1978年に自作楽器とRolandシンセサイザー「System-100(Model 1+2)」にて音楽活動を開始せし当初より録音も行えば、高校1年生の時に極私的自主制作カセットレーベル「R.E.P.(Revolutionary Extrication Project)」を設立、販売本数限りなくゼロに近けれど、若さ故の暴走ぶりにて都合40タイトル程リリースせし経緯あれど、カセット復権叫ばれる今、均か38年ぶりに再び自主制作カセットレーベルを立ち上げるとは、果たして誰が想像し得しか。
そもそもKarlheinz Stockhausenの電子音楽を耳にし、音楽に目覚めし私なれば、その原点回帰とも云うべき電子音楽への回帰は、久しく音楽活動を続ける者としては、有り勝ちな事象にして、奇しくもモジュラーシンセとの出会いがそれを決定付けしとは云わずもがな。そもそも明日香の山寺に設営せしD.I.Y. 録音スタジオは、所謂ヴィンテージシンセサイザーに分類される骨董品の如きに、その半分を占拠されれば、予てより電子音楽への回帰は模索試行錯誤すれど、モジュラーシンセのフレキシブルぶりこそが、私が久しく求めて止まざりし究極の姿にして、然ればこのモジュラーシンセにて電子音楽作品を制作せんとは当然至極、而してその可能性の大きさ深さ無限とさえ感ぜられればこそ、その刹那刹那を記録に残さんと、メディアとしてはフットワーク軽めなカセットテープにてリリースを決意せり。
カセットテープにてリリースせんとすれど、世のカセット専門レーベルにリリース依頼するも面倒至極、然れば凡そ38年ぶりに自主制作カセットレーベル「Experimental Records」立ち上げし次第。高校生当時との相違とは、自宅にてカセットレコーダー2台(未だWカセットなんぞたる文明の利器あらざれば)を駆使し、只管商品をダビングせし御苦労は、五十路半ば迎えし今や金にて買わせて頂く1点か。然ればプレス会社へ発注、カセット本体のラベルも、嘗ての如く手書きやコピーにあらず、本体へ直に印刷させて頂きし。
而して高校生当時は、夥しきタイトル数リリースこそすれ、その殆どが実売数を数えるに当たり片手にて充分たりしが現実、その売れ残りしカセットは、レーベル維持運営資金の問題より自ずから消去され、新たな作品へと録音され直されれば、今や現存する実物本数は凡そ限りなくゼロに近からんとは想像に易し。然れど伊達に41年間もアホ面晒し音楽活動継続せしにあらねば、況してカセット復権なる追い風もあり、更には新レーベルの記念すべき1作目なれば、今回は限定100本製作せり。
今後、絨毯爆撃の如きリリースラッシュへ至らんとの目論見あれど、果たして実行し得るや否や、それは全く以て不明なり。
今回の「AMT宗家大英帝国ツアー2019夏」各会場にて販売せんとすれど、帰国後には国内ライヴ会場にての販売及び「AMT SHOPZONE」公式ページにて通販も承らんと思えば、震えて待たれたし。
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Undead Underdrive Electrique
/ Kawabata Makoto
side-A
Undead Underdrive Electrique pt.1
side-B
Undead Underdrive Electrique pt.2
Kawabata Makoto : synthesizer, guitar
all music by Kawabata Makoto
recoded at Acid Mothers Temple, May. 2019
produced, engineered and mixed by Kawabata Makoto
artwork by Yoda Masaki