夜道を運転すれば、必ず鹿数頭に遭遇する次第、ヘッドライト照射すれど畏れる風にあらねば、何せ人間に対する警戒心希薄、況んや時折車の前に飛び出し来る有様にして、こちとら急ブレーキ踏まされるも稀ならず、いやはや随分嘗められしものなるかな。いつの日かぶち殺し鹿刺なんぞにして食らわんと思えど、残念乍ら仮令仕留めれど解体の術知らず、悔やまれるは若き日に狩猟のいろは学ばざりし事か。
来客あれば晩酌すべく一席設けし。
季節の野菜を主にせし「天婦羅(茄子、南瓜、蓮根、大葉、鶏腿肉大葉包み揚げ)」
「天婦羅(鳥天、鳥牛蒡天、牛蒡、白子)」今回ふと思い付きし「鳥牛蒡天」即ち牛蒡に鶏腿肉を巻き付け揚げし代物なれど、一見その見て呉は「チューリップ」の如きなれど、如何せんこちらは骨ならず牛蒡なれば「丸ごと食らうチューリップ」なる異名授けん。
「海老刺身」頭部は素揚げに処し、刺身共々アリオリソースを添え食らえば、大いに美味。
「菊芋の生姜ポン酢和え」電子レンジにて加熱せし菊芋に、おろし生姜とポン酢を以て和えしのみなれど、是が妙味にして美味。
石油ストーブに鍋を乗せ丸1日煮込みし「鯛骨蒸し」昆布と鯛の出汁が濃厚豊穣、激烈に美味。
晩酌翌朝は、前夜のアテ残党リサイクルとは常、冷め切りし天婦羅を、電子レンジに内蔵される「カラッとフライ」機能駆使し温め直す傍ら「きつねうどん」なんぞ拵え添えしも、冷めし天婦羅なんぞうどんに沈めれば問題なしたる持論あればこそ。斯くして「残党アラカルト」たらん「天婦羅+海老刺身+菊芋の生姜ポン酢和え+きつねうどん」食せり。
二夜連続晩酌せんとすれば、
今宵も先ずは「天婦羅(大葉、牛蒡、南瓜、鶏腿肉大葉包み揚げ、鳥牛蒡天)」を筆頭に、
「自家製白子ポン酢」
甲烏賊捌けば「甲烏賊刺身」
「甲烏賊の沖漬け」
先達て仕込みし「中近東風鯵の南蛮漬け」召喚、
「小松菜の胡麻和え」「水茄子刺身」
「焼蕪酢味噌和え」「菊芋の生姜ポン酢和え」なんぞアテに、日本酒呷れど、
如何せん今宵の主菜は「牡蠣味噌鍋」なり。
牡蠣の最も美味なる食らい方のひとつなれば、牡蠣の濃厚な味わい堪能せり。
日課たる早朝山道入隊へ繰り出せば、
山道にて沢蟹と邂逅せり。はて、沢なんぞ随分距離あらんと思えば、此処まで如何にして移動されしか。時折山寺玄関や軒先にても見掛ければ、蟹の横這いなれど、如何許りの路程を辿られ漂着せしか。
毎朝同じ山道のコース辿る次第なれど、季節に応じ日の出の時刻も場所も異なれば、路傍の草々や樹々の様も変遷、鳥獣や虫共の鳴き声も亦然り、風の戦ぎぶりや雲も形状、空の色や高さにて、季節の移り変わりを実感、然りとて是も偏に1年通し日本、然もこの深山に滞在し得ればこそ。詰まる処、長引くコロナ狂騒の御陰なり。
晩酌翌朝なれば、昨夜の「牡蠣味噌鍋」残党汁を以て「〆雑炊」堪能せり。いやはや牡蠣の旨味凝縮され捲り、仮令既に牡蠣本体が1粒も残されねど、置き土産たる濃縮な味わいにこそ、牡蠣の醍醐味秘められるかな。
揚げ物続けば「天婦羅(野菜掻き揚げ+竹輪磯辺揚げ+味噌煮込みうどん」食せり。個人的史上最強袋入り即席麺たる「寿がきや 名古屋名物 味噌煮込みうどん」は、湯を沸かすまでの時間に加え、茹で上がるには5分要する次第にして、その間に天婦羅を準備し揚げ終えるなんぞ、うどん屋のオヤジにあらざれど屁の河童と知れ。
先達て捌きし甲烏賊のワタ及び下足召喚、是を以て「Spaghetti al nero di seppia con i calamari(烏賊入り烏賊墨スパゲッティ)」拵えるや、アテ残党も添え食らえば、市販の烏賊墨ソースなんぞ到底足元にも及ばぬ濃厚ぶり、嘗てイタリアに滞在せし際に、現地の友人より御教示頂きしレシピに、我流にて「Spaghetti aglio, olio e peperoncino(スパゲッティ・ペペロンチーノ)」のレシピと合わせフージョンアップ、更に塩の代わりに塩昆布用いれば、旨味トリニティにして激烈に美味なるも当然、大いに堪能満喫せり。
冬瓜をもぶち込み「冬瓜入り粕汁」拵えんとすれば、ストーブに鍋掛けるが最善の術と知れ。
生憎の空模様なれど早朝山道入隊、
中腹の展望地より、奈良盆地を臨みし。
山寺界隈も紅葉すれど、空気は既に可成り冷たく、下界に於ける12月初冬の冷え込み想起されたし。
当方五十路独身オヤジなれど、連日怒涛の天婦羅ラッシュ、斯くして「天婦羅(大葉、ムール貝、小海老入り掻き揚げ)+ブロッコリー+冬瓜入り粕汁+ごはん」食せり。
「ムール貝の天婦羅」に、スパイス施せしヨーグルトソース添え食らえば、大いに美味。嘗てトルコはIstanbulの港界隈にて、ムール貝天婦羅屋台が軒連ねるや、吉田氏達也氏と2人して「何処が一番美味いか調べよう」なんぞとほぼ全店網羅食い荒らせし経緯あり。揚げ物たれど特製ヨーグルトソースにてあっさりせられれば、無限モードにて胃がブラクホール化、然りとて翌日2人揃い腹壊せしも、今や懐かしき逸話なるかな。
我々世代が呼ぶ処の「ドライカレー」即ちカレー焼飯を薄焼き玉子にて包めば、ケチャップならぬとんかつソース添え、斯くして「オムドライカレー+ブロッコリー+冬瓜入り粕汁」食せり。
ドライカレーには必須たるウスターソースも仕込み済み、これをオム化すれば、玉子の円やかさと相俟り、激烈に美味と化せし。上に施せしとんかつソースが是亦影の功労ぶりを遺憾なく発揮、内と外からのWソース攻撃の前には、世の如何なるオムライスも屈服せん。
2001年に大英帝国LondonはMoat Studioにて録音、2002年に今は亡きTrevorが主宰されしParatactileよりリリース、2006年に米Prophase Musicより復刻されし「Kawabata Makoto & The Mothers of Invasion」1stアルバム「Hot Rattlesnakes」が、若干枚数のみなれどProphase Music主宰されしMike宅より発掘され、有り難くも届けられし次第。タイトルもジャケットも、御察しの通りZappa先生の名作「Hot Rats」パロディなれど、双方「ギターアルバム」たるコンセプトなればこそ。
この「Kawabata Makoto & The Mothers of Invasion」なるユニット、その後も不定メンバーにて不定期的にライヴ活動行えば、2008年「Eugene Chadbourne and Jimmy Carl Black as THE JACK & JIM SHOW」としてJimmy Carl Blackが来日されし際、神戸公演にて前座務めさせて頂けば、彼がこのバンド名を見るや大笑い、更に本作を進呈するやバカウケ、意気投合しウイスキー呷り捲りしも良き思い出、而して均かその数ヶ月後に急逝されると誰が想像し得しか。
コロナ狂騒収束の目処全く立たぬ現状を前に、海外遠征は来年末まで不可たらんと関連各位より通達されれば、2021年も明日香の深山へ隠遁し、国内にて活動するしか術なけれど、座右の銘「ピンチこそチャンス!」とばかり、久しく凍結せし「Kawabata Makoto & The Mothers of Invasion」この機に乗じ新たな面子募り解凍再開せん。而して肝心のメンバーとは何処、出会いこそ全て天命と信ずる次第なれど、斯くも人外魔境に隠遁の身、嘗て三顧の礼を以て、遂に諸葛孔明を迎えし劉備・関羽・張飛三兄弟の如くは到底望むべくもなく、先ずは御気楽気長に構えんとす。