていざレストランにて昼餐とす。今回の関係者たるMariaが、辿辿しき英語にて説明下されど、兎に角この店自慢のシーフード料理コースを堪能せん。白ワイン呷りつつ、先ずは「ムール貝の冷製トマトスープ」に始まり、
「ロブスターのカルパッチョ」やら
「鱈のクリームチーズ和え」と続き、
突如、蒸籠なんぞ配膳されるや点心かと思わされれど、いざ開ければ「鮪のたたき」なり。個人的に鮪は生であれ何であれ好まざる次第、そもそも鰹のたたきも然して好まねば、鮪なんぞ尚の事、然れど欧米に於けるシーフードの双璧とは鮪とサーモンにして、共に私が個人的に好まぬ代物なれば、奇しくも寿司や刺身等に関し、諦念に到るも難しからず。
「タイ風海老フライ」極細麺の如きを衣とし、スイートチリソースを以て味付けされし、凡そ此処のシェフ御自慢の創作料理ならん。
「帆立のベーコン巻き」残念乍らベーコンの味が帆立に圧勝すれば、肉々しく塩っぱき限りなり。
パンの中に豆炭かと見紛う代物混ざれば、何と烏賊墨が練りこまれしパンなりけれど、全く以て烏賊墨の味わいせぬ有様。
「焼き蛸のチーズソース添え」なれど、敢えて焼き蛸のみ食させて頂けば、大いに美味。
「焼き烏賊と南瓜の種付きクリームチーズ添え」是亦焼き烏賊のみ食らえば、何とも美味なるかな。
真っ黒な是亦炭の如し代物運ばれ来れば、曰く「天婦羅にインスパイアされし創作料理」なりけりて、衣に烏賊墨練りこまれし白身魚フライ「烏賊墨入り白身魚天婦羅トマトチャツネ添え」此処の料理は全般的に大いに塩っぱければ、私なんぞ半ば苦悶しつつもシーフード堪能せんと悪戦苦闘強いられる始末にして、然ればこの天婦羅も大いに塩っぱけれど、トマトチャツネの甘さにて緩和される次第、然りとて味の相殺を以て味の調和を図るとは、愚の骨頂に他ならじ。
そのシェフが、津山さん曰く「フサカサゴの類い」とサボテン携え登場、我々の眼前にて卸して下されば、
サボテンは単なる皿たれど、その上に刺身にて盛り付けられれば、岩塩とオリーブオイル施され、斯くして「フサカサゴのカルパッチョ」頂戴せり。案の定岩塩振り過ぎにて激烈に塩っぱければ、大いに苦悶せられし次第、折角の刺身なれば、矢張り山葵醤油を以て頂きたしとは、我々日本人なればこその痛烈な願いなり。
イタリア超重量級美食戦線、嘗て幾度も果敢に挑みては敢えなく玉砕、挙げ句の果てのは寝込みし経緯さえある私なれば(その件りはこちらやこちらを参照)今や五十路にして嘗ての如く暴飲暴食に耐え得る肉体に非ず、況してや長期海外ツアー生活にて満身創痍疲労困憊摩滅寸前なる有様、迂闊にイタリア超重量級料理貪れば、この後に食らうダメージ図り知れず、此処は抑制の精神を以て挑まんとするものなれど、満を持して運ばれ来たるは「活け貝類と有頭海老の桶盛り」なり。牡蠣、ムール貝、ボンゴレ等、数種の貝と有頭海老が盛られし様は圧巻、
況して大好物なる牡蠣とあれば、此処は敵前逃亡なんぞ万死に値すると、いざ貪るや、亦しても激烈塩っぱくして、何故斯くも岩塩振りたがるや、アホか、このオッサン!
先程の「オニオコゼ」残党は、揚げて頂けど、揚げ具合が亦中途半端にして、骨煎餅まで至らねば、結局身以外は殆ど食し得ず、ほなら何の為に揚げたんじゃ。
この後に未だパスタ控えると知れば、此処に来て食い抑え気味なる吉田氏と津山さん、
然れば白ワイン呷りつつ、活け貝を貪り、皆様が残されし有頭海老の頭を頂戴し味噌を啜れば、食い荒らせし残骸斯くの如し、最早我が胃袋に到底パスタの余地なんぞあらざる次第。
而して登場せしは「リゾット」如何なる味わいたりしかは、最早試食も拒否させて頂けば存ぜぬ次第、悪しからず。
〆たるパスタは「南瓜と海老のパスタ」是亦激烈に塩っぱければ、此処まで塩っぱさと散々死闘繰り広げれど、是にて全面降伏、斯くも塩っぱき代物ばかり食らえば、猛烈な頭痛さえ誘う次第、折角の高級レストランにての昼餐たれど、シェフの腕前が二流なれば、些か残念至極かな。然れどもしやイタリア人のみならず欧米人とは、実は斯くも塩っぱき味付けを好むものか。そもそも料理そのものは大抵薄味、下手すれば味希薄過ぎな程なれど、例外なく皆様卓上の塩や胡椒を施される次第なれば、実際に味わうその味の塩梅、こちとら知る筈もなし。
エスプレッソ頂戴せし後、ここはイタリアなればこそ「amazza cafe」とばかりリキュール呷り、これにて御馳走様。イタリア超重量級料理の前に、我が胃袋は悲鳴上げる有様、最後のパスタを殆ど残させて頂けば、これがせめてもの救いとならん。
案の定、ホテルへ帰還するや猛烈な下痢に苛まされる有様なれど、嘗てイタリア超重量料理の前に完膚なきまでに叩きのめされし際の如く、数日間も寝た切りなんぞたる惨状は回避し得しと確信せり。
昼餐前に洗濯されし吉田氏なれど、帰還するや、その洗濯物が下の屋根へと飛ばされしが発覚。
何とか救出すべく、バスタオルにハンガーを括り付け、いざ引っ掛けんとすれば、
見事に捕獲、
其の儘バスタオルを手繰り上げれば、
無事奪還成功せり。
Molfettaは今宵の会場たるEremo Clubへ到着。
海辺なればこそ、のんびりせし空気漂う環境なれば、
果たして斯様な場所に、客は本当に来るのか、些か疑念すら生ずるも当然か。
アドリア海沿岸のみに生息する「食人サボテン」に襲われ、棘攻撃こそ食らえど、九死に一生を得られし津山さん之圖。
サウンドチェック之圖。
ポケットピアノをセッティイッグさせて頂きし台、いとをかし。
今宵は満月なれば「満月の力、お借りします!」
アドリア海に沈む夕陽を臨むものなり。
サウンドチェック後、一旦ホテルへ帰還、午後9時半、再び会場へ戻れば、昼下がりに伺いし能天気極まりなき景色は一変、幻想的な演出施されし。
楽屋のテーブル上にて、吉田氏が新調されし茹で玉子切り器やおろし金之圖。
レコード屋が出店されれば、何気にチェックするや掘出物発見にて脳汁噴出、思わず散財せり。
今宵も前座あれば、若きマスロックバンド「Oaks」熱演されし。
気付けばこの大規模な会場ほぼ満員にして、コアなAMTファンも少からねど、成る程今や既にサマーホリデー突入すれば、リゾートに来られし何とも金持ち然とせし老若男女が、御運び下さりしか。
今宵も「Acid Mothers Temple SWR」「河端一 solo」「赤天」「津山篤 solo」「Ruins Alone」「Zoffy」「サイケ奉行」「Zubi Zuva X」怒涛の勢いにて走り切りつつも、今宵も「Japanse New Music Festival 2017」コンピレーションCD販促活動に勤しむ次第。
下は、私がステージ上より撮影せし写真なり。
「赤天」
「津山篤 solo」
「Compilation CD」の歌を以て販促活動に勤しまれる津山さんの背後にて、そのCDジャケットを広げ、助太刀共演されし吉田氏なり。
「Ruins Alone」
ケータリングにて御用意下さりし晩飯は「サーモンサンドウィッチ+焼き鯖+鰯のマリネ+烏賊焼き」詰め合わせなれば、これはホテルへ持ち帰り、明日にでもリサイクル・クッキング施さんとす。
Wi-Fiなんぞ在らざる田舎のホテルなれば、自室にてのんびりテレビなんぞ鑑賞するや、ソフトエロ映画をなんぞ堪能せり。
斯くしてBariの夜は更け行きし。